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57 旧友との再会・ラーメン添え

……よし、愛用しているコンロに聖剣(ブッチャーナイフ)、可愛い妹はペティナイフを持った。


料理用と土産用のベーコンとアンチョビもバッチリだ。


コンロの掃除は昨日の内に済ませたしあの鹿の皮で作った上着も着た。


これで後は迎えを待つだけだな。


「そういえば会場ってどんな所なんだろ?」


「確か4(にん)の女神の世界の内3(にん)の世界を順番に回るとか言ってたからな……今回はハイドラ様の世界だと言っていた」


セバスさんから聞いた話じゃ9割が海な世界らしいからな……魚や海藻は美味そうだが肉には期待が出来ん。


まあベーコン以外の食材は予めトゥール様に頼んであるから問題はないが。


ハイドラ様には間接的にとはいえ以前迷惑を掛けてるし、精々美味く焼かせて貰おう。


「そういえばあのグリルバナナ、私が作った方がいい?」


「あれも甘味だから頼みたい所ではあるが、あの猿に食わせる分だけは俺が焼く……仕上げのジャムだけは任せるしかないが」


「お兄ちゃんって負けず嫌いな所があるよね、相手は猿なのに」


自覚はしているが改める気はないぞ。


特にバーベキューに関しては絶対に譲れん物がある。


「お、揃っとるな……ほなこのゲートに入ってや」


来たか……よし、行こう。


待ってろよ猿……あ、そういやあの猿の名前は何だったかな?


いかんな、ポムスフレが衝撃的過ぎて覚えてなかった。





ほんの一瞬だけ軽い目眩が来たが、どうやら移動は出来たらしい。


周囲を見渡せば一面が海で中央にテーブル……あれが茶会の会場か。


「やっと来ましたか、苺心ちゃん」


「ウギ!」


「あ、モモちゃん……それにこの前の猿」


「ライコちゃん、遊ぼー!」


「ウギッ!」


まさかの可愛い娘が覚えていたとは思わなかったがあの猿の名前はライコか、よしちゃんと覚えたぞ。


さて、準備に掛かる前にあいつは……居た。


あの頃の面影が一切ない細マッチョだが、この場に成人した男は3人だけ……しかも1人は桃花の側で同じ指輪と来たら夫婦で間違いないだろう。


なら必然的にコイツしか居ない。


「……久しぶりだな、嬉野(うれしの)勇一(ゆういち)


「まさか異世界で再会するとは思わなかったが、元気そうじゃねぇか……鈴井(すずい)梅夫(うめお)


再会の際には色々と言いたい事があった筈なんだが上手く言葉に出せん……


だが、最初に言うべき事は決まっている。


「「……あの時は済まなかった!」」


って言葉を被せんじゃねぇ!





「父ちゃん、この人はだぁれ?」


「ああ、俺のダチだよ……ちょっと話があるからミラかジェネかアトラの近くで遊んでな」


「はぁい!」


こいつ既に子供も居るのかよ……いや、俺にも居るけど。


って然り気無く3人の名前を呼んでたがそんなに嫁が居やがったのか!


