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81 羊のちゃんちゃん焼き・義父の頼み添え

よし、帰って来たぞ。


土産のラズベリージャムに紫芋、ラズベリーワイン……そしてラム肉もバッチリだ。


特に紫芋は喜んでたし、明日のオヤツは大量に出てくるだろうな……またコーヒーを仕込んでおかねばならんな。


結局グリルにベラバーガーを15個も作ってやらなくてはならずに出発が遅れてしまったが……まあ予定通りに帰れたからよしとしよう。


なお余談ではあるが、野菜狂信者と繋がっていたトングとヘラも羊の解体をしていたが血の臭いで吐く事はなかった。


最近だと鶏のささ身なら何とか食える様になったらしいし、荒療治でも効果はあったみたいだな。


俺が腕を奮うのはもう少し掛かりそうだが。


「所で師匠、その羊肉はどう料理するんですか?」


「今のタープとマリアにも食いやすい、ちゃんちゃん焼きを作る」


という訳で作っていこう。


材料はラム肉とキャベツにタマネギ、味付けはベーコンと醤油と味噌にオレンジで付ける。


ただちゃんちゃん焼きのタレにはニンニクが欠かせないが、タープとマリアに考慮して抜いておく。


「これはサーモンで作る料理じゃありませんでしたっけ?」


「確かにサーモンで作ると美味い料理だが、羊肉で作っても美味いぞ」


というより適度な脂を持つ食材なら何でも美味くなる。


個人的に青魚には合わないと思うが……まあその辺は好みの問題だろうな。


さて、ラム肉は薄切りにしたらすりおろしたタマネギとオレンジ果汁を混ぜた物に漬けといて、と。


ざく切りにしたキャベツとタマネギ、薄切りのベーコンを鉄板で炒めつつ味噌を醤油で溶いて……


野菜がしんなりしたらオレンジ果汁に漬けていたラム肉を漬け汁ごとぶち込んで、水分が跳んだら味噌を入れて混ぜれば完成だ。


もやしがあれば入れたかった所だが、売ってないし育てるのも面倒だから諦めよう。


「よし、メインは出来たがサイドはどうするかな」


「それならニワのトマト煮を作っておきました、それとイチゴちゃんがイモでスープを作ってましたよ」


流石はマレスと可愛い妹、栄養バランスもバッチリだ。


しかしそうなると夕飯まで暇になってしまうな……


「あ、ウメオ……おとんが話があるってゆーとったで」


レクタさんの話……まあ無下にする訳にもいかんし行くしかないか。





「おお来おったか、ほなまずは一杯やりぃや」


「あ、ども」


マリアが飲みたがるから最近は控えているんだが……とはいえ出された酒を断る訳にもいくまい。


なるべく酔わない程度に抑えるしかないな。


「実はウメオに頼みがあってなぁ……明日はワイのカミさんの命日なんやが墓前に備えるパイを作りたいからあのコンロとダッチオーブンっちゅー奴を貸して欲しいんや」


「そりゃ構いませんけど……今まではどうしてたんで?」


「教会の裏に専用の竈を置いといたんやが……例の火災で黒焦げでなぁ、街の再建を優先しとったさかい今もチマチマ直しとるんやがまだ使える状態じゃあらへんのや」


ああ、俺がこの世界に来る前のあの火災か……本当に野菜狂信者は余計な事しかしないな。


次に遭遇した時はお好み焼きでもおみまいしようかと思っていたが、肉たっぷりのミートパイに変更しよう。


だが俺は市販品のパイ生地しか使った事がないし、そこは可愛い妹に頼むしかない。


「ついでに食材ならマリアに、パイ生地は苺心に頼んで用意しときますよ」


「おおきに!ほな夕飯までじっくりと飲もうや」


……後でマリアに恨まれそうだが断る訳にはいかんよなぁ。


せめて二日酔いにならない様にせねば。




「この独特な匂いのする肉が美味いやんか!」


「これが羊の肉……美味しい」


そうだろう、羊は美味いんだ。


でもなぁ……


「マリア、酒を断らなかった俺が悪かった、だからグリーンピースは勘弁してくれ!」


炊きたてのご飯に塩茹でしただけのグリーンピースってイヂメか!?


ってかこれはグリーンピースが好きでもキツいと思うぞ!


なのに酒を勧めたレクタさんがお咎めなしなのは納得できん!


「駄目、罪には罰、禁酒を破ったら嫌いな食べ物、これはウメオ自身が決めた事」


「せやな」


「お兄ちゃんが悪いんだから諦めて」


「パパ、何か悪い事したの?」


「スミマセン師匠……私にはどうしようもありません」


チクショウ、俺に味方が居ねぇ……確かにそう決めたのは他ならぬ俺自身だが。


せめてグリーンピース以外に副菜を付けてくれ。


「グリーンピース以外だと納豆しか出せないけどいいの?」


「……グリーンピースだけでいいです」


仕方ない……すぐにでも逃げたい所だが納豆を食うよりはマシだ。


桃花の奴、本当に余計な事をしやがって……次に会った時はベーコンと一緒に嫌いな食い物をおみまいしてやる。


とはいえ可愛い妹も今は教えてくれんだろうし……後日それとなく聞き出しておこう。


「それとおとんはお咎めなしなんやのうて、嫌いな食べ物がハマみたいな貝しかないからしゃあないんや」


「おいタープ、何でそないアッサリとバラすんや?」


ハマって確か蛤の事だったか……レクタさんは貝類が苦手なんだな。


まあ蛤に限らず貝は生だと当たり易いし、それがトラウマになる場合や命に関わる事もあるからな……そういう理由から無理強いも出来ん。


そういえばダニエルさんやジョニーさんはアサリやカキ、アワビなんかを生でガツガツ食ってたけど他のメンバーは手を出してなかったなぁ。


……いかんな、思い出したら貝をダニエルさん風にレモン果汁とチリソースかホースラディッシュで食いたくなってきた。


「お兄ちゃんの事だから貝を生で食べたいとか考えてるんだろうけど、先に目の前の夕飯を食べちゃってよね」


流石は可愛い妹……お見通しか。


でも嫌いなグリーンピースしかないんだから少しぐらい現実逃避させてくれ。

ちゃんちゃん焼きはピリ辛に作っても美味い

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