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言えない事

「ほら 和代も早くしなさい 聡子ちゃんに


置いて行かれるわよ〜」


「は〜い それじゃあ 行ってきます〜」


「気をつけて 行ってらっしゃ〜い」


母に手を振りながら 私は家を出たのでした




「聡子 お待たせ〜」


「お おはよう〜」


聡子は お淑やかで 性格もよく その上 可愛い


それなのに内気な為 男の子に話しかける事が


苦手で中々 彼氏が出来ないのです


私でさえ居たのに もう 過去形だけどねっっ


「それにしても勿体無い〜 聡子可愛いのに」


「と 突然何を言い出すのよ!」


何時もの如く 私の突拍子もない発言に


聡子は顔を真っ赤にして 驚いた




「私の事より 和代は大丈夫なの?」


「私は・・・私は・・・」


両手で顔を覆い 立ち止まると


案の定 聡子はオロオロして 私の前を


行ったり来たりしていた


その姿が 滑稽で私は思わず


「プッ」と吹き出し 笑い出してしまった




すると聡子がプクッと膨れて


「あ!またからかったのね!」


「ゴメン ゴメン ついね」


「もう!」


そんな会話をしてると 聡子が通勤に利用する


電車の駅が見えた 同時に カンカンカンと


音が鳴り響き遮断機が降りて 聡子は


駅の中へと姿を消した




そして聡子を見送ると 私は会社に向かい


歩き出した


この時私は 駅で別れた時の 聡子の表情が


胸に 引っ掛かっていた


何か 私に言いたかったんじゃないか


そんな風に 思えて仕方なかった




まあ聡子の場合 今に始まった事じゃないけど


学生の頃から よく帰り際に何か言いたそうな


顔をして 結局その日は 何も言わないままで


翌日に 「実は 昨日ね・・・」と


そして その内容も 他愛ない話ばかりだった




だからこの時 私は心にもとめなかった


まぁ 明日か明後日には 話すだろう


その程度の軽い気持ちだった


そして会社に着き タイムカードを押して


私の一日が 始まったのでした・・・





























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