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映写機
この世界がこの世界と認識されているのは、絶えずこの世界として選択されているからである。
選択されなかった世界がどうなってるかだって?
選択されなかった世界も、この世界のすぐ横に存在している、この世界と交わる一瞬の時を待って
悪夢なき悪意
悪意なき悪夢
世界に蠢くものが目覚め始まる
暗がりの中映写機から映し出される白黒映画の断片
辻褄の合わない物語
場所を変えながらぶつかり合う光と闇
物語が終わり色づく映像
嘆きの表情で映し出される10の死体
そして浮かび上がる映像タイトル
そして、私の顔が映し出され
浮かぶ文字
「選ぶのはあなた」