終わりと始まり
性懲りもなく似たような文章を綴り始めてしまいました。
完結できると嬉しいです。
何とぞよろしくお願いいたします。
俺は割と普通の男子だと思う。
両親は共働きだったから、小学校から中学校を卒業するまでずっと月曜日から土曜日まで習い事や塾に通っていたくらい。学童保育とかの代わりだよね。
無断で休むと母親に連絡が行くからサボれなかった。
高校からはバイトと塾。
両親の帰りが遅くなるなんていつものこと。だから料理や掃除、洗濯なんかも小学生の時からやってた。
小遣いでお菓子を買うよりも自分でご飯炊いておにぎりを作ったり、パンケーキを作る方が美味いし安上がりだし食べ応えがある。
中学生になると夕食代をもらって家族の夕食(朝食も)の支度もするようになった。
味噌汁とご飯と簡単なおかずくらいだけど。
朝食はオムレツとサラダとパンくらいだし。
明日も使う体育着なんかが汚れたら帰宅してすぐに洗って干さないと間に合わない。夏は帰宅したらとりあえずシャワーを浴びなきゃだし。シャワー浴びるついでに着てた物を洗いたかったし。
床にホコリが溜まっているのを見て見ぬフリをするより、掃除機をかける方が気持ち良い。
ついでに水拭きするともっとスッキリする。サッシは綿棒とキッチンペーパーで。
ついでに玄関を掃いて、靴を片づけて。母さんは靴を出しっ放しにするから何日かに一回は片づけないと。
父さんもなぁ。ゴルフなんて月に一度行くか行かないかくらいなのに、シューズを手入れしないまま置いてたりするんだ。
仕方ない。父さんや母さんの本革の靴は汚れを落としてクリームを塗って布で拭く。こうすると綺麗だし保ちが違う。シューズキーパーなんて無いから新聞紙を丸めて靴の形も整えてっと。
…なんだか主婦っぽい?手が空いてるからしてるだけだってば。
なんてことをずっとしていて。大学生の時も社会人になってもしていた。出来る時だけ、になったけど。
うん。だから。
母さんが大学一年の時に交通事故でいきなり居なくなったら自然に俺が主婦業をするようになった。その六年後。今度は父さんが心筋梗塞で呆気なく死んで。
両親は二人ともそこそこ預貯金や保険金や株なんかも残してくれてたから、葬式の費用もまかなえたし相続税を払った後に家も残った。
生活費にも当面は困らない。一応、俺も社会人三年目だし。この家で一人で暮らすことは出来る。
父さんも母さんも一人っ子で。どちらの祖父母ももういなくて。俺って親類らしい人もいないんだよな。
身軽と言えばその通りだけど。
寂しくない、悲しくない、と言えば嘘になる。
彼女?何それ?美味しいの?
うん。付き合ったことがないわけではないんだけど。
まあこれは多分どっちもどっちなんだろう。相手も俺も自分に都合のいいことを要求してダメになるパターンを繰り返してさ、ここ半年以上彼女無しだ。まあ縁だから仕方ないよな。と思ってた。