最大の禁忌
正直すべてに対するやる気が無くてお年玉企画あまり進んでないんだよね。
ただ茫然とする勇者を残して。
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だんだんと、現実の風景が見えてきた。白い天井。青いカーテン。隙間から差し込む月の光が顔を照らす。と言っても、バイクのフルフェイスのヘルメットみたいな《クライシス》の脳波受信機を被っているので、目の前に曇りガラスがあるけど。
そしてクライシスの本体のそばに電源コードを持った母親。何も不思議じゃないね。時間的に晩飯かな。
『て何してんのお母さん?!』
『あんたがケータイ繋いで置かないからメール届かなかったのよ。だからムリヤリ戻したの』
『ムリヤリってそれ抜いてデータ消し飛んだらどうするの!!』
『そんなものまたやり直せばいいでしょ』
『500時間もログインしたのに?!データ消えてたらグレてやる!』
『そんなこと言ってないでご飯にするよ』
『こんちくしょう…』
家はマンションなので部屋を出ていけばすぐにリビングだ。
『兄貴たち今日もまだ帰ってこないの?』
『社会人だから仕方ないでしょ』
『それもそうだね。いただきます』
『召し上がれ』
今日はトンカツだった。衣がサクサクで美味い。多分買ってきたな。普段と味付けが違う。ちなみに俺には兄と姉がいるが、2人とも二十歳を越えていて立派な社会人として仕事しているので帰りは夜中。父親も同じなので、必然的に食卓は俺と母さん2人だけ。
…うん、気まずい。とてつもなく気まずい。
どれくらいかというと、彼女とデート中に元カノに会った位気まずい。中学生が何言ってんだ俺。きっと気まずさのあまり頭がおかしくなったんだ。早く自室に戻ってデータの確認しないと。
『ご馳走様』
『食器食洗機に入れておいてね』
『分かった』
15分で食べ終わり、食器をざっと水洗いしたら食洗機にセット。任務完了部屋に戻るぞ。
部屋に戻ってすぐに脳波受信機を装着。《クライシス》を起動させて 『Create of Destroy』を選択する。頼む神様…データを守っていてくれ…
しかし、この世は残酷だ。見えてきたのは薄暗い迷宮ではなく、最初にいろいろ決める真っ白な部屋だった。
そこには一人のNPCがいた。
『あなたは異次元に転生されます。魔王と勇者、どちらを選びますか?』
初期テンプレktkr…
『母さんのバカやろぉぉぉぉぉ!!!』
世の中残酷だ。それを作った神様も残酷だ。
結局、俺は初期データからやり直しの新生魔王となった。
この世界に神いるならモンスター引き連れて倒してやる。




