仲直り
やっぱ 聡子と仲直りしようかな
携帯を取り出して 聡子の名前を探そうとした
その瞬間 ブルブルと振動を始めて 携帯に
聡子の名前が 表示されたのでした
「うわっ!ビックリした!」
しかも 聡子から・・・
携帯を左手で握り締めて 右手の人差し指を
通話に伸ばした
だけど震える人差し指は 途中で止まった
通話に指を置くだけで いいのに
ただそれだけなのに それが出来ない
折角 聡子から・・・
それなのに 私は電話に出られない
そんな 自分が情けなくなり
私の目からは 涙が溢れ出した
「うっ ううう」
右手で口を押さえて 私は泣いた その時
「か 和代」
聡子の涙で震える声が 聞こえてきた
私が驚いて 声のする方を 振り向くと
そこには 携帯を両手で 握り締めながら
ボロボロ泣いてる 聡子の姿があった
「さ・・・さ・・と・こ」
私が泣きながら 聡子の名前を呼ぶと 聡子は
座り込み 声を上げて 泣きながら
「ご ごめんなざい〜がずよ〜ごめんなざい」
私は何も言わず 聡子に近寄り 抱きしめた
「もういいよ 聡子」
聡子の頭を撫でると 私の肩に顔を埋めたまま
暫らくして 泣き声は 止まった
「私 か 和代が居ないと 寂しくて それなのに
それなのに ごめんなさい」
小刻みに震える手で 私の腕を掴んでいた
「聡子 もういいから 帰ろう」
コクリと聡子は頷き 私達は歩き出した
無言のまま 私達は歩いた 別に話したくない
訳じゃなかった 声にすると 止まった涙が
再び 溢れ出すのが 分っていたから
だから 何も喋らず ただ 歩いた
そして 私の家に着く頃には 二人共すっかり
落ち着いていた
「久しぶりに 家 寄ってかない?」
すると聡子は 微笑み 小さく頷いた
「ただいま〜 聡子も一緒だから〜」
するとキッチンから ドタドタと母が出てきた
そして私達の 赤く充血した目に
一瞬驚いたが 直ぐに察したのか
成る程ね と言う顔をすると
「聡子ちゃん いらっしゃい ゆっくり
していってね」
そう言うと キッチンに戻って行った
「じゃあ 行こうか」先導して階段を上がると
「うん 和代ん家の階段 久しぶりだ」
「フフ そうね」「さ 入って 入って〜」
ドアを開けながら 聡子を先に入る様促した
すると何時ものソファーに チョコンと座った
そしてドアを閉めて テーブルを挟み 聡子の
前に 私が座ると 開口一番 聡子が言った
「私 あの人と別れようと 思ってるの」
真剣な聡子の目を見て 唖然としたのでした




