最年少組。大先輩&大後輩
キャラクターおさらい
社巴
ジュイロ第1期生。
実年齢を公開しているという、少々変わってる女性ライバー。その年齢はまさかの21歳。中学生の頃からジュイロに所属している。
中学生の頃から妖艶な女性の雰囲気があり、男子をメロメロにしていた。雰囲気のせいで人妻と勘違いされるが、彼氏いない歴=年齢である。
のんびり屋さんでボーッとすることも多く、悪い男に引っ掛からないか年上の同期と後輩たちによく心配されている。
「……俺さ。最近ゲームでよくストレス溜まってる気がするのは気のせいかな(笑)?」
『一周回ってめっちゃニッコニコ…』
『落ち着け!w』
『気持ちはわかるが高難易度コンテンツだから!仕方ないから!?』
『悲報。ノヴァくん怒りを越えた何かに目覚める』
『悟り開いた人みたいだ…』
『まぁこれはちょっと悪質だけどw』
『あとちょっとだよ!頑張ってノヴァちゃん!』
『※実はさっきまでカチキレてた男の娘』
リスナーから共感や慰めの言葉を受けて深呼吸を一つ。
ロリィーさんとの最後の夜を過ごしてから数日。今はとある近未来の終末都市が舞台のゲームを実況中だ。
前にやってた高難易度コンテンツとほぼ同じで、前半と後半に3キャラずつ入れて攻略するのだが……前半はいい。敵は1体だけで、体力が多いだけだから。
今回は後半が問題だった。敵は2体なのだが、Waveが別れていた。つまり最初の1体倒さないと2体目が現れないのだ…。これがなんとも害悪だった。
そもそも前やった高難易度も、今回の高難易度も時間制限付きだ。わざわざ1体ずつ出して戦わせるというのは悪質な時間稼ぎに他ならない。
前後半を合わせて5分以内にクリアしないといけないのに、時間稼ぎ要因がいるのは本当にキツい。
「これあれだ。前半を2分で終わらせないとクリア出来ないね。後半を2分半で終わらせるのは無理だし」
前半の敵を倒すのに約2分半を要している。そこから30秒もタイムを縮めなければ、この高難易度をクリアすることは不可能だ。
『つまり30秒縮めるってこと?』
『マジで?無理じゃね。虎の姉弟子ちゃんも無しに』
『姉さんいてもキツいだろこれ…』
『ワイは今回もう諦めた…』
『新キャラの子じゃダウン取るのに少し時間掛かるしな…』
『アタッカーが凸してる前提の難易度だと思うのこれ…』
俺の考えに対して、後ろ向きなコメントが目立つ。
確かに難しいだろうな。前半の敵は特殊な強化状態に最低でも二回入りやがる。その間まともなダメージを与えるのは無理だ。
ならばその強化状態を……“一回だけ”で終わらせればいい。二回目など許さない。
「皆大丈夫だ。俺のプレイスキルを信じろ。さっきのプレイで、なんとなく攻略の糸口が掴めた。というわけで……再戦じゃ!?」
意気揚々と何度目かもわからない再戦をする。
前半の敵は初っ端から怒涛の連続攻撃をしてくる。まずはそれを余すことなく、キャラチェンによるジャストガードをするのだ。そうすることで、敵を特殊なダウン状態に持っていきやすくすることが出来る。
すると今までよりも早くダウンさせることが出来た。
「ここで師匠の必殺技を浴びせまくるんじゃー!!!」
今操作してるアタッカーだけが使える2種類の必殺技を浴びせて、体力を半分ほど削る。
ダウンから立ち上がった敵は、すぐさま強化状態に……はまだ入らせるかよ!その前にダウンのゲージを溜める為に新キャラの必殺技をくらわしたる!
「くらえー!おっでましー!?」
『違う!それは別ゲーだw』
『思ったけどもwww』
『やっぱこの円月輪を使った攻撃はそうとしか思えないよなw』
『本と杖だけど、それやってんのもう一人の女の子なんだよなー。色々おでましさせんの…』
それなりにダウンのゲージを溜めさせてもらうと、例の強化状態へ移行する敵。
これも連続でジャストガードしないと強化状態をすぐに解くこと出来ないんだよな…。なんとも面倒くさい敵だ。
「このパーティー強いんだけど、バフ管理が面倒なんだよな…。意識しないとバフが切れてることに気付けん」
バフの入れ直しやジャストガードを繰り返していき、強化状態を解除。そして下手に体力を削り過ぎるとすぐに強化状態に移行するから、なんとかダウン状態へ持っていきたい…!
