表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/49

返り討ち

新作「反逆の妖蟲王~乙女ゲームの世界かと思ったらギャルゲーの世界だった」投稿しました!


https://ncode.syosetu.com/n1001fw/

一週間後

秘書は今まで調べた調査結果を家康に報告していた。

「申し上げます。あの星のDNAとまったく同じ遺伝子を持つ者の名前は、田村良樹という少年です」

資料と共に、平凡な少年の顔写真がディスプレイに浮かび上がる。家康はそれを一瞥すると、フンッと鼻で笑った。

「ただの小僧ではないか。こんな餓鬼に何があるというのだ」

「調べたところ、特に変わった点はありませんでした。ただ一点を除いて」

「それはなんだ?」

家康の問いかけに、今度はストレートの髪をした美少女が浮かび上がる。

「この少女の名前は藤岡舞。日本を代表するIT企業ソウルバンク会長ですが、つい先日まで難病にかかっており、明日をも知れぬ身でした」

その言葉と共に、入院していた病院のデータとベッドに寝たきりになった舞の写真が示される。

「しかし、彼女の周辺に田村良樹が現れたとたん、あっという間に健康体になったのです」

ディスプレイに学園生活を謳歌する舞の姿が映し出された。

「くだらぬ。ただの偶然であろう」

「いえ、奇妙な点は他にもあります。これは健康になる前のテロメアデータと、健康になった後を比較したデータです。ご存知のように細胞のテロメアは分裂が繰り返されるにつれて短くなっていきます。ところが、舞の場合は健康になった後のテロメアのほうがながい、つまり若返っていることになるのです」

「なんだと!」

若返りと聞いて、家康の顔に欲望が浮かぶ。

「間違いないのか?」

「はい。一卵性双生児である藤岡明のテロメアと比較しても、舞のほうがはるかに長くなっております。本来は同じ長さのはず。つまり、今の舞の肉体は見かけはどうあれ生後半年であると推察されます」

秘書は自信を持って断言した。

「つまり、若返りの方法があるということか……それを手に入れれば、ワシは今後も日本の支配者でいられる」

本当に若返りや病気の完治ができる薬を前にすると、人は正常ではいられなくなる。

戦後の日本の奇跡的な復興の立役者になったといわれるほどの人物も、死を前にして現れた希望に狂ってしまった。

「すぐにその者をひっとらえろ!」

家康の命令で、全国の暴力団が動き出すのだった。


ある日の日曜日

俺はまったりと昼食ができあがるのを待っていた。

「こ、これがカレーという食べ物ですか?なんていうか、食べづらい色をしてますね……それにこの原始的な刃物。レーザーカッターを使ったほうがよく切れますのに」

「余計なことはいいから、さっさと作る!」

「は、はい……」

ダニエルはなれない手つきで包丁を握り、野菜を切り分けている。

「い、いたっ!こ、これは何の攻撃なのでしょう。目に染みました」

「タマネギ切ったくらいで騒がないでよ。この駄メイド!」

「す、すいませぇん」

ダニエルはどうも早苗に弱いのか、ダニ人の女王ともあろう者が涙目になっている。

そんな様子に苦笑していると、すんでいる団地の窓から黒い高級車がやってくるのが見えた。

「なんだ?こんな貧乏団地にふさわしくないな」

そう思っていたら、筋骨たくましい暴力的な雰囲気をもった男たちが降りてきた。

「なんだあいつら?」

「ご安心を。我らにおまかせくださいませ」

カレーを運んできたダニエルがそういうと同時に、男たちに緑色のビームがどこからともなく降り注ぐ。

次の瞬間、かき消すように消えていった。

「あの者たちの背景を調べさせていただきます。その生い立ちから前世の記憶にいたるまでじっくりと」

「……任せるよ。適当にな」

俺は苦笑すると、カレーを食べはじめた。

その日の夜、テレビは大騒ぎだった。

「日本最大の暴力団、山内組の本部が異星人たちの攻撃を受けて全焼しています」

レポーターが興奮しながら実況している。まるで城砦のように大きな屋敷の上には巨大な円盤が鎮座し、緑色のビームを降らせている。

屋敷は瞬く間に炎に包まれていった。

「異星人たちの目的はなんなのでしょうか。あっ、自衛隊の戦闘機がやってきました」

何十機もの戦闘機が編隊を組み、巨大な円盤に向けてミサイルを放つ。

しかし、透明なシールドのようなものに阻まれて、かすり傷ひとつつけることができなかった。

その映像を見て、早苗が震える。

「お兄ちゃん……怖い。日本はどうなっちゃうんだろう」

そういいながら、身を摺り寄せてくる。

俺は慌てて慰めてやった。

「だ、大丈夫だって。ほら、よく見てみろ。あの屋敷だけを燃やしていて、周りに被害を及ぼさないようにしているだろ」

頭をポンポンをなでながら、ダニエルを睨む。

(やりすぎだ。バカ!首謀者に話があるなら来いっていうだけでよかったんだよ)

(も、申し訳あげありません。すぐに引き上げさせます)

ダニエルの命令で巨大円盤は引き上げていく。

「円盤が逃げていきます。日本は守られたのです」

その放送をみながら、俺は面倒なことになったとため息をつくのだった。


新作「反逆の妖蟲王~乙女ゲームの世界かと思ったらギャルゲーの世界だった」投稿しました!


https://ncode.syosetu.com/n1001fw/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=569357356&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