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呪われたパーティーの始まり

さて、一つ目の孤児院だ。

クロム 「すいません、ここの孤児で呪い持ちの人っていません?」

挨拶も早々に受付の人に聞くと、ぶっきらぼうに答えられた。

受付 「あ~…いるけど。なんで?」

クロム 「まぁ…色々あったんです。」

受付「説明になってなくね?まぁいいや」

クロム 「えっとそれで…呪い持ちの人は?」

受付 「俺だよ…あ~、名前はレイバ」

彼はそう言いながら彼自身を指さす。

まさか受付が呪い持ちだったとは。ラッキーだ。

レイバ 「あ~、分析パネルで呪い見せれたらいいんだけど、使えねぇから言うわ。」

レイバ 「俺の呪いは道具不能って言って、魔道具が使えなくなるんだよ。持つのもダメ。」

クロム 「そりゃまた大変な…ていうかその呪いどうやって鑑定したんです?」

レイバ 「知り合いに人のユニークスキルが見れるヤツがいるんだよ。」

できることが魔道具レベルって…多分その人も生活で苦労してるんだろうな…

まぁ俺の言えた事ではないのだが。

クロム 「えっと…それで、これが本題なんですけど、俺のパーティーに入りませんか?」

レイバ 「パーティー…?お前俺を冒険者にさせるつもりかよ。無理無理。他を当たりな。」

クロム 「当たろうにも当たれないんですよ…。」

そういいながら俺は分析パネルを見せる。

レイバ 「こりゃまた大変だねぇ…ま、とりあえず俺は勝ち馬以外には乗らないつもりだ。お前が勝ち馬だって判別できない限りはパーティーに入るつもりはないから。」

クロム 「そうですか…わかりました、今は諦めます…」

どうにも不愛想な人だな。それに髪もボサボサの銀髪だし…これで孤児の相手できるのか…?

レイバ 「わかったよ…あぁ、ちょっと待て。隣町の孤児院に呪い持ちが二人もいるって聞いたぞ。行ってみろよ。」

なるほど、根は優しいタイプか。多分孤児から好かれてるんだろうな。

俺は礼を言いつつ、隣町へ向かうこととした。



ここが二つ目の孤児院だ。

二つ目にして呪い持ちにもうもう二人も当てがある。

今度はキレイで長い金髪をした女性の受付だ。温厚な人だろうか。

クロム 「すいません、呪いを持っている方がここに二人いるとお聞きしたんですが…」

受付 「冷やかしですか?」

孤児院の受付ってみんなこうなのか?

クロム 「いえ、俺も呪い持ってるんですよ。」

そういい俺は分析パネルを見せた。すると受付はみるみる顔色を変える。

受付 「わ…わ…私はなんてことを!!すいませんすいません…」

クロム「いや全然大丈夫なんですけど…どうしました?」

なんでこんなキャラが濃いんだ?

受付 「あ…えっと…すいません私セレナって言います。落ち着きます。」

クロム 「落ち着きましたかセレナさん。俺はクロムです。それでどうしました?」

セレナ 「実は私も呪い持ちで…呪い持ちの人を差別する人が嫌いなんです…」

孤児院の受付ってみんなこうなのか???????

俺が既視感を感じていると彼女は分析パネルを見せてくる。

『無限コンティニュー:死んでもその場に無限に生き返れるが、相手の敵対的な行動がかすりでもすると死ぬようになる。」

クロム 「…これって呪いではあるけど結構強いよりじゃないですか?」

セレナ 「いや私どんくさくて…死ぬ前に一撃浴びせる!!みたいなこと出来ないんです…」

なるほど…それならこのユニークスキルは呪いだろうな。

クロム 「えっと…それじゃあ本題なんですけど、俺のパーティーに入りませんか?」

セレナ 「いいんですか?いやまぁあなたの呪いからしてそうするしかないんでしょうけど…」

クロム 「いや、その呪いは戦いで役立つと思うんです…だから、お願いしますっ!!!」

俺は深く頭を下げる。この言葉は嘘なんかじゃない。これは使えれば強い能力なはずだ。

これは逃せないチャンスだ。神に祈る他ない。頼む…!

セレナ 「別に頭下げられなくても受けますよ。よろしくおねがいしますね!」

そして彼女は一瞬の逡巡もなく俺のお願いを受け入れてくれたのだった。



ついさっき仲間を増やして忘れかけていたが、この孤児院にはもう一人呪い持ちがいることを思い出した俺はセレナに案内してもらっていた。

セレナ 「あの青い髪をした子です。ちょうど15歳で、カイトって言うんです。」

そういって彼女が指さした先には、精悍な顔だちをした少年が座っていた。

呪いさえ持っていなければ幸せな生活を送れただろうに。

カイト「えっと…何か用スか?」

クロム「実は今呪いを持ってる人を俺のパーティーに誘って回ってるんだ…事情は俺のユニークスキルを見ればわかると思うんだけど…」

そして俺の分析パネルを見せる。

カイト「なるほど…誘いはうれしいスけど、ひとまず俺の呪いを見せましょうか。」

そういって差し出された彼の分析パネルを見ると、そこにはこう書かれていた。

『挑発:自分の存在が認知されていない敵にも敵対される。また、この効果を受けた敵は武器の破壊力が五五倍になるが、代わりに体が少し貧弱になる。』

カイト 「これだけ見たらよく見えますけど、ホントキツいっスからね?」

クロム「なるほどなるほど…それでパーティーには入るの?」

カイト「入れる気になるんスか!?」

うん…まぁ…

これが一般的な反応だ。普通呪い持ちをパーティーに入れるなどデメリットしかないといっても過言ではない。

だが俺には先述の通りそれ相応の理由がある。それも急ぎの理由が。

というかこのままでは俺とちょっと情緒不安定なセレナと不愛想なレイバの三人になってしまう。断る理由なんてない。なので俺は彼をパーティーに入れることとした。

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