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神様の願い事

作者: ななさん

初めての単発投稿です。

とある噂を知ってるかい?友達から聞いたんだけど・・・


  7の付く日の0時丁度

  とあるビルの屋上で

  地面に円を描き

  蝋燭を一本立て

  願いながらその火を吹き消すと

  「神様」が現れて

  「願い事」を叶えてくれる

                   』




○月×日 AMxx:xx 某所


 真っ暗な空間に小さな灯りが灯って

 黒スーツの男がテーブルで煙草を吸っている



  「さて、今日も迷える子羊で暇つぶしでもしますかね」


 そういうと俺は煙草を消し、ゆっくりと立ち上がった




6/2 PM13:00 ファーストフード店


 平日の午後だからか店にあまり人はいないようだ


  「なーミヨコー、なんかおもしれーことねーのかよ」

  「ケンジこそ・・・、せっかくのデートなのにこんな所ばかり・・・」

  「映画でも見にいくか~?」

  「前も同じコースだったよ・・・」

  「ちっ、うっせーな!んじゃどーすんだよ!」

  「ご、ごめんなさい・・・」



  「そういえば・・・こんな噂知ってる?私の友達から聞いたんだけど

                  願い事を叶えてくれる神様が・・・」


 女の耳には星型のピアスが光っていた。



5/25 PM18:25 ホテル


 薄暗い部屋のベッドに一組の男女


  「ねぇ~私の事好き?」

  「あぁ、大好きだよ。だからここでこうしてるんだろ?」

  「うふふ、う~れし~ぃ」

  「今度お前に似合うピアスでも買ってやろっか?」

  「ほんとに!?やったぁ!今日はサービスしちゃうわよ~!」

  「ちょ、おまえっ・・・」



同刻 とあるアパート


 小さなちゃぶ台に2人分の食事が並んでいる 


  「ケンジ遅いな・・・ご飯冷めちゃうよ・・・」




6/2 PM13:07 ファーストフード店


  「・・・すると願い事が叶うんだって」

  「ほんとかよっ、うっそくせー話だなそりゃ」

  「でもその友達の友達はそれで願い事が叶ったっていってたよ・・・」

  「へー、んじゃ試してみようぜソレ。どうせ暇だしよ」

  「んでそれってさ2人でやっても別々に叶えてくれんの?」


  「・・・多分」

  「多分ってなんだよハッキリしろよっ!」

  「ごめんなさいっ・・・」


  「ちっ、まぁやってみりゃわかんだろ・・・」




6/6 PM23:58 某ビルの屋上


  地面に丸い円が書いてあり火のついた蝋燭が一本立っている

  都心部とはいえ少し離れた場所にあるこのビルは静かで光もなく

  その一本の蝋燭の灯りだけがポツンと揺らいでいた



  「あっちーなクソっ、ほんとにカミサマ~なんてのが出てくんのかよ、ったくっ」

  「あとちょっとだよ、お願い事しながら吹き消すんだよ」

  「わかってんようっせーなっ」


  「時間だよっ、せーのっ」


  『ふ~』



 唯一の光が消えたため辺りは暗闇にに包まれた


  「・・・で?」


  「おいおいカミサマ~ってのがドドーンとおでましすんじゃねーのか?あぁ?」

  「・・・ごめんなさいっ、でもこれでやり方はあってるはず・・・あっ」


 ミヨコは暗闇を指差した

 そこには薄っすらと揺らめく1つの小さな灯りが



  「じゃじゃーんっ!!!てーれっててーん!神様さんじょー!!」


 小さな光はまるで歌番組でアイドルが登場するかのような光へと変わり

 そこに煙草をくわえたスーツ姿の男が現れた



 と、おおよそその場に似つかわしくないハイテンションなセリフを吐き私は登場した

 おごそかな登場しちゃっても人間ってばろくな反応しないからね!

 そもそも私自身そういうキャラじゃないしっ勝手な思い込みでキャラ付けとかマヂ勘弁って感じ

 神様ってのは沢山いるんですよ?私みたいなのもいるって事で


 おっと言い忘れたけどこの物語は神様である私の視点でも進むのでよろしく!

 さてでは話を戻そう




  「・・・はぁ!?まさかお前がカミサマとでも言うんじゃねーだろな???」

  「ちょっとケンジっ・・・いきなり失礼だよ・・・」


  「はーいはいはい!まずお互いの自己紹介の前に説明事項からいきますよ~」



 いきなり願い事言われてあとで「聞いてない!」とか文句言われるからいつも私は先に説明する


  「まず第一に願い事は1人1つ!願い事を増やして~とかいうと天罰あたえちゃうのでヨロシコ!


   そして第二!同じ人がまた私を呼ぶ事はできませーん!

   デリバリーじゃないんだからねっ!ゆえに願い事のキャンセルはできないと思ってくださ~い!


   第三にナメた願い事や阿呆の相手はしませ~ん!神様になりたいとか却下ね~!


   そして最後の一つ!これ重要だからねー!」





 辺りに冷たい空気が流れる(ように私が演出した


  「願い事の見返りはその人の魂・・・」


  「えっ!!」


  「とか言いませ~ん!神様は報酬を求めて願いを叶えたりしないのです!ラッキーだねッ!!」





 辺りに冷たい空気が流れる(私は演出していない


  「ちっ、なんだよコイツ頭イカレてんじゃねーの?真夏にスーツとかねーしっ。ほっといて帰ろうぜバカバカしい」

  「ちょ、ちょっと待って。ね、ねぇ本当に神様なら証拠見せてよ・・・」


 まぁ大体こう来るわな。人間ってのは証拠証拠といつもうるさいものだ。

 大体誰もいなかった所に急に人が出てくるわけないだろうに・・・。



  「オッケーィ!では神の御業を見るがよい!!」



 身体を青白く発光させながら数十センチ宙に浮きながら真っ暗な空を二つに割り

 オレンジ色の空にしてそこから大きな大仏を出現させてみた


 何教徒かわかんないし(いちいち見通すの面倒だし)日本人だから大仏にしてみたけどよかったかな?

