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美人と言われた私の恋

作者: キリマンジャロ

美人と言われたわたしの恋


うぬぼれてるとか、自意識過剰とか言われるかもしれないけど、ごめん。わたし、すごい美人なの。

美人の定義はいろいろあるけど、ごめん。わたし、生まれてからこの年まで誰からもブスだとか言われたこと、ない。


それどころか、「美人だね」「綺麗だね」「可愛いね」って、そればかり言われてきた。

鏡が大好き。スタイルがよくて、美人な私。


かがみよ、かがみ。世界で一番美しいのは、誰?


そんなわたしは、ある男性から告白された。

背の高い、会社経営者の人。

地位も名誉も名声も手に入れて、あとはトロフィーワイフがいればいいって人。

彼にとって、私はうってつけの存在だった。


ほどなくして、私たちは結婚した。


ほどなくして、私たちに子供ができて、無事に生まれた。男の子だった。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「あーーっ!こんなお話、世界中にごーろごろ、転がっているでしょうよ!」

リサはそう言って、打ち込んだ画面をにらみつける。

リサは恋愛小説家だった。


売れない、小説家。


リサはノートパソコンを閉じて、そばのソファに寝そべって背伸びをする。


あくびをひとつ。


「なあにが、美人の恋愛話、よ。そんなもん、書きたくねーっての!」

今度はソファから起き上がって、冷蔵庫から2Lコーラを出し、棚から取り上げたグラスに注いで、一口飲む。

「なあにが、美人よ。不美人の私にそんなもん、書けませんよーっだ!」


1DKの狭い部屋をうろつき、またソファに、今度は腰かける。

コーラの、しゅわしゅわした舌ざわりをたのしみながら飲む。


リサは編集者から恋愛小説の依頼を受けてしまい、しまったと思っている。

「どうせならミステリーとかにして欲しかった。どうしてこの私が恋愛小説なのよ」


リサは平凡が良く似合う言葉の女である。

勉強はそこそこできたので、そこそこの大学は卒業した。

そして、そこそこの文才があったので、そこそこの出版社の文学賞をとった。

今回は、その受賞作に次ぐ2作目の本の出筆になるのだが。


「恋愛なんかろくにしたことがない、私がいったいどんなラブシーンを書くのよ?雨の中結ばれる二人?崖っぷちに追われて結ばれる二人?楽園でキャッキャウフフ言ってる二人?そんなもの、誰が読むの?読まないわよ!」


リサは混乱していた。

小説家としてなんとか生計をたてるくらい活躍したいのに、早速2作目で詰んでいる。


「いけない。こんなところで立ち止まってちゃ。書くのよ。書くの。書いて書いて、書きまくるのよ」


リサはそうぶつぶつつぶやき、またノートパソコンをあけて、キーを打ち始めた。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


息子がすくすくと成長して、なんの不自由もない生活を送っていると思われるかもしれない。

そんなわたしは、浮気をしている。相手は息子の家庭教師。

息子に自由学習をさせている間が二人の時間。


彼は夫よりもハンサムで、ぼくとつ、としていて真面目なひとだった。

誘ったのは、私の方。その誘いにのってきたのは、彼。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「なんのこっちゃ、よ!これがベストセラーにでもなると思っているの?ねえ?リサ!」

リサはまたノートパソコンを閉じる。ああああ、とうなって、そばに置いておいた気の抜けかけたコーラを口にした。


リサは思う。わたし、才能がないんじゃ・・・いや、ある!あるあるある!そう思いながらまたソファに寝っ転がってみたり、コーラをのんでみたり、部屋をうろついてみたり。


「書くの!書くのよ!リサ!書けばなんとかなる。小舟のオールをこぐの!小説の世界の大海原も、こいでいるうちに、どこかの大陸にはつくはず!ってか、その前に不審者扱いされて身柄を拘束されそう・・って、私何を言ってるのかしら?」


リサはうなる。書かねばならない。この手で世界を創造しなくてはならない。


そうして、夜はふけていくのだった。リサは仕事があるのでいいかげん、明日に備えて眠りにつかなくてはならない。処女作の印税だけでは食べていけないのが現実だ。



さて、リサの小説は完成するのか?


それはまたどこかでお知らせいたしましょう☆


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