「あとちょっと!あとちょっとでダウン取れる…!でもこれもうすぐ強化状態に移行するからこうだ!!!」
伊達に悪戦苦闘していた訳ではない。どのタイミングで強化状態に入るのかはなんとなく掴んでいる。
そこで新キャラの唯一無二のスキル。他キャラの必殺技を強制発動させるスキルを使って一気にダウンを取る!
「もしもし師匠!必殺技一丁!?」
『板前かよw』
『コールセンターに寿司を頼んだ男の娘』
『え。でも待って。これマジである?』
「おっしゃダウン取ったー!?」
ダウンを取り、起きる前に一気に仕留めに掛かる。
師匠の2種類の必殺技も溜まっている。これで行けなきゃもうクリアは出来ん!?
「いけーーー!!!」
何度目かの必殺技をくらわせ、一気に敵の体力を削り切った。
結果。見事に2分で倒し切ることができ、後半もギリだったが残った3分で無事クリア出来た。
「おらー!どうだい君たち?俺はやり遂げたぞ。この鬼畜高難易度を!?皆も諦めずにクリアしてくれよな!」
その後はストーリーをやろうと思ったが、高難易度があまりに疲れたので週間クエストをいくつかやって配信を終了した。
「う~~~ん…!今日は本当に、疲れた~…♡それじゃあ今日はこの辺で、さようなら~♪」
『『『さようなら~♪』』』
『なんか最後ちょっと色っぽかったなw』
『気が抜けたらえっちな声出るよなノヴァちゃんw』
『えっど』
『興奮しちゃうじゃないか』
『これで男なんだもんな…。お得だね』
「……リスナーたちのえっち…」
身体を伸ばしながら別れの挨拶をしたら変態どもが反応したので、最後にサービスしてやった。
そしたら最後の最後にコメント欄がディスコルームみたいな盛り上がりを見せたぞ。やっといてなんだが、俺もうリスナーの皆が怖いよ…。
「ふぅ~。1時間くらいしか実況しなかったのに、なんかすげぇ疲れたな~…。ほぼ毎日配信してる影響か?」
この世には配信すると疲れる人と疲れない人。
さらに配信すると逆に疲労もストレスも回復する化け物がいる。ネタではなくガチで。具体的な例を挙げるなら犬と狐のVTuberかな。
俺はどうやら疲れる部類に入るようだ。まぁそれが普通なんだろうが。
「ちょっとトゥイッターで3日ほど配信休むって呟いとこ」
ちゃんと休まなかったせいで活動休止の事態になることも普通に有り得るのが今のVTuber業界だ。
事務所にも寄るんだろうが、うちの事務所は自分たちの判断で配信をするしないを決めて良いことになっている。
極端だがロリィーさんが良い例だな。あの人普段は全然配信しないし。
他の人の動画には出てるけど。
「疲れが溜まってるので明日から3日ほど配信を休ませていただきます、と。これでよし。明日はまったり家でのんびりさせてもらって、明後日には久々にジムにでも……」
『ピー!ピー!ピー!』
明日からの3日間の過ごし方を考えていると、ディアコードが着信を知らせる。
ロリィーさんか?あれからちょくちょく電話して来るんだよな。
「ん?いや違う。社巴さん…?」
社巴。
ジュイロ発足時からいる大ベテラン。
なんと中学生の頃から所属しており、年齢は21歳。今年で22歳になるらしい。俺も今年で22だから、俺の同級生であり大先輩というパワーワードが成り立ってしまう人だ。
中の人は垂れ目でぽや~っとした雰囲気だが、同時に妖艶で色っぽい雰囲気もあって、すれ違う男は10人中10人振り向くくらい美人さんだった印象。実際よくナンパやスカウトをされるらしい。
