表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鎧の人  作者: たい。
第一章 森
3/46

第二話 共同生活

数日間の看病を経て、漸くミハルが動けるようになった。

とはいっても、棒を使ってゆっくりとだが。

取り敢えず切れていた組織が繋がったようだがまだ脆い。

ここからどこまで回復するかは本人次第だろう。

ミハルとは一緒に生活してはいるもののついアルセナの面影を重ねてしまい、あまり顔をあわせられていない。

向こうも迷惑をかけて申し訳ないとばかりに特に話しかけてはこない。

というか無理して手伝おうとしてくる。

一度無理して転んだので部屋に入れて鍵を閉めておいた。

こんなことをしたくはないが、怪我が治らなくては意味がない。

ちなみにこの鍵というのは結界のことを指すので物理的にどうにかなるものではない。

もちろん常に閉じ込めるなんてしていない。

あくまで食事などの準備、片付けの時だけだ。

しばらくすると、ミハルも無理をするのは諦めたのか大人しくなった。

俺はこの生活に気まずさを感じつつも、同時に楽しさを覚えていた。


更に1週間ほど経ち、ミハルは自力で歩けるほどに回復した。

始めの状態を考えればなかなかな回復力だ。

最近は近場の茂みからいろいろと取ってきては料理を作ってくれる。

今までは井戸水にモンスターの干し肉だけの食事だったのに、近頃の食事はモンスターの肉を切ってから実と共に炒めて草を巻いたものや肉と野菜を煮込んだスープ、近くの森で取っておいた実で飲み物まで作ってくれた。

食に関しては感謝してもしきれない。

それほどまでに美味しかった。

今日も材料を取りに行くそうだ。

俺には全部同じに見えるがミハルにはそうではないらしい。

俺も特にすることもないので付いていく。

そもそも怪我人を一人で森に行かせるわけがないのだが。


森に着いた。

まだゆっくりとだが目を輝かせて採取を始める。

どうやら、ミハルがいたところにはあまり生えていなかったものが沢山あるらしい。

キノコ、果実、草など様々なものをどんどん持ってきた籠に入れていく。

籠に半分くらいの植物が入ったその時だった。

ズーン ズーン ズーン

「な、なんですか?」

「この地響き…ギガントゴブリンか?」

ギガントゴブリン。

どちらかと言うと巨人族に近い種族。

その生態は壊し、貪り、犯す。

まさに本能のみで動いているような生き物だ。

「ち、近づいてきてませんか?」

ミハルは速く動けない。

そして歩幅が大きく意外と速いギガントゴブリンからは逃げきれない。

とうとうお互いが見えるところまで来た。

戦うしかない。

剣を抜き、対峙する。

こいつの基本戦闘は力任せな攻撃。

当たるとダメージは大きいが動きは遅く、命中率は低い。

だが、ゴブリン系統のモンスターは命の危機に瀕すると仲間を呼ぶという習性がある。

だから一気に倒さなければならない。

後ろから「私を置いて逃げてください!」という声が聞こえる。

また、アルセナのような娘を死なせる?

絶対にありえない。

何より相手は厄介だが対処をしっかりとすればそこまで強敵でもない。

今度は絶対に守り抜いてみせる!

本日はここまでです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] これから楽しみです!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