 大仰な事してるけど実際は周りの人間に見つからないよう結界的な物はってるので問題ナシ!




  「どうだい?信じたかい?」


  「・・・は、はいっ・・・」



 ありゃま、この子へたりこんじゃってるわ、こうならないよう明るく登場したのにな



  「うっわすげぇマジカミサマじゃん!なぁなぁ俺の願い事聞いてくれよ!なぁ!」

  「ちょ、ちょっとっ・・・」


  「あー念を押してもっかい言っておきますね、ナメた願い事と阿呆の相手はしません」



  「あぁ?何言ってんだよおぃ俺の願い聞けって!」


  「一応もう一度いっておきますね、ナメた願い事と『ド阿呆』の相手はしません」


  「ド阿呆!?ケッ!んだよしょーもねぇ!」



  「さて、ではお嬢さん、貴方の願い事はなんだい?」


 ぶっちゃけ召喚の時の条件に「願いながら蝋燭を吹き消す」ってあるからわかってるんだけどね

 でも契約上っての?こういうの重要なのよ、読者にもわかりにくいだろうしね(笑


  「わ、わたしのねがいは・・・」






6/10 PM12:30 某アパート


  「ご飯おいしかった?」

  「あぁ、まぁそこそこかな。オメーにしちゃそこそこ頑張ったんじゃねーの?」

  「そう、よかった。今晩もおいしいご飯つくるからねっ」




 そう言うとミヨコは幸せそうな笑顔で星形のピアスを眺めつつ小さく微笑んだ。






○月×日 AMxx:xx 某所


  「くだらねぇ!本当しょーもねぇ!!」


 スーツの男はイラだちながらテーブルで煙草を吸っている


  「うっせーよ!ナレーション!暇つぶしにもなりゃしなかったぜ!」


 まったくもって今回はくだらねぇ!オチもなーんもねーよ!あ?願い事??

 あぁあのミヨコって女の願い事ね、それはな



  『ずっとこのままでいたいの!今のままこのケンジと一緒に幸せに暮らしたいのっ!!』


 だってさ。


 ん?普通に幸せな女の子の願いだから普通に叶えてあげてよかったじゃないか?

 浮気の件はそのまま解消してない?


 何いってんだ?そういう問題じゃ・・・あぁナレーション視点で見てたのか文章だとわからんわな

 よし、もうちょい違う時間と空間を見せてやろう

 



6/7 AM0:05 某アパート



  「ねーケンジー早く寝ないと明日朝おきれないよー?」

  「あーわかったー、もうちょいで寝るからさー」

  「もーっ!そう言っていっつも寝坊するんだからっ!」

  「わかったごめんって、って言ってもまだ寝かせないけどなっ!」

  「ちょ、ちょっとっ!もーっ!」



 ベッド脇のテーブルには月型のピアスが置いてあった





○月×日 AMxx:xx 某所


 わかったか?まだわかんない?もうちょっと注意深く見てみなって・・・

 もうネタバラししちゃうよ?色んな人から人間のフリして話を聞いてきたからこれでどうよ


 つまりはこういう事だ





6/8 PM17:30 コンビニエンスストア


 コンビニ店員の証言


  「蝋燭ですか?えぇ覚えてますよ滅多に売れる物じゃないので

   お墓参りかSMかでバイト仲間で討論になりましたよ。

   他のお客様ですか?いいえ、女性の方一人でしたよ。」


同刻 宝石店


 宝石店の店員の証言


  「星型のピアスですか?はい少し前に一点ほどお売りしましたが」


  「えぇ女性の方でしたよ、プレゼントにするのでラッピングをしてくれと。

   月型のピアスは男性が女性よくプレゼントで買われる方はいますけど

   星型は滅多に出なくて、友人にプレゼントするんだったんじゃないですか?」





○月×日 AMxx:xx 某所


 もうわかった?あのミヨコってのはケンジって男と同棲してる『つもりになってる』だけなのさ



 メシ食ってたのも一人

 屋上で私を召喚したのも一人

 ケンジにはすでに恋人がいてソイツはミヨコじゃない

 星型のピアスを買ったのも本人



 願い事がアレじゃあ私もどうしようもねーわな。

 もうちっとマトモな神経が残ってりゃ


 『ケンジって男と幸せにして!』


 って感じの願いも出来ただろうけどあそこまで思い込んでりゃそれも無理か・・・。

 ん?今回何もしてないじゃないか?んなことねーよ?





   『ずっとそのまま、あのケンジと幸せに暮らせるようにしてやった』





 ってな?ちゃんと願いは叶えてやったぜ?

 これでどんな苦労があってもミヨコは脳内のケンジと離れる事はないだろうさ


 周りから見て不幸と思うかもしれないけどソレは私には関係ないし

 ミヨコ本人が幸せと思ってるんだからそれで万事OKだろ



 もっとこうドロドロの三角関係とか期待したんだけどなぁ・・・つまんねぇの







  「あーあ、ほんっとつまんねーの。」


 そういうと男は煙草を消し辺りは暗闇に包まれた。




初投稿ですが文章は難しいです!

でも何かを作り出すのは楽しいです^^


批判でも応援でも何でもアドバイスくれるとありがたいです。

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