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最近Vにハマった俺。なんとなく大手VTuber事務所に応募したらなんか受かっちゃって、いつの間にか人生にイロが付いた。  作者: ユリ乙女
第一章 ノヴァと本当に愉快な仲間たち

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24/30

「リスナーの皆に話したいことがあってさ~」③

※2つ前の話のサブタイ変えました。


あの馬の子孫。一定数こんな感じだったら面白いだろうな~って思いながら書きました。

「うーん……よし!今回は4番の子にするわ~」


「早っ!?何か決め手でもあったんですか?」


 競馬三度目の挑戦。

 パドックを5分ほど眺めた篠宮さんは、4番の馬に賭けることにしたようだ。

 ちなみに今回は10頭が出走する。


 しかしあまりにも判断が早い。ビンタなどする暇もないだろう。


「ええ。お馬さんにも歩き方に癖みたいなのがあって、さっきのレースで1着になったお馬さんになるべく近い歩き方をする子にしてみたの。お腹も太くなくて、良い感じのスタイルだし。きっと当たるわよ~!」


「はぁ…。なるほど。でも言ってることはわかりますけど、あの馬10番人気と最下位ですよ?今までの戦績もあんまり良くないみたいですし…」


「ふふふっ。まぁまぁ見ててご覧なさいな~♪」


「その自信は一体どこから来てるんですか…。まだ三回目なのに」


 パドック観戦を切り上げて、馬券を買いに行く。


「そうね~。どうせなら奮発しちゃおうかしら♪」


 すると篠宮さん。マジで当たると踏んでるのか、さっきまで1000円で賭けてたのに、今回は5万円で賭けやがった。

 頭イカれたか…?


「ちょ、大丈夫なんですか!?5万も賭けて!しかもまた単勝だし!?」


「いいのよ♪お金なんて余りまくってるしぃ、こんな時くらい多少は奮発しなきゃ~」

「絶対もっと良い使い道あるってそのお金っ!」


 配信用の機材やPCの周辺機器を新調するとかさ、使った方がいい物があんだろ。配信者ならよ…。

 まぁ彼女のお金だし、どう使おうと自由なんだけどさぁ……本当に大丈夫か?


「優くんもどう?私を信じて、単勝で何万か賭けてみない?」


「万とかめっちゃ嫌なんですけ~ど?俺は複勝狙いで別の馬にします…」


「そう?残念ね~」


 今度も立ち見席の一番前に陣取り、レースが始まるまで待つ。

 俺が賭けたのは複勝狙いで3番人気の3番の馬だ。まさかの人気とゼッケンが一致してるというね。あまり見掛けたことがないので、面白半分で賭けてみた。


「あ!入場してきたわ~」


「出走数が10頭になっただけで、なんか妙な迫力を感じるな。今回は一体誰が……て、篠宮さん。なんか貴女が賭けた馬、ゲート入り拒んでるし暴れ始めたんですけど!?」


「あら~。お転婆さんなのねぇ」


 馬は知能が高く、その分性格も様々だ。マイペースだったり真面目だったり、過去には自分で馬房の扉を閉じることが出来るほど賢い馬もいたらしい。

 そして中には問題児と言われる馬も存在する。

 問題児の馬は主に気性難として扱われ、慎重に対応する必要があるのだとか。


 過去に気性難の馬が起こした有名な事件と言えば、病院送りだろうか?

 あとは柵をぶっ壊すのが趣味だったり、人を隅っこに追い込んで逃げ場を無くしてから首を噛んで○そうとしたりとか。

 ゴール後に騎手を振り落としたという話もあるな。


「あの馬の親って誰だったかなぁ……うーん、知らない馬だなぁ…。じゃあ祖父母は~……あっ(察し)」


「どうしたのぉ?」


 新聞に載っている4番の父の父を見てみると、普通に納得してしまった。なんか実質、噂をすればなんとやらだな…。


「え~、あの気性難さは親父が原因ですね。もっと言うとその祖父および曾祖父か…」


「どういうこと?」


「この間の案件で育成した娘、覚えてます?アレの孫みたいです」


「まぁ!草食動物のはずなのにお肉が大好物っていう、あのお馬さんの?」


「なんでそこを上げる?もっとあったでしょう上げるべきとこ…。それにあげたら食うんじゃないかってくらい凶暴だっただけで、実際に食ってた訳じゃないんで」


 あ~。そしてついに逆立ちまでしおった~…。間違いなくアレの血だ~(笑)。

 あそこまで行ったらもう笑うしかないね。周りの観客たちも笑ってら。


「あ。やっとゲートに入ったわねぇ」


「もう不安しかねぇなあの馬wせめて白いアレの血が直接入っていないことだけが救いか?」


 入ってたらきっと必死に抑えていた騎手プラス係の人たち何人か病院送りになってたぞ。

 もしあれで人気出たら新しいエンターテイナーとして名を残すんじゃねぇの?


 予定より遅くなったが、レース開始の音楽が鳴り響いた。

 そしてゲートは開き、一斉にスタートした。


『さぁ始まりました!出遅れはなかったようですが、しかしおっと!?4番なんといきなり最後尾に付き始めました!』

『いつもは前目なのですが、珍しいですねぇ。騎手には何か考えがあるように思えます』


 実況と解説が篠宮さんの賭けた4番に驚きの声を上げる。

 どうやら普段とは違う動きを見せたようだ。差しや追い込み馬って、不安定だけど後半の追い上げがとにかくエグいんだよな。全てをなぎ払うかの如く駆けていくのは見ていて爽快だ。


 しかし今まで前側を走っていたのに、いきなり追い込み。それも最後尾からなんて大丈夫なんだろうか?


