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窓
私がぼんやりと窓を眺めていたある昼のことだ。
隙間から流れてくる風は冷たく、透明な板は私の吐息で曇る。
一歩一歩と近づく曙は、疾うの昔に私を独り取り残して溶けてしまった雪の面影を消していく。
そんな昼だった。
窓から、窓の外へと視線を向けた刹那、輝く星が見えた。
雑音の喧しい街の中、ただ清らかに輝く。
私の口は動き始める。
「あぁ、我等が神よ、我等が星よ。どうか私に気づいておくれ。」
届くはずもない、酷い独りごこち。
だが、その独りごこちは身体の奥底から延々と湧き出続ける。
「あぁ、救い給え、我等が神よ。世の全ては貴女のためにあり。」
全く留まることを知らぬその流れ。
汚く濁ったその流れ。
自らが見ても反吐が出る。
もう、手遅れなのかもしれない。
あまりにも短すぎるこの文に、この昼の全てを込めた。