俺の弟子はイミフ!
とうとう3話目に入り、話の内容も濃くなっていきます。果たして、主人公は初の仕事が出来るのか?
ガラガラ
「失礼します!」
誰かが来たようだ。ムムッ!こ、子供!?
「今日はとっても大切な相談があって来たんです!」
う~む。このしゃべり方といい見た目といい、見れば見るほど子供だが…。あれはうちの学校の制服!ってことはうちの生徒か!
「そうですか。それでは自己紹介からはじめましょうか。」
あんた、冷静だな。目の前に突っ込みどころ満載の女の子がいるってのに。
「はい!私の名前は椎名 ことりです!」
「私は、花ノ宮 雫です。早速ですが、相談とはどのようなご用件なのでしょうか?」
あんたマジで部活のことしか興味ないのな。
「はい!じ、実は!あの、その…//」
「恥ずかしがらずにゆっくりでいいのよ。」
あれ!?俺のときと待遇があまりにも違いすぎませんかね!?
「実は!大人っぽくなりたいんです!!」
ですよね。
「いや、大人っぽくなりたいってどんな風になりたいのか具体的な例とかあるか?」
「貴方は黙ってて。」
「ムッ。(発言権すらないんですねっ!)」
「はい!習いたい方ならすぐそばにいます!」
ははーん。こりゃ花ノ宮の事だな。
「それは…、くっきーのことです!」
「そ、それは誰の事ですか?」
「は!つい癖で!く…、暗木くんの事です!」
「あー、俺かー…………、って俺ぇええ!?
「そ、それはまたどうしてこんな人なんでしょうか?」
それは俺も同感だが、こんな人は余計だろ!
「はい!くっき…じゃなくって、暗木くんっていつも一人でいて、クールなイメージがあって、すっごく大人っぽくみえるんです!!」
あのぉー!それは、ボッチで話せる友人もいない俺の事をけなしているんですか!!
「それは彼に友人がいない超絶ボッチと言ってるのと同じだわ。彼に失礼よ。」
あんたの今の一言でトドメを刺されたわ!!
「そ、そうなんですか!」
そこー、真に受けんなー。
「とにかく私は!暗木君みたいにクールになりたいんです!!」
まぁ、悪い子では無さそうだな。
しかし待てよ。なぜこの子は俺の名を知っている?
「そういえば、なぜ椎名さんは彼の名前を知っているのですか?」
「その、同じクラスなんです!後ろの席に座ってました!」
全く気づかんかった!!
「だから、その、いつも見てたっていうか。」
悪かったな。友達作りに興味のない俺は周りを見てなかったよ。
「とりあえず、私じゃこの問題は解決しないわ。暗木くん、最初の仕事よ。」
ま、まさか…。
「貴方がこの子の先生になるのよ。」
「あ、あのぉー、俺はまだこの部に入るとは一言も…。」
「そういうことだから。部長命令よ。」
「はい…。」
マジで何なんだ!俺に恨みでもあんのか!
「やったーですぅ!これからよろしくね!くっきー!!」
この部に入って最初の仕事はまさかの大人になるお手伝い!しかし、どうやって解決しようか、そもそも果たして俺なんかで良かったのだろうか―。
ご愛読ありがとうございます!もっと話をおもしろくしていきたいので、今度の話は来週になります。続きをお楽しみに!