黒田さんが誤発注したサーモンを処理する為に協力してくれた先輩の内の一人でもある。あの時はまさか同い年だなんて思わなかったな…。
「なんの用だろうか?……もしもしお疲れ様です。スハ・ノヴァです」
『あ。こんばんは~ノヴァくん。伊集院瞳です~』
社巴さんだと思って出たら、聞き覚えがある声から全く聞き覚えがない名前が出てきた。
「??? ……………えっと。社さんの姉妹VTuberか誰かで?」
『へぇ~?……まぁ!やだ私ったら…。ごめんなさい、名前を間違えちゃったわ…』
ああ。どうやら間違って本名を名乗ってしまったらしい。おっちょこちょいだな。
『つい父の苗字で名乗っちゃったわ。篠宮瞳です。改めてよろしくね~』
「間違えたってそっち!?」
『うふふ。馬鹿よね私ったら。パパとママはジュイロに入るずっと前に離婚してるっていうのに。今でも時々間違えちゃうの』
「それ俺が聞いていいやつですか?」
『本当にごめんなさい。それじゃあお休みなさい、ノヴァくん。眠る時お腹を冷やさないようにね』
「は?」
そう言って社さんと思われる篠宮さんは電話を切った。
何が起こったのか理解出来ず、しばらく呆然としていると再びディアコードから着信があった。
『ごめんなさいノヴァくん!私貴方にお願い事があって電話したんだったわ~…。今大丈夫だったかしら?』
「……………」
(く、癖つえ~~~~~…!!!)
今まで話してきた人の中で。VTuberとか関係なく相手にするのが一番大変そうな人だと悟った。
さすがジュイロ…。とんでもなく個性的な人がまだいやがったで。でも前話した時はこんなんじゃなかった気がするんだが…。
「案件?企業から商品の紹介とか頼まれる、あの案件?」
『ええ。あの案件よ。ただ今回の案件なんだけど───』
話を聞いてみると今回持ち込まれた案件は、社さんがあまり知らないゲームの紹介なのだそうだ。ただ彼女自身ほとんどゲームはやらないらしい。精々やるのは他のライバーに誘われた時くらいだそう。
だから最初は断ろうとしたが、初心者ならではの手探りでプレイする様子を見せるのもまた案件の醍醐味とのことで、マネージャーさんから半ば押し切られる形で結局引き受けてしまったとのこと。
「なるほど。まぁマネージャーさんの言うことも一理ありますし、全然引き受けても損は無さそうですけどね?」
『それはそうなんだけど……調べてみたら、なんだか凄く難しそうな育成ゲームだったのよ~…。私一人じゃ上手く出来るかわからないから、手伝ってもらえないかしら?』
「まぁ本気で困ってそうですし、全然良いですけど…。ちなみになんてゲームなんです?物に寄っちゃ手伝えないですよ」
特にホラゲーとかは勘弁して欲しい…。
俺ヘリがよく墜落するゾンビアクションゲームでも結構怖く感じちゃうんだよ。
『えっと……名馬を可愛い女の子に擬人化させた育成ゲームなんだけど…。大丈夫かしら?』
「めっっっちゃ俺がやってるやつですやん…。全然手伝えますね」
あんま課金してないカジュアル勢だから、そんな強く語れるほどのもんでもないが……まぁ初心者に基礎を教えることは出来るだろう。
『本当に!じゃあお願いね。事務所のスタジオを借りてやることになってるから』
「了解でーす。そういえばその案件配信はいつですか?」
『あ。そういえば言ってなかったわね…。その……急で本当に申し訳ないのだけれど、明日よ』
「はーい。明日ですね~……ん?明日?」
『ええ。明日』
「……………」
『えっと~……ノヴァくん?』
明日……明日?え。案件ってそんな急ピッチでやる羽目になるもんなん?
