第2話 魔法のお約束
ステフがが現れた翌日、僕の日常は大きな変化を遂げた。ファンタジー小説の世界に来たような気分だ。有名な映画の設定をステフに頼めば叶えてくれた。
瞬間移動や浮遊魔法などそのバリエーションは果てしなかった。
「しかしな、希よ、魔法にも限度というものがある。その条件は3つ。『1つ、発動に必要な魔力値が使用者の所有魔力の上限を超える場合発動する事ができない。』『2つこちらの世界、通称地球界では魔法の発動により歪みが生じてしまう危険性があるため大規模な魔法の発動は禁忌である。』『3つ人はもちろん動物の命を殺めることや危険にさらす魔法は地球界と魔法界のどちらでも最大のタブーだとされている。もし発動した場合には発動魔具に取り付けられている転機により『魔法連盟』に通報される。のちにどんな理由であれ処刑される。』
この3つさえ守ればいくらでも魔法は使っても構わないらしい。見ての通り我はは少し体が小さいので魔力の回復には長時間の休養が必要だ。」
どうやら魔法にも決まりというものはあるらしい。でも願いを叶えて貰っているんだから文句は言えない。むしろ言うつもりなど毛頭ない。
「ところでステフ。生き物の命を殺める魔法ってのはいくつぐらいあるんだ?例えば呪文とか。」
別に悪用しようってわけじゃない。ただ把握しておきたいだけだ。ステフはまだ幼い、判断力が弱まってうっかり使ってしまうかもしれない。なら願いを叶えてもらってるなりのサポートはするべきだ。使う素振りがあれば…僕が止める。
「ふむ、確かに人や動物の命を殺める魔法はある。しかし、我は使えぬ。」
「なんで?」
「魔法連盟は過去に起きた魔法戦争を機に高出力攻撃系魔法などの死傷者を出す可能性のある魔法の使用、伝授を一切禁じた。それも何百年も前の話だ。当然我も生まれて居らぬ故名前も呪文も知らん。だから安心せい、お主が止める必要はない。」
ステフは僕の心を見透かすように返事をしてきた。心の中を知られているようで少し変な気分だが、それも含めて僕のことを心配してくれたうえでだ。素直に感謝しよう。
そんなことを考えつつ僕は朝食の準備を始めた。今日は土曜日なので時間が多く使える。ステフに感謝の気持ちを込めて少し豪華な日本食でも作ってやるか。
「ほほぅ、希は料理が上手だな。それに日本食というセレクトが実に素晴らしい。魔法界では日本食というものが無くてな、一度食べてみたかったのだ。いつか箸も使えるようになりたいな。」
箸は使えなさそうなのでフォークにしておいて正解だった。よろこんでくれたようだ。
「これが日本の、お・も・て・な…
「あ、そうだ、今思い出した。」
こいつ滝川クリ○テルの名言に割り込みやがった。ここ数年で久しぶりの渾身ボケだったのに。
「今日の夜に魔法連盟から我の姉が来る。姉は魔法界ユグドラシル魔法連盟特殊問題措置省第二班班長だから文字通り魔法に関する特殊な話も聞けるだろう。」
なっげぇな、おい。もうちょい短くできないのかよ。まぁいわゆる内閣の各省の1つみたいなもんか。
「いきなり言われても困るよ。布団も着替えもないし、今朝はお前の歓迎と感謝の気持ちを込めての豪華日本食なのにこれじゃあ家計がもたないよ。」
本音だだ漏れだ。一人暮らしだから普段は悩みや困りごとを言う人がいない分色々行ってしまいそうだ。
「我に対する歓迎と感謝なら姉には歓迎のみの対応で我の半額にすればよかろ?」
なにそれ超数学的。
「まぁ今日だけな。お姉さんにはあんまり期待するなって言っとけ」
「安心しろ、連盟に入っているだけあってちゃんと常識も礼儀も兼ね備えている。手間をかけることはないと思うぞ。」
「そりゃどうも。」
魔法に関連してる時点でもう常識はずれだけどまぁいいか。僕は学校は向かった。
ステフどうしよう。
少し間が空いてしまいましたが、ついに次回はお姉さんが登場です。巨乳だとか金髪蒼眼だとかイラスト無しの作品なのでご自由に想像いただければなと思います(笑)
では次回お会いしましょう。