お見舞い✖2
「お姉ちゃん こちらの方が」
母さんったら聡子相手に どうしてあんな
言い方するんだろ?
布団の中で首を傾げた時だった
聡子じゃない声が聞こえてきたのは・・・
「どうも 甲斐と言います」
少しハスキーな男性の声で しかもその名前に
心当たりが 一切なかった・・・
布団から顔をだして 甲斐と名乗った
男性の顔を見たが やはり知らない
「あの 失礼ですが どちら様ですか?」
「え・・・?」甲斐と名乗った男性は
そう呟き 俯いた
その俯いた姿に 見憶えがあった
「あ!同じ会社の方ですね!」
「そ そうです」「そうです!」
甲斐君が 嬉しそうに笑いながら 言ったのを
母が見て クスッと笑うと
「それじゃあ ゆっくりして下さいね」
そう言い残して 部屋から出て行った
「ところで 今日はどうしてお見舞いに?」
私の意地悪な質問に 困った顔で 再び俯いた
「風邪で休んだからと 聞いて・・・」
俯いたまま ごにょごにょと答えた姿を見て
イライラした・・・男らしくないのが 私の
一番嫌いなタイプだからだ
「じゃあ誰が休んでも お見舞いに行くの?」
意地悪な質問に磨きが かかった
「いや・・・そんな事は・・・」
また 俯いたまま ごにょごにょと!
すると急に顔を上げて
「すいませんでした 失礼します」
そう言い残すと 部屋から飛び出した
それに気付いた母が 部屋にやってきた
「どうしたの?もう帰ったの?」
「あ う うん」目を逸らして 答えると
「お姉ちゃん 何を言ったの!?」
母に問い詰められて 事情を話すと 厳しい
目付きで 私をジッと見たまま 言った
「会社で会ったら ちゃんと謝りなさいよ」
「そうよね 折角来てくれたのに 悪い事
しちゃった」
「甲斐君だっけ ? あの子 見かけによらず
勇気あるわね」
母の思いもしない発言に 驚いて一瞬言葉を
失ったが 私は直ぐに全否定した
「ええ!ウジウジして 男らしさの欠片もない
甲斐君のどこに そんな勇気が!」
「じゃあ お姉ちゃんは 会社であまり面識の
ない 男の子が風邪で休んだからって 家まで
お見舞いに 行けるかしら?」
「ええぇっ!無理無理」即答して ハッとした
「そうでしょ?だから甲斐君 お見舞いに
来るの 相当勇気いったと思うわよ?」
「そ そうよね それなのに 私ったら・・・
ホントに 悪い事しちゃったわ」
俯いてると 母が私の事を 慰める様に
「まあ でも面識ない人が お見舞いに来たら
驚くのは 仕方ないわよ」
「そうよね!それにあんなにウジウジと!」
「お姉ちゃんそれでも 言い方があるでしょ」
母にピシャリと言われ 再び俯いた・・・
すると俯いた私の頭を撫でながら
「明日会社で謝れば それでいいわよ」
「う うん そうするね」
「じゃあ母さんは夕食の準備してくるから」
「うん わかった」
そして母さんが 部屋を出ようとした時
「母さん!色々ありがとねっ!」
すると背中を向けたまま 右手を上げて
「いいのよ〜」そう言って部屋を出て行った
私は食事を終わらせシャワーを浴びると
今日の非礼を明日何て謝ればいいんだろうと
ベッドの中でウジウジと 考えてる内に
眠りに就いたのでした・・・




