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88 二度目の訪問・バーベキュー式お好み焼き添え

シーバスのバーベキューから2週間ぐらい経ったが……暇だ。


既に今月分のベーコンは作り終わったし、特にイベント的な物もないしでやる事がないぞ。


暇は平和である何よりの証という言葉もあるが、物々交換の為のノルマもあるからなぁ。


その分キャリと一緒の時間も作れるし可愛い妹もスイーツの試作が出来るんだが、流石になぁ。


「おおウメオ、暇なら明日ちょいとワイに付き合わんか?」


「レクタさん……付き合うって酒ですか?」


「いや、ウメオも前に行った事あるやろ……ヴィガンの所の集落を視察するんやがまた子供がおるなら保護したろうやないか」


成程、それで食い物を現場で作れる人手が欲しいと。


回復魔法ならレクタさんも使えるしあのサークレットみたいな爆弾も俺なら外せる。


……でも確認しないといけない事があったな。


この前も作ったコロッケパンにソースをたっぷり垂らして、ソースを塗りながら焼いたソーセージを添えて、と。


「兄ちゃん、ウチに用があるんは解ったんやけど段々作る料理が手抜きになっとらんか?」


「いやそんな事はないですよ?」


確かにソーセージは作りおきした物だが、俺はバーベキューに関しては手を抜いた事は一度たりともないぞ。





「ふむふむ、あのドアホウ共の子供も人数にカウントしてええんかって問いなら答えはイエスや……それとコロッケパンを追加してな」


何だかんだで答えつつおかわりもするんだなトゥール様……


ちゃんと食うなら幾らでも作るけど。


「そんなら例の場所に子供がおったらやけど、あのサークレットはその場で外すよりここで……ウチを呼んだ上で外しぃや、イチイチ移動するんも面倒やし何らかの障害があるならまとめてやった方が楽やねん」


つまり怪我と障害を同時に治した方が手間がないと。


あの爆弾をどう処理するのかは……大体の想像は付くけど、またハイドラ様が飯をタカりに来られそうだな。


来ると解ってれば幾らでも作るが。


「だそうですけどレクタさん……どうします?」


「そんなん願ってもないわ」


「ただし、その日の夕飯は兄ちゃん風のソースたっぷりのお好み焼きにしてぇな?」


お好み焼きか……確かに俺も食いたいし、それでいいなら幾らでも焼いてやる。


となると……


「苺心、明日は残ってキャリの面倒と大量に豆腐を頼む……それと可能なら蓮根も仕入れてくれ」


「はーい」


幻獣を狙う野菜狂信者とかち合う可能性を考えればキャリを連れて行く訳にもいかんからな……


レクタさんが同行するなら可愛い妹が側に居れば安心だ。


まあ、トゥール様も言ってたけどもし居たらだけどな。


でもお好み焼きは食いたいからどっちにしろ作ろう。


「あ、お兄ちゃん……お好み焼きならご飯を添えたりはしないでよ」


「まあ、どっちも炭水化物だからな……解った」





んで翌日……例の場所に向かうのは俺とレクタさんにオヤッサン、他数名だ。


空のリアカーが何台もあるけど、まあ子供が居るなら乗せて戻った方が早いか。


前回は歩かせるしかなくて来る時の倍近い時間が掛かったからなぁ。


「ンナー?」


後、なぜかベーコンまで着いて来たが……まあいいか。


「以前まではあの爆発するサークレットがあって連れて帰る訳にもいかへんかったんやが、ウメオのお陰でその問題が解決したんは有難いこっちゃで」


「ホンマや、ベーコンやジャガイモも美味いしよう売れるさかい、兄ちゃん様々やで」


最近はキャベツ目当ての移民とか、ジャガイモの売上のお陰で流通が元通りになってるとは聞いたけど……大半は皆さんで食ってる様な?


ベーコンもマリアやサーマのお陰でよく売れてるっぽいけど……どう考えても食われてる量の方が多いよなぁ。


まあ、助けになったんなら良かった。


俺も何だかんだで助けられてるし。





よし、到着。


相変わらず屋根すらない建物と雑草しか生えてない畑が哀愁を誘う集落だな。


「ふむ、この場におるんは子供が5人だけやな」


「そういや前回からまだ半年も経ってないな……流石に野菜狂信者もポンポンと産んで捨てたりはしないか」


例の如くサークレットが着いているからあれを取るまでは喋れないだろうな。


そしてベーコンがその子供達にもみくちゃにされている。


そりゃ見た目は子猫だからな……可愛いし触りたいよなぁ。


「ンナー!?」


ベーコン……飯が出来るまでは頑張って耐えてくれ。


「ほな、先に何か食わせたろうやないか」


なら俺の出番だな。


作るのはキャリとロリババアが大好きなベーコンエッグ・フライパンパイ……


卵とハチミツを用意する時はマリアの視線が滅茶苦茶怖かったが仕方ない。


代金は俺の財布から出したんだから許してくれ。


作り方は割愛するが、今回は子供向けにタマネギはなしでチーズとポテチを増量して焼こう。


「ウメオ、ワイ等の分はあるんか?」


「やっぱり食うんですか……ちゃんと用意しますけど子供達が先ですよ?」


「そら何事も子供が優先なんは当然やで」


皆さんも食うのは解ってたからな、ちゃんと余分に用意しておいたとも。


それとベーコン、頑張ってくれてるから山盛りでやるからな。





「ほぉ、ハチミツ味のタマゴっちゅーんは初めてやが美味いもんやなぁ」


「また中のベーコンがええ味やんか」


「ンナー!」


うん、ベーコンの機嫌も治ったな。


子供達もモリモリ食ってるし、これにして正解だった。


「ンナ? ンナー!」


どうしたベーコン……って視線の先に居るあいつは!


