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第一話 出会い
はっと目が覚めた。
もうこの夢を見るのは何度目だろうか。
何年前のことだったか、思い出すこともできない。
あの日、俺は「スクリーミングソウル」という呪われた装備をつけた。
アルセナを守るためにつけたのに自分で彼女を……。
涙は出ない。装備の代償の一つだ。
あの後、俺は暴走を恐れて山に籠った。
装備の効果で歳を取らないのでだいぶ長い時間ここにいると思う。
今でこそここまで安定したが暴走しないという保証はない。
これからもずっと人と関わらずにここで過ごすのだろ「あのー」う。
…今何か聞こえたか?
部屋を見回すと見覚えのない少女が一人。
「すいません。お邪魔してます…。」
少女は申し訳なさそうにそう言った。
「……誰だ?」
俺はどうにかこの言葉を絞り出した。
それは何故か。
彼女はあまりにもアルセナに似過ぎていた。
「ミハルといいます。」
「すまないが今すぐ出て行ってくれないか?」
「大変申し訳ないんですけど足の怪我が酷くしばらくは動けません。」
「嘘だろ……」
今すぐにでも出て行って欲しかったが怪我人を放り出す訳にもいかない。
こうして俺とミハルの生活は始まった。