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運命のカードを引くギャンブラー~王都カジノの少女賭博録~  作者: レブラン
2章

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9話 初めての仲間と、初心者狩りの影

 なんだろうと思い振り向けば、一人の少年……いや少女?が話しかけてきた。


 キラキラした宝石のように輝く銀の瞳。短く切られた銀髪が光を反射して眩しい。短い髪のせいか、どこか犬っぽい印象を受けた。

 見た目が男の子でもあり女の子、どっちにも見て取れる中性的な外見。

 リベル様も似たような感じに見えたし、王都にはそういう人が多いのかな?

 他にも目の前のこの子は人懐っこい印象。

 それも犬の獣人ではなく普通の人なのだが、もし尻尾が生えていたらぶんぶん振っていただろう。


「もしかしてあなたはあの時あの男を負かした人じゃないですか!? 自分、名前はユエル・タニアです! 15歳です。自分、あのカジノに潜入して失敗して、まずいなって思っていたら、あなたが挑んで倒すんですから、本当あの時は尊敬しましたよ。あのあと探していたんですよ」


 グイグイ近づいて早口で喋るせいか元気な子だなと思った。


「えっと、タニアさんでいいのかな? えっと、あたしを探して?」

「はいそうです! あ、タニアじゃなくユエルで呼んでも平気ですよ。というか呼んで下さい! 呼び捨てでもいいんで」

「うん、わかった。ならあたしの事もフェルって呼んでね」

「わかりました! いやー、街中で探すの大変だからもしかして冒険者組合にいれば見つける事ができるんじゃないかなって思っていたらまさかの大正解。しかし、あの時こんな可愛い子が挑んだ時ハラハラしましたが。まさかまさかの大逆転!」

「お取込みの所悪いんだけどちょっといいかな?」


 振り向けば男女二人がニコニコしながらこちらを見ていた。

 身に着けてる装備品からしてもどちらも冒険者だと一目見てわかる。


「僕はロム、こっちの女はサム。さっき見てたけど君は依頼を受けるのは初めて?」

「はい、そうですけど。ユエルはどう?」

「そうですね。自分も初めてです!」

「なら僕たちと一緒に受けるのはどうかな?」

「けど……」

「大丈夫。初めて依頼は皆緊張するもんだよ。そんな人の為にサポートする冒険者がいるわけだ。それに普通に雇うとなると報酬もそれなりに高いが、僕たちは無償でサポートしてあげる」


 良い人そう?

 確かにこの人達の言う通り、知識も経験もまだないからサポートを受けるのもありなのかな。

 確か薬草って結構そこらへんに生えてる物で、あたしの村の近くでも採取はできたからそこまで単価は高くなかったような?

 質は違うって言うし魔物関係もあって高いのかな?


「わかりました。それじゃお願いします」


 掲示板の依頼用紙を剥がし、内容を改めて見ていると気持ちがたかぶるのが分かる。

 これが初めての依頼だ。頑張るぞー!


「あの、フェル・ラグンダルト様!」


 大きな声であたしを呼ぶ先ほどの受付嬢。

 不思議に思い、あたしは受付嬢のもとへと向かう。

 受付嬢は怪訝(けげん)な表情を見せながら剥がした依頼書を見る。


「初めては薬草採取ですか……」

「はい、何かあるのですか?」

「いえ、初級冒険者にとっては薬草採取は初歩です。逆に今回のような初心者向けの依頼を狙った“初心者狩り”などが行われているそうで。今回の摘発にあったカジノで働いていた女性の中にもそういった被害者はいたようなので」


 その言葉のトーンが妙に重たく感じた。


「初心者狩り……」

「フェル様とタニア様はその該当する初級冒険者ですし、それにサリエント様に目をかけられている方ですし気を付けてもらえたらと」

「わかりました。気を付けます」


 ロムさん達と合流すると、ロムさんは話しかけてきた。


「今の受付嬢の人となにを話していたの?」


 “初心者狩り”の件を話そうか迷うが、こんなふうに親切にしてくれる人もいるし、そんな人が悪い人なんて疑っちゃ悪いよね。あのカジノみたいになるとは限らないし。


「あー……ちょっとしたお話です」


 少し迷ったが、ユエルの期待に満ちた表情を見ると話すのを止めた。

 ただ、心配そうな表情を見せる受付嬢は気になるが、あたし達は街の外にある森へと向かう。

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