告白
「別に構いませんよ」
破り捨てた事を非難されるような親友もいないし。
かといって、いじめられている訳でもないけれど。
「いやぁ、小田さん可愛いからもてるねぇ」
「そんな事ないですよ」と私は思ってもない事をいう。
だってモテるんだもの実際。
迷惑なくらい。
「でも誰とも付き合わないのって・・・いや、ごめんなんでもない」
いいよ先生
誰とも付き合わないのは何で?でしょ?
皆から言われる。
あの人かっこいいのになんで?
女子から人気あるのになんで?
なんでって、じゃぁ好きでもないのにイケメンに告白されたら付き合うの?
なんて言ったら非難で溢れかえるんだろうな。
だから決まっていつも「学生のうちは勉強に力いれたいから」とそういう事にしている。
そうすれば誰も傷つかないし、反感もかわない。
「そうなんだ、感心するよ・・」
ほらね。
「・・・じゃぁ、俺で良かったら教えるよ勉強」
えっ?!
いや、なんでそうなるの?
「進学するんだろ? 数学以外も分かるところあると思うし」
まぁ思い出しながらだけど、と佐々木は照れ笑いする。
は?!
ほんと照れなくて結構ですから。
「こうみえて、家庭教師とかやってたことあんのよ俺」
だから?!
知らないよあんたの過去なんて。
「じゃぁ放課後待ってるからな」と佐々木は晴夏の頭をポンポンと軽く叩いた。
去っていく彼の背中を見ながら私は開いた口がふさがらなかった。
なにこの予想外な展開。
別に勉強なんてしたくないって。
成績だって中の中だし。
進学?
いやいや、むしろ卒業したら学校なんてもう行きたくない。
ただでさえ団体生活が苦手なのに。
どのみち嫌ならお金を稼げる就職を選ぶ。
なのに、なんで、なんでこうなるのーー?!