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ゴブリンと冒険者と悩みと


クロム「ここがゴブリンの群れのいる所ですね。」

俺らは洞穴が見える場所までやってきた。

カイト「…めちゃくちゃ怖いんスけど?」

クロム「大丈夫だよ…きっと。」

カイト「きっとって言わないでもらっていいスか!?」

そういいながらもカイトはそそくさと準備体操をしている。

今回の作戦は、まずカイトがゴブリンをおびき寄せてくることから始まる。

カイト「それじゃあ行ってきますね!」

そういって走り出した彼を見送りながら、セレナさんは深呼吸をしている。

そしてしばらくして。

カイト「わぁ~~~~~!!!!!クロム~早くして~~~!!!」

叫びながら走ってくるカイトを見て、セレナに合図を出す。

セレナ「うお~~こっちを見ろ~~~!」

なんとなく間の抜ける声を出しながらゴブリンに突っ込んでいくセレナにゴブリンがだんだんヘイトを向けていく。

さぁ、おそらくこれで勝った。俺らはそれを察知して少し離れていく。

ゴブリンがこん棒を振り上げ、そして振るう…!

セレナ「うわ~~~~!!!」

大きな衝撃波が起こり、その場にいる者を吹き飛ばしていく。無差別に。

そう、無差別に吹き飛ばしていく。ゴブリンたちは"仲間の攻撃"で倒せる。

カイト「なるほど…ハァ…これが防げない攻撃…ハァ…ってわけですね…ゲホッ」

クロム「お前作戦聞いてなかったのか?」

レイバ「こいつ寝てたぞ。」

マジかよ。

小さな問題が増えてしまったが、大きな問題が解決できたので良しとしよう。俺たちは上機嫌で帰路に着くのだった。


セレナ「…なんか前回より簡単に終わっちゃいましたね?」

歩きながらセレナがそう話す。

確かに前回は何回も何回も爆破していたので少し時間がかかったが、今回はほとんど時間がかからなかった。

クロム「でも、前回より作戦を考えるのは大変だったよ。」

セレナ「え?そうなんですか?」

そう。基本的に俺らは臨機応変な戦闘がしづらい。作戦をたてた上でみっちりと準備をしなくちゃいけない。だから作戦に抜け目があってはならなかった。毒竜は動かなかったがゴブリンは動くので、かなり作戦がたてづらかった。

戦闘訓練が必要かもしれないな。さすがに。

でも、戦闘訓練なんてしていると次のランク戦までに必要な実績が足りない…

レイバ「…そうだな。もう一つ二つは依頼をこなしてからって所だろうな。」

クロム「そうですね…って、え?」

レイバ「大体考えていることはわかるよ。つーかつぶやいてたしな。…それで、まぁ、もし作戦が失敗していたら俺らは死んでいたかもしれないから、個々の戦闘能力を鍛えるべきってとこだろ。」

クロム「…そうですね。」

レイバはよく見てるな…

レイバ「まぁ、ひとまず今は考えても仕方ないだろ。」

クロム「それもそう…ですかね。」

…そうだ、そういえば聞きたいことがあるんだった。

クロム「そういえばレイバさんはともかくセレナさんやカイトはなんで俺のパーティーに入るつもりになったんですか?」

セレナ「んぇ~…私は呪い持ちの人が頑張ってたから手助けしたいなって…」

それっていつか悪い人に騙されたりしないだろうか。

カイト「俺は路頭に迷ってたからっスね。正直工場とか店とかに勤めんのは俺に向かねぇなって思って。」

クロム「なるほどな…俺がわざわざ冒険者になった理由は話したっけか?」

カイト「いえ?なんでですか?」

クロム「親の遺した借金を返済するためだよ。」

………

………………

………………………

クロム「みんな?」

レイバ「毒竜の時の金ちょっとやろうか?俺が持ってても腐っちまうかもしれねぇ。」

クロム「え?え?」

カイト「俺全部使っちゃったっスけど…なんかすいません…」

クロム「…あぁ、そんな重大な感じで悩んでないから!!安心してください!!!」

…コミュ力も訓練した方がよかったか?

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