「貴様……何故ここに居る!」


「また来やがったのか野菜狂信者の……アメンボ!」


「アメーラだ!いい加減に覚えろ!」


まあこいつの名前なんざ覚える気は微塵もないからいいとして、この状況はどうした物か。


今回はあいつだけだがレクタさんやオヤッサンも子供達を庇いながらじゃ戦えんだろうし……


「まあ待ちぃや、そのアメダマが持っとるんは子供達に食わせる食料やないか?」


「だからアメーラだと……まあいい、確かにその通りだ」


ふむ、持ってるのはキュウリとトマトだけだが子供の飢えを凌ぐぐらいは出来る量だな。


こいつ、以外と子供には優しい奴だったのか?


だとしても対応を改める気は一切ないが。


「……1つだけ聞かせろ、以前ここに居た子供達を連れ去ったのは貴様か?」


「確かにその通りだが謝る気はないぞ?」


「今も生きているならそれで構わん、なら今回も?」


「そのつもりだ」


どうやらこいつは子供達を棄てたり爆弾を着けたりするのには関与してないらしい。


俺が解る範囲だけでもアチコチ飛び回ってるし、そこまで手が回せんだけだろうけど。


「……我等の次の目的はピストルという魚の内臓を入手して、それから採れる毒をカーニズに散布する事だ」


毒のある内臓を持つ魚……やはりピストルってのはフグの事だったのか?


フグの毒は致死率が半端ないから絶対に阻止する必要があるな。


しかし黙ってればかち合う可能性は低かったろうに態々教えてくれるとは……どういうつもりだ?


事前に美味いと聞いていたから迷わず食いに行くつもりだったし、確実に鉢合わせてたけどな。


「この場に居る子供達の事は頼んだ、少なくとも貴様と居た方が美味い物を食えるだろう……何だかんだで貴様に食わされた肉や魚も不味くはなかったからな」


「……何なら今から辛味のない料理を作ってやるから食って行くか?」


「遠慮する」


つれない奴だな……奴は友達でも何でもないし、ある意味当然の反応だが。


確か雪がふるのは二ヶ月後と言ってたから、野菜狂信者はそれまで動きがないと解ったのは収穫だった。


子供達に食わせて物々交換のノルマも達成したし、これで桃花や勇一に前回の借りを返せるだろ。


「……ほな、子供達を連れて戻ろか」


「よっしゃ、したらこのリアカーに乗りぃ」





ふぅ、帰宅したぜ。


材料は全て可愛い妹が準備してくれたし、早速焼こう。


キャベツを千切りにしたらボウル一杯の小麦粉に卵を1個、すりおろした蓮根、豆腐、塩、小間切れにしたブタロースを加えてよく捏ねて……


冷やした鰹節の出汁を少しずつ加えながら好みの固さに調整して、と。


鉄板にラードを惹いたらブタのベーコンを並べて、生地を乗せて平らにする。


横に再びベーコンを並べて、ひっくり返す時に乗せてやる。


後は中まで焼けたら皿に乗せてソースを塗って、青のりと削り節、好みでマヨネーズを掛けてやれば出来上がりだ。


「お兄ちゃん、私の分にはベーコン入れないでマヨネーズもなしでね」


「……解った」


だがこのままでも充分に美味いが桃花の二番煎じになってしまう。


なので別の鉄板を用意して、キャベツとベーコンのソース焼きそばを作っておこう。


これを皿に盛ったらその上に薄く焼いた卵を被せて、その上にお好み焼きを乗せてやれば贅沢感が出る。


可愛い妹は絶対に食わないが、少なくとも子供受けはいいだろう。


「お兄ちゃん、焼きそばも炭水化物だよね?」


「安心しろ、これは子供達とトゥール様の分だし添えるかどうかは本人の希望次第だ」


まあ、確実にほぼ全員が食うけどな。


おっと、トゥール様の分は焼きそばにマヨネーズを掛けてからお好み焼きを乗せて……ソースをたっぷり塗って更にマヨネーズ、と。


「兄ちゃん、削り節もマシマシにしといてな」


「……解りました」


まあ子供達の障害はトゥール様にしか治せんしな……


削り節で済むなら幾らでも使ってくれ。





「このお好み焼きっちゅーのと焼きそばを一辺に食うんは中々おもろいやないか……しかも美味いわ」


「このモチモチした食い応えがたまらんわぁ、しかも酒に合うで」


くそぅ、オヤッサンめ……禁酒中の俺の目の前でガブガブ飲みやがって。


だが仕方ない、我が家の問題を押し付ける訳にもいかん。


「そういやレクタさん、今回の子供達はどうするんです?」


「ああ、あの子供達は全員オヤッサが引き取る予定や」


まさかのオヤッサンが里親か……


てかオヤッサンは前回3人も引き取ったのに。


「また畑を広げよ思うてなぁ、手は幾らでも欲しかったんや」


予想以上にキャベツとジャガイモが売れてるからなぁ。


それで畑を広げて更に収穫しようって事か。


少なくとも食いっぱぐれる事だけはなさそうで良かった……でもベーコンのお裾分けは頻繁にやっておこう。

関西風もいいけど広島風も捨てがたい

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