「あの、社さん」
『なぁに?』
「その案件って、いつ来ました?」
『二週間前くらいだったかしら?』
「なんでもっと早く連絡くれなかったんですか?」
『えっと……連絡しようと思ったらいつも配信中で、終わるのを待ってたら毎回寝落ちしちゃってたのよね…。夜更かしはあまり得意じゃなくて。ごめんなさい…』
「昼間に連絡とかは?」
『ロリィーちゃんのご飯作りで、そんな暇はないかと思って…。あの子はほら、凄く食べるじゃない?』
「ロリィーさんなら先週にはもう家に帰ってますが?」
『まぁ!そうだったのね…。それは知らなかったわ…』
な、なるほど…?まぁとりあえず社さんなりに気遣ってくれてたということはわかった…。配信してない日も、その時に限って社さんの方が忙しくて出来なかったんだろうと予想もつく。
でも絶対もっと電話するチャンスはあったと思うの。てか履歴に残るんだからワンコールだけでもすればいいじゃんよ。
なんだかこの人の価値観がわからなすぎて頭が痛くなってきたよ~…。
「と、とりあえずわかりました。明日ですね…。時間とかはディアコードのメッセで送っておいてください」
『ええ!ありがとうノヴァくん。明日はよろしくね』
「はい。よろしくお願いします…」
『それと……本当にごめんなさい…。たぶん何か予定があったのよね?』
「ああいえ!ただぐうたら過ごす予定でしたから、気にしないでください。本当に」
社さんとの電話を切ったあと、思わず大きなため息を一つ。
いやね?前日に急なコラボを申し込まれるのは本当に良いのよ。普段なら全然気にしないよ。俺ら7期生組の例もあるし。
俺自身もフットワークは軽い方だしな。
でも休もうと思った矢先にコラボのお誘いは結構キツいな…。ブラック企業で働いてた時の休日出勤を思い出して、嫌な気持ちになってしまった。
ちなみに俺が働いてたそのブラック企業。先週潰れたらしい。ザマァ見ろ(笑)。
「あれかな?頭が休日だと思ってるところに急な仕事が舞い込んで来ると、人はストレスを感じやすいのか?……エレーナさんたちの時はこんな感覚を覚えなかったから、たぶんそうなんだろうな…」
配信は楽しいし、好きなんだけどな。
でもやっぱりちゃんと身体は休ませないと。明後日から改めて3日間休むことにしよう…。
「おはようございます。今日スタジオを予約してた社です~」
「おはようございます。今日はノヴァさんと案件でしたね。彼はもう来ていますよ」
朝から事務所での打ち合わせを終えて、案件配信の為にジュイロが保有しているスタジオへやってきた。
今日は今年ジュイロに入ったばかりの新人VTuberのスハ・ノヴァくんと一緒にやることになっている。彼はもう先に来ていると、受付の人が教えてくれた。
ただちょっと会うのが怖いのよねぇ…。案件の協力をお願いしたのはいいけど、それは昨日の夜だったから。
今まで何度も連絡しようとしたけど、夜は配信中だったり、昼は訳あって彼の家に居候中だったロリィーちゃんの為にずっとごはんを作ってると思って、タイミングを掴めずにいたの。
私がそうやって優柔不断だったせいでやっと連絡をすることが出来たのが昨夜だった。
「きっと怒ってるわよねぇ…」
昨日は気にしないでって言ってくれたけど、たぶん心の中だと怒りを覚えてたに違いない。
そんなことを考えながらスタジオへ向かっていると、前から人がやって来た。
あの人は確か……
「お疲れ様です、社巴さん」
「お疲れ様です~。貴方は確か、ノヴァくんのマネージャーの方よね?」
「はい。九重でございます。本日はよろしくお願い致します」
声を掛けてきたのは、ノヴァくんのマネージャーの九重さんだった。
彼もまた新人のマネージャーさんらしいけれど、飲み込みが早くて優秀だって私のマネージャーさんが言ってたわねぇ。
「お迎えに上がりました」
「お迎え?そんなの別に良いのに。スタジオの場所くらいわかるわよ」
「はぁ。ですが貴女様のマネージャーから、“彼女はそれなりの頻度でスタジオを間違えるから、迎えに行って案内してあげて”と言われまして。少々迎えが遅くなってしまいましたが、ご案内させていただきます」
「あら~?」
