気付いた想い
甲斐君の 大切な想いを 傷つけた事に
それがどれだけ 酷い事なのかも
私は 涙を拭いながら 目の前を行き交う
人達を ボンヤリと眺めた
一人 遊園地のベンチで・・・
家に帰ると 私の帰宅が遅いのを心配してか
父がキッチンで新聞を読みながら 私の帰りを
首を長くして 待っていた
「ただいま」私が キッチンに入ると
新聞の向こう側から 低い声が聞こえてきた
「あ〜おかえり 遅かったな?」
「そうかな?って言うか まだ19時よ?」
「お おう そうだな 何処行ってたんだ?」
「色々ブラブラしてたのよ」
その時私は 母と目が合い 咄嗟に逸らした
「はいはい お父さんは早くお風呂に
入ってくださいよ〜」
「分ったよ でもまだ和代と話が・・・」
「お・父・さ・ん」
「は はい いってきます」
母に睨まれ 父はすごすごと退散した
「全くお父さんは 和代の帰りが 少し遅くな
ったからって オロオロして 昔から
あ〜なのよ あの人は」
その時 待ち合わせ場所でウロウロしながら
私を待ってる 甲斐君の姿が頭を過った
その事を母に伝えようと 口を開いた時
それは声にならず
私の目から 大粒の涙が零れ落ちた
「あれ?おかしいな どうし・・て」
慌てて涙を拭っている私に
「何があったの?」
母の優しい口調に 一旦は止まった筈の涙が
今度は 勢いよく私の目から 溢れ出した
そして 甲斐君との出来事を話すと
「そう じゃあ和代が素直にならないとね」
私は涙を拭いながら 何度も頷いた
そして 私は決意をして 翌日会社に向かった
甲斐君が好きだと言う事を伝えようと
会社に着いて 机に鞄を置いた
何時もなら もう来ている甲斐君の姿が まだ
見当たらなかった
珍しい 休みかしら?そう思った時 向かいの
席の男性社員の会話が聞こえてきた
「甲斐の奴さ 今朝突然辞表出しだらしいぜ」
「え?マヂかよ?」
「マヂマヂ」
「何かあったのかな?」
「さあ?目立たない奴だったけど 仕事は
早かったから 良かったんだけどな〜」
それを聞いて頭の中が真っ白になった
どうして?振られたと思い 私と 顔を合わせ
辛いから?それだけの理由で?
そんな・・・じゃあ 私の所為なの?
その日は心ここに在らずど 言った感じで
仕事も手に付かず ただ ボンヤリと過ごした
家に帰った私は ただいまも言わず 部屋に
入ると 鞄を放り投げて 制服のままベッドに
倒れこんだ
そして枕に顔を埋めて 自己嫌悪に陥った
その時 ただいまも言わず 部屋に入った 私の
異変に気付き 母が部屋にやって来た
「お姉ちゃんどうしたの?何かあった?」
私が何も言わず黙ってると 部屋をノックして
「お姉ちゃん 入るわよ」
部屋に入った母に 甲斐君が会社を辞めた事を
告げると 難しそうな顔をして 黙っていた
「きっと私の所為で辞めたのよ 私に振られた
と思い 私と会い辛かったのよ」
「それはちょっと違うんじゃない?」
「そうかな?でも・・・」
「だって甲斐君は お姉ちゃんに振られる
覚悟で 告白したんでしょ?」
「そうだと 思うけど・・・」
「それなら 振られて会社で会う事も 承知の
筈だし それだけじゃ辞めないと思うわよ」
「そうだと いいんだけど」
「きっとそうよ 甲斐君も考えがあったのよ」
「そう言えば 母さんが言ってた 大事な物が
私にも分った様な気がするの」
「そう 良かったじゃない」
「それだけ?何か聞かないの?」
「じゃあ 母さんが聞いたら お姉ちゃんは
それを 説明出来るの?」
そう言われて 私は言葉に詰まった
「出来ないでしょ? もし 説明が出来れば
それは大事な物じゃないからよ」
その時 家の呼び鈴が鳴り響いた
「あら こんな時間に誰かしら?ちょっと
いって来るわね」
母が居なくなり 一人部屋で考えていた
私に 大事な物を気付かせてくれた甲斐君は
もう居ないし 連絡先も分らない
いや!違う 私は携帯を取り出して履歴を見た
甲斐君からの着信履歴 それが残っていた
私は震える指で 携帯の画面に触れた
呼び出し音が鳴り 携帯を握る手は震えた
鼓動は高鳴り 唾をゴクリと飲み込んだ
だが 甲斐君が電話に出る事は無かった
携帯を切り思った そりゃあ 出ないわよね
その時 部屋をノックする音が聞こえた
「母さん?誰だったの?また何かの勧誘?」
ガチャリと音を立てて ドアが開き そこには
母さんでは無く 甲斐君が立っていた
「迷惑だと思ったんですけど どうしても
会いたくて 来てしまいました」
その言葉を聞き 私の目には涙が溢れ出した
「迷惑じゃないわ」
そう言うと 私は甲斐君を抱きしめたのでした
形のないもの・・・を
お気に入りしてくれた方
そして読みに来て頂いた方々
本当に有難う御座います☺️
次の話が思い浮かばなかったりで
更新率が悪くなりました
終わってみれば あそこはこうした方が
良かったとか そんな事ばかり
考えてしまいます
もっといい話が書ける様に頑張りますので
また見に来てやって下さい
本当に有難うございました




