表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/140

42 鹿挽肉のロールキャベツ・キュウリの塩揉み添え

「ウメオさん、このベーコンとかいうお肉はどんな動物から取れるんですか?」


等とヒュドラさんに聞かれて……まあ先輩の奥さんとあって無下には出来んから作り方を教えてやった。


といってもヒュドラさんは直火の丸焼き以外の料理は出来ないらしいからセバスさんにだけだが。


今回は無理を言って来て貰ったのもあるし、別れ際には塊を差し上げておこう。


「成程、こうやって保存を可能にしながら美味しくすると……」


「香辛料はあった方が美味いけど塩だけでも充分な味に仕上がる、出来上がったベーコンの調理は桃花……キュアが知ってるだろ」


「では戻り次第作って聞いてみる事にしましょう」


面倒な所を桃花に丸投げした気分ではあるが、話を聞く限り空手と料理の腕が凄いらしいからな……


俺はバーベキュー以外は大した事がないし、どうせなら美味い料理にした方がベーコンも報われるだろ。


「はーい、隙だらけですよ」


「ちょがふっ!」


おっと、可愛い妹とヒュドラさんの組手も終わった様だな。


タープが回復魔法を使っているし、怪我はないだろ。


「キュアさんに鋼を使わせる辺り実力は高いみたいですけど……やっぱり詰めの甘さが目立ちますね」


「うう……モモちゃんの拳は電気が流れたり鉄みたいに硬くなったりしてたけど、ヒュドラさんの拳も氷や岩を纏ってるのは何でなの?」


実際に見てないからよく解らんのだが……桃花の転生した世界ってそれが必須技能だったりするんだろうか?


どんだけ危険な世界に転生したんだ?





「さて、明日はコンロの掃除をしなくてはならんから飯は苺心に頼むとして……晩飯はどうするかな?」


「あ、お兄ちゃん……レクタさんが鹿を仕留めたらしいからそれを使って欲しいって、血抜きは済んでるみたいだよ」


お、久しぶりの鹿肉か……って前足とスネ肉しかない様だな。


まあお裾分けなり何なりでそれしか残らなかったんだろう。


この辺の部位は固いからミンサーで挽いてやるとして……何を作るか。


「ねぇお兄ちゃん、私ロールキャベツが食べたいな」


「トマトとキャベツはあるから作れなくはない、か……よし晩飯は決まった」


さて、用意するのは鹿の挽肉とキャベツにトマトとタマネギ、そしてブタのベーコン。


挽肉は1つかみ分だけ残してしっかりと捏ねたら俵型に形成してベーコンで包み、芯を切り取って湯通ししたキャベツでくるんだらベーコンを巻いて、と。


鹿は脂肪が少ないからベーコンでそれを補いつつ、仕上げはキャベツが剥がれない様にする為だ……中にチーズを埋めてもいいが今は切らせているから諦めよう。


冷凍食品ならかんぴょうで縛って固定する所だろうが、ベーコンでやった方が美味い。


それにロールキャベツを縛るかんぴょうは硬くて噛みきれない事があるし、柔らかくなるまで煮込んだら肝心のロールキャベツがグズグズに崩れる。


日本に居た頃も冷凍のロールキャベツを料理する時は解凍した後にかんぴょうを取ってベーコンを巻いていた、こうした方が美味いからオススメだ。


そしたら毎度お馴染み片側寄せのコンロにフライパンを用意して、と。


みじん切りにしたタマネギと1つかみの挽肉をバターで炒めて、種と皮を取り除いたトマトを潰しながら煮詰めて……よし。


塩コショウとガーリックパウダー、1たらしの醤油で味付けしたらロールキャベツを入れて直火から離してコンロに蓋をして……後は時々様子を見ながらトマトソースを上から掛けてやればいい。


それともう1品は欲しいがどうした物か……


「パパー、タープママと一緒にジャガイモとったよー!」


「お、豊作じゃないか」


「なぁウメオ、あのジャガバターいうのまた作ってくれへん?イモ掘ってたら無性に食いたなったんや」


ああ、タープと始めて会った時に作ったアレか。


バターなら可愛い妹がケンタン領に配る為にと作ってるからタップリあるし、作るか。


後はコッペパンを大量に用意したから晩飯はこれでいいな。


「ウメオ、カアチャからキュウリを貰った」


ああ、トゥール様に種を頼んでそのままオヤッサンに栽培を頼んだキュウリか……可愛い妹の説明でここまで見事に育てるとは凄いな。


スーパーなんかに並ぶのより少し太いが味に問題はないだろ。


野菜スティックにして味噌かマヨネーズを付けて食ってもいいが、今回は薄切りを塩で揉んで食おう。


しかし久しぶりにキュウリを見たせいか無性に漬物が食いたくなってきたな……それも糠床に2~3日は漬けた奴を。


尊敬するピットマスターも「日本のザワークラフトはキュウリで作っても美味いな」って言っていたし、俺も嫌いじゃない。


可愛い妹は半日程度の浅漬けが好みだが俺は古漬けが好きだ。


うん、次にカーニズ領へ行ったら糠を手に入れよう。


因みに尊敬するピットマスターは糠漬けはおろか、ピクルス以外の漬物全般をザワークラフトと呼んでいた。





「バターのジャガイモが美味しい!」


「久しぶりのロールキャベツが美味しい!」


うん、冷凍のロールキャベツを使った時よりいい笑顔で食っているな。


本当に今更だが何で俺の作る料理はバーベキューでないと美味くならないんだろうか?


「ほぉ、塩で揉んだだけのキュウリが美味いやないか」


「肉の合間に食べると口がさっぱりして、幾らでも食べられそう」


ただでさえ大食らいなのにこれ以上食われたら作るのが間に合わなくなるんだがそれは……


同じく口をさっぱりさせる効果がある漬物を作るのは少し考えた方がいいだろうか?


まあいざとなれば俺と可愛い妹で抱えてしまえばいいか。


「あなた、このジャガバターって料理ならあの世界でも作れないかしら?」


「確かにこれなら焼かずに蒸しても作れそうだ、戻り次第試してみよう」


どうやら桃花の居る世界にはジャガイモがあるらしい……


その内物々交換でも持ち掛けてみようかな?


「お兄ちゃん、パン炙って」


「はいはい、ああそれと明日はコンロの掃除をするから飯は頼んだぞ」


「はーい」


さて、片付けたら俺専用に明日飲むコーヒーの仕込みをしとかなきゃならんな。

糠漬けの手入れは面倒だけど、それに見合う美味さがある

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