そうだったかしら…?確かに時々間違えるけど、心配される程のことじゃないような。
(なるほど。あまり自覚はないようだ…)
少し納得がいかないけれど、とりあえず彼の案内でスタジオへ向かうことに。
その道中。私は気になっていたことを九重さんに質問した。
「ねぇ。ノヴァくんはその……やっぱり怒ってたかしら?急なコラボのお誘いだったし」
「え?いえ。そういった様子はなかったですね。むしろイキイキとしていたように思います」
「イキイキ?」
「はい。確かに急なコラボで少し困惑はしていたようですが、怒ってるようにはとても…」
怒るどころかイキイキしているという話を聞きながら、スタジオに着く。
だけどそこは予定していたスタジオとは違った。
「あら?ここはキッチンスタジオではないかしら?」
「はい。少々“訳もあって”、配信までまだ少し時間もありますし、まずはこちらへ案内して欲しいとノヴァさんに言われまして。どうぞ」
どういうことかわからないまま、九重さんが開いてくれた扉を通る。
見るとそこには、忘れることなんて出来ないくらい可愛らしい男の子……そしておにぎりとお味噌汁とお新香、さらにウィンナーと目玉焼きを半泣き状態で食べている同期の姿があった。
「いや~。ノヴァ様マジでありがとうよ~…。寝坊しちまったせいで飯食えてなかったんだ(泣)」
「仕事あるのに夜遅くまで配信するからですよ…。んで、それだけで足りますか?」
「いやマジ十分すぎるくらいだ…。塩むすびだけじゃなく、鮭おにぎりまで握ってくれたんだからよ。今日の撮影も頑張れるってもんだ」
「……なにやってるの?ショウタくん。ノヴァくん」
同期の男の子が新人の男の子にごはんを食べさせてもらって半べそかいているところを見るのは中々に衝撃的だわぁ…。
「あ。おはようございます、社さん。今日はよろしくお願いしますね」
「おー巴~。お疲れさん。何って、見ての通りだよ」
「見ての通り……」
ショウタくんに言われて、二人とテーブルに並べられている料理を見比べる。
この状況は……
「新婚かしら~?」
「やべぇノヴァ様アイツに見ての通りとか言ったら結婚させられたぞ」
「せめて“ごっこ”を付けて欲しかったですね…。それでも男同士でその絵面は地獄でしょうけど」
「え~。でもノヴァくんは(見た目)女の子だしぃ?違和感ないわよ」
「抜けてる抜けてる言葉が抜けてる。ちゃんと付いてる男の娘です俺ぁ…」
「ぶふぅっくっくっくw相変わらずド天然だなおめぇはwww」
「はぁ~。こりゃあ今日の案件とやらめちゃくちゃ疲れる気がするぞ…。とりあえず社さんもどうぞお座りください。案件前に腹ごしらえしましょう」
「私もいいの?」
「もちろん。社さんも朝から仕事だったんでしょう?何か胃に入れとかないと、頭回りませんよ。まぁまぁ頭使うんで、あのゲーム…」
確かにお腹がぺこぺこね…。最近は本当に忙しくて、お昼を食べれない日が続いてたから、あまり気にしてなかったわ。ここはお言葉に甘えちゃおうかしら。
「ありがとう。ノヴァくんの料理は本当に美味しいから、また食べられるなんてありがたいわ」
「急ピッチで用意したものなんで、どうかあんま期待しないでください…」
─────────────
「そう。あれは遡ること小一時間前のこと」
まだ見ぬジュイロメンバーに会えるかもと思い、挨拶だけでもしたくて早めにスタジオに着いた俺が最初に出会ったのは、顔色の悪いショウタさんだった。
『あれ?ノヴァ様じゃねぇか。お疲れ様~。昨日トゥイッターで3日くらい休むって言ってたから、てっきり撮影も無いもんだと思ってたわ』
『お疲れ様です、ショウタさん。今日はちょっと訳ありでして。……てか、なんか顔色悪くないですか?』
『え?あ~。実は遅くまで配信しててよ…。そのせいで寝坊して朝飯食い逃しちまって…』
『そこのコンビニでなんか買えば良かったじゃないですか…』
『マジで遅刻寸前で食う暇も無いと思ったからさ。今さっき休憩時間になったから何か買いに行こうとしてたとこ』
『もう~何やってんすか…。仕方ないですねぇ。じゃあ俺が何か適当なもん買ってくるんで、その間になんとかキッチンスタジオの使用許可を取っといてください』
