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fake  作者: マリア
6/7

「最悪」

晴れるって言ってたじゃん。

窓から降る雨を見つめて憂鬱さが増す。

帰りまでにやまないかな。

傘を忘れたら帰れないほどの雨。

傘立てにはいつからおいてあるのか分からない傘もあるのだから、こういう時は拝借していけばと思うのだけれど、変な所真面目なのだ。

きっと私はずぶ濡れで帰る方を選ぶだろう。



「傘忘れた」

「じゃぁ一緒に帰ろう、持ってきたから」


そんな会話があちこちで聞こえるけど、私にそれを言う人はいない。

特別な親友がいない、というのもあるけれど、なにより私の家は遠いから。

自転車の申請がギリギリ通らない、そんな中途半端な距離。

「小田さん、また明日」

「はるちゃん、バイバイ」

なんて何気ない挨拶が今は恨めしく思う。

「うん、また明日」

晴夏はそんな気持ちを悟られないように、無理に笑顔を作る。

どれくらいそうしていただろうか。

気づけば恨めしく思ったクラスメイトもいなくなり、入り口にたっているのは私だけだ。

待ってれば少しはこぶりに、なんて思っていたけれど気のせいなのか、どんどん強さは増していく。

これはもう濡れて帰るしかない、明日こそ仮病じゃない風邪覚悟で。

そう思って踏み出そうとした時「小田?」と聞き覚えのある声に晴夏は振り向いた。


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