「ウメオ、準備しなくてええんか?」


「ウメオ、コンロに炭は詰めた……後はウメオの準備だけ」


おっと、もう終わったのか。


「お前、エルフの嫁が2人も居やがるのか?」


「そういうお前も嫁が3人も居やがるみたいじゃねぇか」


「……積もる話はあるが、まずは料理から片付けるか」


「……そうするか」


しかし結婚して解ったが1人の相手でも大変なのに3人とはなぁ……


別に羨ましいとは思わんが。


昔なら確実に嫉妬の怨念をぶつけてたけどな。


「おっとそうだ、俺はローストビーフとガーリックライスを作るんだが」


「奇遇だな、俺はニンニクを効かせたパエリヤとステーキを焼く予定なんだ……焼き加減に希望はあるか?」


「ミディアムレア5人分、それとレアが1人分で頼む」


さて、桃花の方は可愛い妹に聞いて貰う様に頼んであるから……


「トゥール様、焼き加減はどうします?」


「あー、ウチとハイドラがミディアムで……後2神はミディアムレアを頼むわ」





えっと合計はレア2、ミディアムレア16、ミディアム8と……多いな。


そしてこの人数でありながら1人もウェルダンが居ないのは驚きだ。


まあいい、早速始めるか。


人数分のステーキ肉をフォークで乱雑に刺して、筋を聖剣(ブッチャーナイフ)で叩き、塩コショウとガーリックパウダーで味付けして、炙ったベーコンを巻いて焼く。


これは前にも作ったトルネードステーキ……俺が一番美味いと自信が持てる料理だ。


今回は採算度外視で構わないそうだがあえてランプ肉を使っている。


理由はやっぱりこの部位が一番美味いと思うからだ。


そしてパエリヤは以前作った物とほぼ同じだが、米は長粒種でパプリカパウダーではなくサフランで色を着けてニンニクを多目に使って作る。


何より酒はコメ酒ではなく白ワインを使う。


しかしこの……何たらオー・ブリオンとかいう白ワインは良い香りがするな。


日本語や英語ならスラスラ読めるがこれ多分フランス語かスペイン語辺りだな……殆ど読めん。


昔、親父からくすねた何たらディケムとかいう酒も香りだけは良かった様な気がするが……きっとあれより高いんだろうなぁ。


まあ子供の給食費すら中々払おうとしないドケチなクソ親父が飲む様な安酒とトゥール様が用意したこの白ワインを比べるのは失礼という物だろう。


余った分は後でコッソリと飲んでみるか。





後は焼き上がりを待つのみだがまずはあの猿から出すのか。


作ったのは唐揚げにフルーツポンチ……それと何の魚かは解らんが刺身も付いていやがった。


「この果物がシュワシュワしてて面白い!」


マジか、これ炭酸が入っていやがる。


あの世界にも炭酸水があればあのエールとかいう酒に混ぜて擬似的なビールに出来るんだが……


「何やこの揚げ物かいな?メッチャ美味いやんか」


「オサシミもシャリシャリしてて美味しいです!」


そういやタープ達には日本風の唐揚げを食わせた事はなかったな。


唐揚げも肉汁がジュワッと溢れるし刺身は冷凍してあるルイベって奴か?


身がイチゴミルクみたいな色だから解らなかったが、味はサーモンだわ。


世界が変われば魚の身の色も変わるか……覚えておこう。


「これ本当にあの猿が作ったの?普通に美味しいんだけど」


「あの子はあたしの弟子ですからね、疑いたくなる気持ちは解りますけど事実です」


いつの間に来た桃花……別に構わんが。


「あの猿はポムスフレなんて作っちまうぐらいだ、腕に間違いはないだろ」


「……ああ!そうです、あの球体のジャガイモはポムスフレって名前です!やっと思い出せました」


忘れてたのか……そりゃ手間も時間も掛かるから滅多に作る物でもないし仕方ないが。


「いやぁ助かりましたよ、これまであたしはポテチ玉、デストさんもイモ玉とか呼んでいましたがようやく正式名称を思い出しました」


あいつも知らなかったのか……まあ肉屋だし野菜は専門外だろうな。


「さて、次はあたしが料理を出す番なのでまた後ほど」


って事はあの猿から時計回りで……俺は最後か。


なら炭の火力を落としておかねばならんな。





「久しぶりに食べた、っていうかラーメンなんていつ振りだろ?」


「俺達は基本的に自炊、外で食う時は大抵バーベキューだったからなぁ……」


あのブラック企業に勤めてた時は昼飯を抜くか弁当を持参するか、近くのラーメン屋ぐらいしか選択肢がなかったが。


多分だが可愛い妹の場合は空手の大会に出場して、その帰りに奢って貰ったのが最後だろう。


しかしこの鶏ガラから取ったんだろうスープは美味いな。


「このアイスクリーム言うんも美味いやんか……甘いけど果物の味もしっかり感じるで」


やはり桃花もスイーツを出したか……そういやあいつスイーツは何を作るつもりだ?


というかラーメンにアイスクリームって……まあラーメン屋でも夏場にアイスクリームを売る店があるとか聞いた事があるし、珍しくはないか。

本日もう2本投稿(予定)

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