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Poison-song(毒歌)  作者: 比良坂黄色(ひらきい)
慌ただしい転校初日
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大事なことは3つ

去年の夏休み、俺の家のポストに、魔法を使ってみませんか?と書かれたとてつもなく胡散臭いハガキが入っていた。

魔法という言葉に反応してしまったバカな俺は、すぐさまハガキに書いてあった番号に電話し、気づいたらいつの間にか養成所らしきところに行かされていた…というか足が勝手に向かっていた。

そこで重要だからって何回もくどく聞かされた単語は三つ。科学特別安全委員会、クラド、ティックスだ。


科学特別安全委員会は、表向きはただの科学研究機関もとい、ビッグフォレスト㈱が管轄する未来最新技術研究所だ。

その実、俺らのような、中・高校生を集めてちょくっとした兵隊をつくっている。上場してる会社がそんなことやってるってバレたらまずいから、そんな時の保険のために科学特別安全委員会って名前使ってる。

ちなみにビッグフォレスト㈱は出せば売れるとまで言われてる大手ゲーム制作会社だ。

RPGのミスティア・ファンタズムを作ってる会社といえば誰でも分かる。

そして俺はここが雑誌とかで掲載していたクイズとかパズルの懸賞に熱心に応募していた。

後で委員会から聞いた話だが、そのクイズやらパズルで、ティックスとしての適性をはかっていたらしい。

そんでもってことごとく正解を弾き出したのは俺だけだって。すごくね?


養成所で兵隊として育てられた俺らのようなやつをティックスと呼ぶらしい。おっさんは養成所の教官だった。今は俺らの監督、ってことになってる。


養成所でははじめ、全体を光と闇の二つに分けられた。ちなみに俺は闇。

光は白魔法、闇は黒魔法を使えるらしい。これを知ったとき、俺はマジで魔法が使えるらしいことに喜んで飛び跳ねた気がする。

補足説明をしておくと、白魔法とは回復・防御魔法のこと。反対に黒魔法は攻撃魔法。

科学進歩で魔法が使えるようになるなんて…すげーよな。魔法っつっても、委員会が開発したアクセサリを身につけて特殊なトレーニングをすることで、潜在能力が引き出されるだけだって委員会は言ってたけど。


で、次に、光と闇でペアを組んで一つの班として養成所での一年間を過ごす。

この班で最終的な成績が出され、ティックス内の階級が決まる。

俺と智架は成績トップだったため、もちろん階級は一番上。

階級の表示はなんと、かわいいお星さま。五つ星が最高らしいね。てことで俺らは五つ星。

ま、一番危険な任務に駆り出されてこき使われるってことだけど。


最後にクラドとは、超簡単に言うとウィルスのこと。科学…いや、コンピュータ技術か?の進歩に比例して複雑になっていったコンピュータ・ウィルスが、三次元世界に登場したもの。

三次元に登場したことでネットワークを介さないで直接他のコンピュータに移動して感染可能になったらしい。


俺らティックスの仕事はクラドの殲滅(せんめつ)


「あ。そう言えば、ペアって変わったりすんの?智架以外考えらんないんだけど」

「どうだろうな」


 ニヤリと嫌な笑みを浮かべるおっさん。この反応は…変わんないのか。よかった。


「じゃ、俺学校行くから。鍵閉めとけよ」


いくら任務のためとはいえ、おっさんが合い鍵持ってるなんて耐えられねーな。

智架が持つってんなら全然いいんだけど。それで智架がうちに通うようになってくれたりしちゃったり…うしし。

俺のニヤケ顔を見てか、


「恋愛に関してとやかく言う気はないがほどほどにな」


そんなことを言ってくるおっさんは独身だったりする。…ひがんでんのか?

あ、やべ。おっさんの右手がピクリと動いた。俺口に出してた?


「じ、じゃあな!」

殴られる前に逃げるように外に飛び出る。

だだっぴろい校門を抜けると、人がたくさん。

いくらなんでもおっさんが入ってきたら誰かに捕まるだろ。


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