「あれで本当に1着になるんですか?」


「ええ!私はあの子を信じているわ~♪だってあんなに綺麗な走りをしているんだもの~」


「全然違いがわからんです…」


 どこにそんな違いがあるんだ?

 精々、首が前へ出ていたり、上がり気味だとかの違いしかわからんぞ。




『───3番は依然先頭です。このまま逃げ切る作戦のようですね』

『この馬は出たがりですからね~。先頭じゃないと我慢出来ない性分なんでしょう』


 レースは中盤まで進んで、俺が賭けた馬はスタートから今まで先頭を2、3馬身差でキープしている。どうやら先頭民族のようだ…。

 しかしあの伝説の馬みたいに大逃げというわけではない。純粋な逃げ作戦。


 対して篠宮さんが賭けた馬は……


「もうすぐ中盤も終わって最終コーナーに行きますけど……篠宮さんが賭けた4番の馬。今も最後尾ですよ?」


「大丈夫よ。あの子はまだ本気で走っていないもの~」


「まぁ差しや追い込みは脚を溜めて、終盤で一気に前へ出て勝利をかっさらうのが目的ですから、まだ本気じゃないのはわかりますが…」


 それでも先頭との差は10馬身以上はある。これを抜かすのはかなり難し───


「「「ワアアアアァァァァァァァ!!!」」」

「うおっ!?なんだ?」


「ほらほらっ!来たわよ来たわよノヴァくん!?4番見て!」


「はい?」


 言われて最後尾の4番を見てみる。

 いや───既に最後尾ではなかった。いつの間にか3頭、4頭と追い抜かしており、最終コーナーに入ってから怒涛の追い上げを見せていた。


「嘘だろ!?マジか!なんだあの末脚は!?」


『3番がさらに後ろを突き放す!このまま最後の直線へと入って行きます!しかし後続もまだまだ追い掛けておーっと4番!?外から4番がぐんぐん追い上げて来ます!なんという末脚だ!いつの間に最後尾からこんなところまで!?既に4着へと躍り出ていますッ!そのまま直線に入って、なんとまだ速度を上げている!そのまま3着、2着!先頭は残り200メートルを切っている!しかし捉える!3番を確実に視界に捉えている!!!まさかの番狂わせか!?会場も重賞のように震えている!3番逃げる!3番逃げる!しかし4番迫る!4番迫る!捉えた!捉えた!ついに捉えた!ゴーーーーールッ!ほぼ同時か!?3番と4番、ほぼ同時にゴーーール!!!どちらが勝ったのか我々の目ではわかりませんッ!』


「うおーーーーー!?マジかどっちだこれ?マジでどっちこれ!どっち勝ったの!?どっち!?」


「お願い、勝ってて…!」


 俺は3番に複勝で賭けていたから賭けでは勝っているのだが、今回のレースは内容が内容だ。

 4番のとんでもない追い上げに対して、会場が今日一番の盛り上がりを見せ、いつの間にか俺までそれに触発されて興奮してしまっていた。


 無意識に社さんと一緒になって祈るように掲示板を見守っていると───


『っ!4番ですッ!1着は4番!4番の───』

「「「ワアアアアアアアァァァァァァァァァァァッ!!!」」」


「うおーーー!?マジかよ!マジで勝ったよあの馬!?」


「やったわー!初の当たり、大勝ちよ~!うふふふふっ。どうノヴァくん?私の見立て、間違ってなかったでしょ♪……まぁ、最後はちょっと冷やっとしちゃったけど…」


「いや~お見逸れしました…。まさか三回目にして社さんの見立てが当たるとは……ん?てかこれいくらになるんだ?」


「えっと~。確か最後に確認した時のオッズは、230くらいだった気がするわね~」


「……………はいぃ?」


 それを聞いてしばらくフリーズし、少し手を震わせながらスマホの電卓を起動して計算してみる。

 細かい説明は省くが、オッズは約10分の間隔で変動する。だから必ずしも230とは限らないが、それでもこれに程近いオッズにはなっているはずだ。


「5万×230は……いぃっ…!?」


 あまりの額に驚き、数字を打ち間違えたかな?と思ってもう一度計算してみる。

 しかし答えは同じ。つまり本当にこの額が貰えるということ…。


「どう?私はいくら当たったのかしら~」


「……ごじゅうまん…」


「ノヴァくん?」


「……もし社さんの言ったオッズのままなら───い、1,150万円です…」


「……………」


「……………」


「まぁ!大変!?」


「そうですよ!大変ですよこれ!?とんでもない金額ですよこれ!」


「そういえば私たち、興奮のあまりVの名前で呼び合っちゃってたわ~。気を付けないとねぇ…」

「そうじゃねーーーーー!!!」


 その後。

 社さんが賭けた馬にライバル馬がいたり、他馬のブロックで前へ出ることが出来なくて外すこともあったが……彼女はこの1,150万円(推測)の成功を糧に、あと3レースも当てた…。それも単勝で。


「うーん。レースの展開次第じゃ、一番強い子でも負けちゃうのねぇ。色々勉強になったわ~。今日はありがとう、ノヴァくん♪付き合ってくれて」


「俺も稼がせていただき、ありがとうございます…」


 なおちゃっかり俺も社さんに便乗して稼がせてもらった。

 20万ほど…。企画予算の足しにしよ。

馬って見てて本当に面白いです。


ちなみに馬房の扉を自分で閉じる馬は、例のゲームだと黄金世代のお昼寝と釣りが好きなあの娘のことです。

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― 新着の感想 ―
いつの間にか未読が2話あってウレシイ…ウレシイ… マイペースな馬に賭けたくない気持ちはわかる(ドロップキックするウマ娘を見ながら) 社さんは所々ル○姉が出てくるイメージ(通常運転)
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