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分ってた事

甲斐君が パチンと音を立て箸を割って


「さあ 食べましょう 冷めますよ」


ニッコリ笑って言った甲斐君を見て


胸の鼓動がトクンと高鳴ったのでした





その鼓動は次第に 早くなった


この時は 甲斐君の優しさに対してだろう


そう思っていた いや そう思おうと していた


自分に 気付いて無かった


甲斐君が周りを気にせず 食べ始めたのを見て


私も箸で 食べ始めた





値段が高いだけあって ランチはとても


美味しかった


次々と平らげて あっと言う間に食べ終えると


それを見た ウェイトレスが空になった


お皿を下げにきた





そして少ししてから 飲み物が 運ばれた


「こちらがロイヤルミルクティーです」


私の前に高級そうな カップが 置かれた


これが700円のミルクティー?


普通のと 大差無い気がするんだけど





そう思いながら 口にして それが間違いだと


分った


美味しい!めっちゃ美味しい!


「ランチも美味しかったけど ミルクティーも


美味しいわね!」


すると甲斐君が嬉しそうな表情をして


「そうでしょう この店は 紅茶の葉も


いいのを 使ってるんですよ」





「ふ〜ん だから 美味しいのね」


私は頷きながら ミルクティーを飲み干した


「ふ〜」私は 満足して 椅子にもたれた


そして少し休憩すると甲斐君が席を立った


この時私は思った チケット代金もジュースも


だしてもらった ここは私が払うべきよね


ちょっと・・・高いけど・・・





伝票を取ろうとすると 甲斐君がサッと取り


レジにスタスタと歩きだした


私は焦って小走りで 甲斐君に追いつくと


「こ ここは私が」意を決して言った!


そんな私を手で制して


「先に出て下さい 直ぐ行きます」





「いや でも・・・」


「僕が誘ったんです 格好つけさせて下さい」


そう言って笑った顔に トクンと胸が高鳴った


まただ また鼓動が・・・どうして・・・


私は鼓動に戸惑いながら 店を先に出た





暫くして甲斐君が右手を上げながら 出てきた


「ランチまで奢ってもらい 悪いわね」


「え?いえ 初めから奢るつもりだったから」


平然とした顔で 甲斐君は言った




奢ってもらってばかりで 言いづらいけど


甲斐君に早く言わないと


「あの 甲斐君・・・」私がそう言いかけた時


「今日は映画に 付き合ってくれて 本当に


有難うございました」


「私こそ 奢ってもらいっぱなしで・・・」




「じゃあ帰りましょうか 送ります」


「え ええ 有難う」


車に乗り込み いざ言おうとしたが


今度は何故か 声にならなかった 喉までは


きてるのに そこからが 出てこない


何も言えず 沈黙が車内を支配していた


その沈黙を破り口を開いたのは 甲斐君だった





「分っていたんですよ」


「え?何が?」


「断られる事をです」


一瞬言葉を失ったが 喉から振り絞る様に


声を出した


「そ そうなんだ」


「僕じゃあ ダメだろうなって 分ってたから


だから 仕方ないんです」




涙で震える甲斐君の声を聞いて


何も言えなかった いや何を言えば いいのか


分らなかった そうじゃない 卑怯なだけ


私は 無言で甲斐君に 答えを出した


ただの卑怯者だ・・・





その時 静かに車が 停まって甲斐君が言った


「家の近く迄来ましたよ」


「有難う 今日は何だか ごめんなさいね」


「いえ 有難うございました」


ホント甲斐君は 最後迄どうしてそうなのよ


車から降りて 家に向かおうとして 驚いた


それは私をフったあの人が 立っていたからだ


「ど どうして 貴方がここに居るの?」


「よう お久 元気してたか?」


懐かしい笑顔で 私にそう言ったのでした












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