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やんのかコラ?

今日は特に退屈な登校日。

 15歳の悠平は学校に行くのが嫌になっていた。

 まだ4月の17日。入学して日は浅い。


 『かったりぃー。学校行くの、もうダリい、めんどくせー。Uターンをして街に行こうかな。ナンパでもするかな、ゲーセンに行くかしようかな? でも金がねぇな。2302円しかねえからな。増える奇跡を見たいな。23002円くらいに増えたらなあ。


 せっかく、高校が受かってもよ、クラスメートが大人しいし暗いんだよなー。たまたま受かった進学校に行くのは間違いだったかもしれんな。不良でも高校には行っとかないとさ、最低限だからな。高卒はさ。チッ。これから三年、かなりダリいなあ。部活なんか全然まったく興味ねえ』


 悠平はチャリンコで街に来た。チャリンコのベルをチリンチリーンと、しつこく鳴らしまくっていた。

見知らぬお婆ちゃんが手を合わせて悠平を見ていた。音を勘違いしているようだった。


 『街は若者がいねえな。そりゃそうだわな、午前、11時、学校に行っている時間帯だもんな。さて、不良の俺はゲーセンにでも行くか!』




 ピコーン


 ピコーン


 パキューン


 ペキューン


 ツキューン


 エトゥーン


 チュダーアァァァン


「ゲームオーバーデス。コインヲイレテネ」




 「チッ、金返せよ」


 「おい坊主!!」俺は後ろを振り向いた。ガタイの厳つい不良が睨んでいた。


 「ああん? なんだよ、テメーはよー!」と俺は、たぶん、他校、高校三年生の不良に目を付けられた。


 「トイレに来いよ、話がある」とリーゼントにボンタン、赤いTシャツに龍のスカジャン姿の不良が俺に脅して言った。高3の不良は、律儀にも学校指定の外靴を履いていた。


 「独りでトイレに行くのが怖いのかよ?」と俺はアクビをしながら馬鹿にして言った。


 「あんだって!? なめんじゃねぇよ、クソガキが」


 「なんだよ! 売られた喧嘩は買っちゃうよ〜!」と俺はポケットに手をいれて立ち上がると、高3の不良に向かい合い、足元から髪の毛までメンチを切りまくった。


 「やんのか、おい!」と高3の不良は俺に絡んできた。


 「外に出るか?」と俺は一瞬、外に視線を向けた。


 「うるせー、コラ! トイレに来いよ」


 「うるせー、バカ」


 「やるのか? コラ」


 「なんだ、テメェ!」


「早く、トイレに来いっつてんだよっ!」


 「やんのか! コラ!」


 「トイレに来いよ!!」


 「なんだテメェコラ!」と俺は高3の不良の靴を踏んだ。


 「痛えっ、テメェコラ」と高3の不良は飛び跳ねながら俺に吹っ掛けてきた。


 「なんだよ、てめーよ、やんのか、コラ」と俺はまた靴を踏んだ。



 「痛い! コラテメェ」


 「コラ、テメェ。コラコラやんのかコラ、おう?」と俺は高3の不良の靴を強く踏んだ。



 「いてててて! コラ、テメェ〜ッ! コラ!」と高3の不良は半べそをかきながら唇を震わせて俺に言った。


 「テメェよう、泣いてねーか?」


 「なんだって? コラ? 泣くか馬鹿やろう。テメェ、コラ」


 「泣いたら負け。俺の勝ち。弱えーよ、テメェ」と俺は勝ちと判断してゲームを再びやり始めた。





つづく

ありがとうございました!

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