安心と信頼の構築
新しい場所で狩りをしてみることにしましたよ。
今までと違う獲物を狩ることもあるみたいなので、試しておくのは大事なのです。
狩れない相手ばかりだと、この街で過ごすのが難しくなってしまいます。
まあ、ごすじんが一緒なら、どんな相手だろうと心配はいらないですね。
ごすじんは狩れない相手も獲物に変えてしまうのです。
まずは怪我をしにくい相手から狙っていくみたいです。
初めはここでもウサギですね。
前と同じように、他のハンターが狩ったウサギを見せてもらって、ついでに匂いも覚えます。
こっちのウサギはニビーローサギ?とかいうウサギなのだそうです。
形はあんまり変わらないのですが、ちょっとだけ毛が長いみたいですね。
私も寒くなると長い毛に生え変わるので、寒さと長さにはきっと関係があるのです。
あれ?でも、寒いのに毛がない人もいましたね……関係ないのかもしれません。
初めての場所なので、知らない匂いがたくさんです。
ここで狩りを続けていくのなら、どれが危なくて、どれが危なくないのか、ちゃんと覚えておかないといけません。
草や木はそんなに心配しなくても大丈夫です。
前の狩場で嗅いだことがあるものや、それに似ているけどちょっとだけ違うものばっかりでした。
木は葉っぱが細長いやつが多いみたいです。
おっ、ウサギの匂いがしていますね。
でも、まだ狩りません。ごすじんに知らせてどうするかを決めてもらうのです。
「ごすじん、ニビーローサギ」
「ニビイロウサギだよ、もう見つけたのか」
「あっち」
ごすじんと一緒にウサギの匂いがする方へ進みます。
漂っている匂いは草と木とウサギ、ムシやトリの匂いもしていますが、他の獣っぽい匂いはありません。
「それじゃあ、狩ってみよう。追いつけそうかな?」
走って近づいて鉤手甲で引っ掛けます。
私が近付いたことに気が付いたウサギが逃げ出しますが、逃がしません。
鉤手甲なら走りながら引っ掛けることができます。
捕まえるために足を遅くしなくてもいいのです。
新しい場所でも、ウサギはちゃんと狩ることができました。
これで、ひとまず安心ですね。
ウサギを狩れるなら、さいてーげんというのが守られるのです。
よくわかりませんが、ちゃんとごはんが食べられるということみたいです。
ごすじんがそう言っていました。
あとは、別の獲物も狩れるかどうかを確かめて、安心を増やしていくのだそうです。
安心が増えるのはいいことです。
危ないかもしれないことを選ばされることが減ります。
選べるものの中から、安心だとわかっているものを選ぶことができるようになるのです。
とりあえず、匂いを辿ってどんどんウサギを狩ります。
覚えていますよ。ウサギを数えるときは羽というのです。えへん!
でも、場所によって数え方が違うかもしれないので、気を付けないといけません。
六羽ほど仕留めたところでおしまいにします。
街まで持って帰らないといけないので、狩り過ぎた分が運べないからですね。
思ったより早く終わってしまいました。
……ということは、ごすじんが円盤を投げてくれる時間が伸びたということですよ。
もちろん、ボールでも大歓迎なのです。
それとも……どっちとも投げますか?




