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純白のギャンブラー~王都カジノの少女賭博録~  作者: レブラン
2章

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13話 崇拝者の怒りと、運命の三人勝負

 サリエント様がティーカップに口を付けたのちテーブルに置いた。

 確認してからムエルニさんは一歩前に出た。


「リーシャ様。連れてきました」

「ありがとうムエルニ。そしてようこそフェル・ラグンダルト」

「ありがとうございますサリエント様」

「サリエント様なんて堅苦しいわね。あの時私はあなたの事を必要としたのだから、名前で呼んでも構わないわ。もちろん敬称も必要ない。私とあなたは対等な立場なのだから」


 ムエルニさんは何か言いたそうにしていたが、サリエント様……いやリーシャ様の視線が刺さり黙る。


「早速で悪いのだけど答えを聞かせてもらえるかしら」


 昨日の件の事だろう。

 確かにあの時は嬉しかったし、こんな素敵な人にならと思った。

 だけど今はそれよりも気掛かりな事があたしにはある。


「すごく、すごく、すごーく嬉しいです。あなたのようなすごい人に、リーシャさ……まにこんな田舎娘のあたしを必要としてくれるなんてとても光栄です。ですが、今はその件はまだ保留にさせてほしいです」

「ふぅん。その理由はマーヤ・ディラントって人が関係しているのかしら」

「……はい」


 何故知っていたかと言うのはすぐに予想がついた。

 ここに来てからは冒険者組合経由でしか話していないし。

 森でライネスが来たのは組合に駆り出されたって言ってたし。あたしがマヤ姉を探してる事を耳に入ったんだろう。

 続けるように様は言う。


「残念ながらその人に関する流れ……はまだ情報不足とだけ」

「え? え? え? え? ちょ、ちょっとフェル。必要とされてるってどういうことですか? もしかしてここに勧誘されたってことですか? すごいじゃないですか! それを保留って勿体ない!」


 ユエルはあたしとリーシャ様の顔を交互に見ていた。

 確かにあたしも逆の立場ならこんな感じになるだろうな。

 リーシャ様はコツコツと足音を立ててこちらに向かってくると、あたしの顎を指ですくい上げる。


「なおのこと、ここのギルド入団しなさい。少なからずあなたが冒険者になり続けて得られる情報より、ここで働いてあなたが欲する情報を得られるほうが早いと思うわよ? 賢いあなたは分かっていると私は思っているわ」


 ぐうの音もでない正論。

 会えないと言うのと情報のなさから、あたしの中で焦りがみられる。

 ライネスが落ち着かせるようにあたしの肩に手を置いた。


「まあなんだ、お前の生き方考え方なんて俺様にはわからねえ。だけどお前と対峙したときに実力は多少なりともわかっているし。度胸もあるのがわかるが、騙されやすいだろう。このままじゃまた騙されて二度と会えなくなると思うぞ」


 三人の意見ももっともだ。

 確かにあたしはこのまま冒険者になって探してもマヤ姉の事は見つからないかもしれない。

 なら情報を得られるためにチャンスをふいにするのは愚策。


「わかりました。あたしは」

「私は反対ですの!」


 決意の意思に反するかのように、ムエルニはあたしを睨みつけ拒絶した。


「あら、どうしてかしら」

「こんなわけわからない子供を、リーシャ様がお創りになった尊い城に、蟻んこを住まわせるのは嫌なのです!」

「そう、あなたは反対なのね」

「はい、それに私だけではありません。ここにいるギルドの一般職員も大変な思いして入団したのにその人たちを置いて優遇するわけにはいかないと思います!」

「……ふぅん。確かに一理あるわね。ならあなたはどうしたいのかしら」

「ここはカジノ場、ギャンブルで勝負したいと考えます」

「面白いわね。なら見極めるためのギャンブルを行うから、このあとラウンジに来なさい。準備が終わり次第呼ぶわね」

「ありがとうございます。絶対そこの蟻んこなんて負けませんの」


 リーシャ様が机に戻ろうとする最中、ユエルが手を上げた。


「はいはいはいはい! よければ自分も参戦したいのですが」

「あら気が付かなかった。あなたも入団希望者かしら?」

「はい! 自分も入団希望者です!」

「ちょっと! あなたは関係ないでしょ! 何勝手に割り込んでるのよ!」

「いやーそんなことはないですよ。自分フェルが行く方向に自分も行くわけですから。あの時のフェルがやっつける様を見て感動したんですから。それにこれはこれで運が巡ったチャンスだと思うんですよね」


 そう言いながら、ユエルの全身を見定めるように視線をゆっくり上下へ動かしていた。


「あなた……知らないわね。名前は?」

「ユエル・タニアです!」

「いいでしょう。ユエル・タニアあなたの参加も認めるわ」

「納得いきません!」


 やはりと言うべきか、ムエルニは異議を申し出た。


「リーシャ様が認めたこのチビならまだしも、そっちの得体の知れないのを参戦させるなんて!」

「あらどうしてかしら。私は別に人数を指定したわけでも、事前に名指しして禁止にしたわけでもないのよ?」

「ですが……」

「セブンズミラーの一人であるムエルニともあろうものが、まさか怖がっているとか?」


 クスクスと嘲笑する。

 誰の目からみても煽る形でムエルニさんを挑発していた。

 彼女はあたしとユエルを睨みつけ、指をさす。


「いいでしょう。分かりました二人の挑戦を私一人で受けます。完膚なきまでに叩きのめして、この二匹よりも私のほうが上だと必要だと思わせます!」

「そうね。そこまで断定して言い切れるなら、仮にあなたが負けた時はその位置から降格して一般職員に格下げでいいわね」

「……降格……わかりましたの」

「楽しみにしてるわよ」


 あたし達は部屋から出ていく。

 扉が閉まる最中あたしの視線は部屋の中へ。

 リーシャ様は再び座り優雅にティーカップに口を付けたのち不敵な笑みを見せていた。


「ライネス。あなたあの二人をラウンジに案内しなさい」

「仕方がねえな。ま、これから敵になる者同士が仲良く行きますってのは合わないはな、お前にとっては」

「うるさいわね! 早く行きなさい」


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