5話 初めてのギャンブルと数字を操る運命のルール
「ではルールの説明に入る」
大男は中央にあるカードの束を持ち上げ裏返す。
カードの中心に数字の1と書かれ、数字以外は無地のまま。
そのままテーブルの上に束のカードを一枚ずつ見えるように広げた。
「カードにはそれぞれ1~20と書かれた数字がある。同じ数字は一切ない。これを数字が見えないよう全て裏返し混ぜる。そしてバラバラになったカード一枚を捲くりそのカードは自分の物となる。これを互い交互に一回ずつ行い合計五回カードを引いて、合計値の高い方が勝ちとする」
つまりは運悪く1~5までを引いてしまった場合、合計数値は15。
相手が一枚でも16の数値、または最終的に合計16以上なったらこちらの負け。
単純に数字の高いカードを先に引けばいいわけね。
「これを三戦行い、先に2勝した方が勝利とする。引き分けの時は勝利者が決まるまで続投だ」
「わかった」
「最初は互いにカードを混ぜてもらう。ちなみに2戦目以降は俺がシャッフルするからな」
二十枚の束になっているカードをトワイラがシャッフルしあたしに渡した。
あたしは彼の触った所が嫌なのでテーブルに置きカードの側面を持ち何束かに分けてのシャッフルした。
シャッフルし終えると大男はカードをテーブルへ一面にバラバラに広げた。
どこに何の数字があるかわからないが、それは互いに同じだろう。
「先制は挑戦者の嬢ちゃん」
テーブルの上には全部裏側のカード20枚バラバラに置かれている。
どれが高い数値かもわからない。手のひらは緊張からか汗が出てるのが分かる。
どうせわからないんだ、なら適当に1枚を捲った。
14。
良くも悪くもない数字……。
「俺だな」
トワイラは手のひらをカードにかざし、カード全体をゆっくりと周回したあと1枚捲った。
8。
よし、こちらが6だけ数字が高い。
あたしは次も適当に捲る。
10。
トワイラは再びゆっくりと周回させ捲る。
6。
その後もあたしは相手よりも高い数値を出し続け、数字はこうなった。
(先)フェル14、10、11、9、17合計61
(後)トワイラ8、6、2、7、4合計27
「よし、まずはあたしの1勝」
「なに喜んでんだ? まだ1戦目だぞ」
「約束はわかってますよね。あたしが勝てば」
「ああ、そこの女らは解放してやるさ。だけど俺が勝てばお前は一生奴隷だがな」
わかっている。だけどこの2戦目で勝てばあたしの勝ちだ。
「さあ2戦目行くぞ」
2戦目、今度はトワイラの先攻。
またもやカードの上ゆっくりと撫でまわすように動かし、止まった先のカードを捲る。
10。
「チッ」
悪くない数値ではあるのになぜ舌打ちをしたのかは疑問だ。
そんな事を気にせず何も考えず適当に捲ろうとカードに触れるとほんのり温かさを感じた。
不思議な感覚を覚えつつも捲ってみると9のカード。
1戦目と同じカードだ。
トワイラ2枚目13のカード。
2枚目あたしは引くと16のカード。
トワイラ3枚目12のカード。
3枚目あたしは17のカード
この2枚は暖かさも何も感じなかった。
「ここまでは嬢ちゃん42。トワイラ35。嬢ちゃんの7点勝ちの状態。おいおいトワイラ。お嬢ちゃんになに負けてんだよ」
「うるせえよ。次だ次! 2戦勝てばいいんだ」
思わぬ接戦で、他のテーブルで行われていたギャンブルを中断し、客が皆あたし達の様子を見に来ていた。
「人気者だなフェル」
あたしはトワイラを無視する。
こんな人と言葉を交わしたくないと思ったからだ。
「仕方がないな。ほら11だ。もうじき客商売につくんだから色気出すために笑顔を見せろよ」
あたしは再び無視しカードを捲ろうとすると指先からピリッと電流が走る感覚を味わう。
思わずカードを指を離したが、改めてそのカードを捲ると2のカード。
「まさか2とはな。2、最弱だぞははっ」
現在入手している数字はこのようになっている。
(後)フェル9、16、17、2の合計値44。
(先)トワイラ10、13、12、11の合計値の46。
トワイラとは2点差。
残り出ていなくてもしトワイラが逆転されない数字を出すなら19以上。
お願い、18以下が出ますように。
「これかな?」
トワイラが捲った数字は……18。
これであたしが20を出せば同点。あたしはカードに触れようとした矢先、指先に先ほどの電流が流れる。別のカードに触れようとしたら温かさを感じた。そして何も感じないカードもある。
どういうことだろう?
そう思いながら温かさを感じるカードに触れ捲った。
14。
負けが決まった。
ただ、カードに対して気のせいじゃない事、ある疑念が生まれた。
それは次の3ゲーム目であたしは確信する気がする。




