プロローグ
プロローグ
魔術師や超能力者といった類のものは果たしてこの世界に現存しているのだろうか。もしかしたらそれはヨーロッパのフランス人男性かもしれないまたは親戚の奥さんの右腕やら足首やらにそういった力が備わっているかもしれない。
しかし今この社会は科学や理論をもとに物事を進めるため、先程の魔術師や超能力者どころか、幽霊やUFOの分類だけでなく子供達の夢である仮面ライダーの変身能力までもを理論でぶち壊す有様だ。
そんな偉そうに語っている僕は瀬乃橋 希。今年の春に誰もが夢見たキラキラ高校1年生デビューをした。だが世の中そんなに輝いてないし漫画やアニメみたいに誠実で優しくもない。運命を感じさせるようなギンギラモテ少女もいない。明るく毎日サポートしてくれるパートナー的な美青年もいない。「はなっから期待していなくてよかった」なんて毎日考え続けて早半年、もう冬だ。こんな風に思いふけっていてなにが楽しいのかというと、
楽しくない。
現実逃避だ。近年ではアニメや漫画の世界に視点を置き、己が実際に今生きている世界のことから逃げる人はそう少なくはない。これも時代の進歩であろう。だが僕はアニヲタでもなければ電車マニアでもない。今この瞬間のなにが怖いかというとほんのあと3分で明日になってしまうからである。明日は中間テストの結果発表。聞いている諸君からすれば正直「ふぅん、それがなんだよ」的な感じで終わってしまうであろうが、そのテスト結果が僕にとっては学生史上最大の地獄なのである。先生に褒められることもあれば怒られることもある。いや、断じて褒められることは無いだろう。なんせ僕はテスト毎に「次から本気出す」の人だからである。結果的にそういった発言をする人に限って本気を出せず、出せたとしても普通に頑張っている人の6割ほどしか能力を発揮できない。
つまり、何が言いたいかと言うと。ドラマでもモテないOLがよく言う言葉だ。
「人生、思い通りには進まない。」
これはそれを体感した高校生活の話である。
読んでいただきありがとうございます。
本作品は日々の面白さや発見をできる限り多くできたらいいなと思って作った自己満足作品でもあります。まだプロローグなのでお話はまだまだ続きますが、すこしでも気になった方は引き続き読んでいただきたいなとおもっています。