『……えっ?』
言うだけ言ってコンビニへ向かった俺は、適当な材料を買い漁った。
朝から何も食べていないようだから、お腹に優しい味噌汁を。
午後の仕事も頑張れるように栄養価の高い食べ物。つまりタンパク質にウィンナーや卵を。
そして日本人には欠かせない米。こっちは塩むすびと鮭フレークを使った鮭おにぎりにした。
さらに今日の案件でネタに使えるかもと思って持って来ていたぽりぽりさんという名のお新香も添えて、最高の朝ごはんみたいなラインナップの昼ごはんをショウタさんにご馳走した。
「ということがあったんじゃよ。もう、ちゃんとごはんは食べないと駄目だよ、ショウタくん?」
「大変ありがとうございます、ノヴァお婆ちゃん!」
「せめてお爺ちゃんって言って…」
「うふふっ。そんなことがあったのね~。……ぽりぽりっ。う~ん!このお新香美味しいわねぇ。」
そして現在は社さんにも同じ物をご馳走している。
俺はしっかり食べてたし、そんなに腹が減ってなかったから塩むすびだけ食べている。
「いやぁでもマジでありがとよノヴァ様。まさかこんなしっかりした飯を食わしてもらえるとは……俺は適当なホットスナックで済ませる気満々だったからよ」
「身体に悪すぎですよそれ?食事は健康な身体を作るのに一番大事なんですからね」
「耳が痛ぇな~…」
「耳が痛いわね~…」
「なんで社さんまで?」
「いつも朝は食欲湧かなくて、ゼリーとキャロリーライトだけとか珍しくないから…」
「こっちはあなた方の不摂生に頭が痛くなって来ましたよ…」
ブラック企業に勤めていた頃の俺でもコンビニ弁当にサラダなどを合わせたり、なるべく健康に気を遣っていたぞ…。
「飯テロ企画の題名を、ライバーの食生活改善テロにしてやろうかな?」
「やべぇ遠回しにノヴァ様の料理じゃないと満足出来ない身体にしてやるって言われてる気がするぞ…」
「最近のテロリストは料理を使ってテロを起こすのね~」
うーんやっぱ社さんはなんか思考がズレてる気がする…。
この後の案件配信、大丈夫だろうか…?
「あ。そうそう、ノヴァくん。今日は本当にありがとう。急なコラボに応じてくれて。それと……ごめんなさい」
「あーだから気にしないでくださいってそれは。誘ってくれたのは純粋に嬉しいですし」
「なんだなんだ?何かあったのかよ」
事情を知らないショウタさんに、今回のコラボについて話す。
すると苦笑しながら彼は社さんを見て言う。
「お前また変に気を遣って連絡が遅れたのかよ…。配信中はまだしも、それ以外に変に気を遣う必要はねぇって何度も言われてんだろ」
「だってノヴァくんとはまだそんなに仲良くないから…」
「まぁそれはそうだけどよ…。ノヴァ様ならいちいち気にしねぇよ。比較的よく知ってる俺が保証してやる」
「ショウタさんからの急なお願いはキレます」
「なんで!?」
「ふ、うふふふふっ。もうそんなに仲が良いのね、貴方たちは。……わかったわ。今度からはもう変に気を遣わず、早く連絡するわねぇ」
俺とショウタさんのやり取りを見て、社さんが今日一の笑顔を見せた気がした。
「ところでショウタさん。残った米は持って帰ります?持って帰るならおにぎりにしますけど」
「ぜひお願いしますっ!」
「うぃーす」
「う~ん。さっきは新婚さんみたいに見えたけど、今はまるで親子ねぇ。ショウタくんが子どもで、ノヴァくんがお母さん」
「やべぇ否定出来ねぇんだけど…」
「だから俺は男の娘だと…」
「ノヴァ様はほら。実質“付いてる”だけの女の子だからさ」
「もう飯作ってやんねー」
「ごめん許してーーー!!!ノヴァ様のご飯食べれなくなるとかマジで無理~!?」
「うふふふふw完全に胃袋を掴まれちゃってるわねwww」
書きたい話書いてたら女性とよくコラボしちゃってたんで、次のコラボ相手は男性にします。
久々にFF1○やってるんですが、船旅中に『シ○』に襲われるイベントで1週間。ゲーム内プレイ時間だと約44時間ザコ狩りまくったら5万9000の経験値が手に入りました。
もうちょっと粘って6万にしたかったな感。
一番レベルが低いキ○リでちょうど50まで貯まりましたね。




