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35 試作の焼きガニ・新ルール添え

何故か夕飯は孤児院の子供達にシェラフまで一緒に食う事になり、合計で60匹ものクルエビをエビフライにする羽目になった。


内10匹はタープとマリア、キャリに可愛い妹のおかわり用だったけど。


キャリは孤児院の子供達とも仲良くなったし、エビフライを大いに気に入った様だからいいんだけどな。


だがさりげなく可愛い妹の隣に陣取った例の小僧……お前だけは当日こき使ってやるから覚悟しておけ。


何なら可愛い妹やマリアと一緒に屋台を手伝わせるのもアリだな。


それはさておき、問題はこのカニをどう料理してやるべきか。


前提としてカニとどぶろくを使わなくてはならん上に後2種類の調味料が必要になる。


だがカニ自体が甘く、このどぶろくも甘酸っぱい……組み合わせとしてどうかと思ったが意外と悪くない所かこれだけで既に美味かった、だが下手な味付けじゃこのバランスが崩れてしまう。


考えるだけじゃ解らんか、バーベキューに限らず料理ってのは試行錯誤の積み重ねが重要だからな。


ひとまず色んな調味料とどぶろくを塗りながら焼いたカニを味見してみよう。


だが俺1人じゃ不安だからタープにも手伝って貰うぞ、タープの味覚はとても信頼が出来るからな。





塩はアリだな、カニの甘味を引き立てる隠し味としても使える。


醤油は……駄目か、カニはともかくどぶろくの風味が死んだ。


酢……これもカニはともかくどぶろくに合わん、論外だな。


味噌……個人的にアリだと思ったがタープが微妙な反応をしているから保留にする。


塩は確定でいいだろうが後1つが決まらん……


砂糖やハチミツはどぶろくだけを飲む時に使うならアリだが、肝心のカニに合わないから論外だ。


「ウメオの使っとる香辛料ってのはアカンの?」


「この街で買った訳じゃないからな、まあ材料があれば作る事は可能だが…………ってそれだぁ!」


何で気付かなかったんだ俺は!


日本ではカニを食う時、必ず身体を暖める食材と共に料理する。


理由は簡単、カニは身体を冷やしてしまうからだ。


となればこの街でも買える食材かつ身体を暖める効果がある……ショウガを香辛料(ジンジャーパウダー)にして、塩と一緒に使えば!


「あっま!これもうデザートやんか!」


ショウガの刺激すら甘味を引き立ててしまうとは……このカニは恐ろしいポテンシャルを秘めていやがる。


更にどぶろくは甘酒の様な味になってしまったぞ。


しかもただ焼いただけでこれだからな。


後はどう料理するかを決めないとならんがどうした物か。


「た、大変だよお兄ちゃん!」


「どうした苺心、もう売り切れたのか?」


「違う、これを……あ、タープが読んで」


あ、この世界の文字で新しい告知があったんだな……


お手数をお掛けします。


「ふむふむ、【料理はこの街の住民が行う事】、【仕入れと料理で最低でも2人は参加する事】……って何やそれ!?」


あの野郎、俺達が来たのを知ってルールを付け足しやがったな。


一応シェラフも料理は出来なくはないが……


「子供達ではあの狂暴なカニを捕まえる事は出来ません、必然的に自分が仕入れをしなければ……」


幸いここは孤児院だから人手だけならある。


ただ、何故か知らんがシェラフ以外は子供しか存在しない……カニ漁は危険という話は良く聞くし、料理はまだしも漁だけはシェラフにしか出来ない。


ってかあのカニは狂暴なのか……まあ日本で見たのよりデカいからな、捕まえるのは大変だろうとは思っていたが。


「こうなると、子供にも出来る料理を考えるしかない」


カニとどぶろくを使って子供にも作れる料理……


いや、何を作らせろってんだ?


……待てよ?


そういや俺が尊敬しているピットマスターは冬に日本酒を飲む時は決まってカニの甲羅を杯代わりにして飲んでいたっけ。


日本に来てから魚介類の美味さに気付いたとか言って、特にカニは冬の間10日に一度は食べていたのは覚えている。


その時に作っていた料理は俺もよく手伝っていたが……


「そこの坊主、名前は?」


「え……ロジーだけど?」


可愛い妹に求婚した小僧の名前はロジーか、覚えておくぞ。


将来は義弟になる可能性もあるし。


「クラブ祭りまで後3日、それまでお前に1つの料理を覚えて貰う……安心しろ、やり方さえ解ればタープでも作れるぐらい簡単だ」


「ウチでも作れるぐらいってどーゆー意味や!」


だってタープは料理が全く出来ないだろ……


焼肉をした時にも見たがやたらと危なっかしい手つきで怖かったんだぞ。


下手したら自分の腕まで焼いてしまいそうだったから、結局俺が焼いてやったぐらいだ。


「シェラフは今からクラブを捕まえて来てくれ、最初に見たこのコンロにピッタリ収まるぐらいの奴で頼む」


「わ、解りました」


「マリアは鉄屑を頼む、いつかのドラム缶1つ分は欲しい」


「解った」


「苺心とタープはどぶろくを作ってくれ、最低でもドラム缶一杯分は確実に欲しい」


「そんなに使うんか!?」


「作れって言うなら作るけどね……タープさんが」


「ちょっ、待ってえな!?」


これで良し、後は材料待ちだな。


その間に教えられる所は教えておくか。




「いいか、この料理に必要なのはあのクラブを持ち上げる為の筋肉と、殻を剥がすコツを掴む事だ」


「は、はい!」

カニは生きてる内に料理しないと臭みが出る

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