32 バーベキュー式串焼き・石焼き芋添え
ptやブクマをありがとうございます
再びロリババアから大量のチーズと米……それにマットさんからサツマイモを貰ってケンタン領に戻って来た。
ついでにペスカタじゃ買えなくなってしまった酒もたっぷり買っておいたぜ。
ほぼコメ酒だけど。
因みにあの野菜狂信者はマットさんにお任せして、何か情報を吐いたら手紙を出すと言ってくれた。
「おー、復興は無事に終わっとるやんか!」
あの丸焼けの状態からおよそ3ヶ月で見違えたなぁ。
緑色の水晶とかいう便利アイテムがあったからこその速度ではあるが、携わった皆の逞しさがあればこそだろう。
家やら何やらはまだ掛かりそうだが。
「おう兄ちゃん達、帰って来たんか!」
「ようオヤッサン、帰って来たぞ」
見たらジャガイモを植えた畑の世話をしてくれていたな……本当に助かる。
「丁度いい所やったなぁ、夕方から森の復興祝いの宴会をするんやけど……兄ちゃん、皆に肉やベーコンを焼いてくれへんか?」
「おう、任せておけ」
美味い肉を焼く、それがピットマスターの役目だからな。
とはいえ宴会ならステーキみたいに自分で切って食うのは避けた方がいいから……
「タープ、また鉄屑を集めておいてくれ……マリアは肉を、苺心とキャリは野菜を頼んだ」
「りょーかいや」
「解った」
「はーい!」
よし、準備をするか。
「鉄屑に肉と野菜……もしかして串焼き?」
「ああ、宴会ならピッタリだろ……それと苺心にはサツマイモでアレも作ってやるぞ」
「え、ホントに!」
可愛い妹が、アレが嫌いな女の子は居ないと豪語するぐらいには美味い物だからな。
かくいう俺も割と好きな物だからな、サツマイモがあるなら作りたい。
さて、鉄屑を串に金属加工しつつ持ちやすい様に、かつ火傷しない様に木のグリップを付けて、と。
この金串に肉やベーコン、くし形に切ったタマネギ、4等分に切ったジャガイモなんかを刺して炭火で焼く。
味付けは塩コショウのみの奴と醤油を塗った奴の2種類を用意した。
それと俺が個人で食べる為に、一口サイズに切ったニワのモモ肉、ムネ肉、皮を刺して塩だけで味付けした焼き鳥も作っておく。
こいつは酒によく合うからな。
そしてもう1つの魔鉄製コンロに炭火を起こして……網を挟んで大量の、なるべく丸くて角のない小石を入れておく。
そこに水洗いしてヒゲを取り除いたサツマイモをアルミホイルで包んで、小石の中に突っ込み埋めて暫く放置。
見れば食べるだろうからタープにマリア、キャリの分も入れておこう。
いわゆる石焼き芋って奴で専用のコンロで焼いた方が美味いのは確かだが、バーベキューで作るのも楽しく美味い物だ。
欠点があるとすれば焼けるまで時間が掛かり過ぎるって所だが、魔鉄製コンロなら多少は短縮出来るんじゃないかと思い試してみる事にした。
出来上がった物は甘党の可愛い妹が美味しく頂くから問題はない。
それにキャリも甘い物が好きらしいからな……かといって砂糖やハチミツを直接口にするなら怒るが、サツマイモなら栄養もあるから沢山食べても問題ないだろう。
むしろキャリは年齢の割に痩せ過ぎだからもっと食った方がいい。
「醤油を塗って焼いた肉や野菜が美味いやんか」
「いや、塩のも中々やで」
「どっちも酒が進んでしまうやん」
「兄ちゃん、どんどん追加焼いたってな!」
「イチゴちゃんに馬乗りされたい」
「キャリちゃんの馬になりたい」
ふぅ……焼いては運び、金串を回収しては洗って刺して焼いてって忙しいな!
もっと余分に作っておくべきだったか、って鉄屑が足りなかったから仕方ない。
回収はタープとキャリが、串に刺すのはマリアと可愛い妹が手伝ってくれてはいるけど手が足りないぞ。
タープとマリアは串焼きを食いながら手伝っているけどな!
そして例の如く何かが湧いているがスルー……って可愛い妹のみならず、キャリにまで欲情してんじゃねぇ!?
余り使いたくはなかったが仕方ない……この唐辛子の塩漬けや酢漬けに塊のショウガやニンニクを薄切りのベーコンで巻いて、それを軽く焼いてっと。
ベーコンが少しだけ焦げるに留めれば唐辛子やショウガ、ニンニクは生だからな……強烈な刺激を味わうがいい。
「マリア、この串焼きはあそこの変態2人に出してくれ」
「解った」
まあ辛党には通用しない物だが、少なくとも可愛い妹を付け狙うあいつはパンプキンパイのオークションにも居たし甘い物が好きそうだから問題ないだろう。
うむ、2人の絶叫が響いてきたか……次があった時の為にもっと辛い物を探しておかねばならんな。
「このニワ肉だけ刺した串焼きも美味いわぁ」
「美味ひー!」
こらタープ、それは俺の焼き鳥だってマリアとキャリまで食ってやがる!
くっ……可愛い娘の美味そうに食う顔を見たら取り上げるなんて出来ん!
仕方ない、焼き鳥はまた後日に作ろう。
さて、宴会が終わった所で本番だ。
金串を幾つか使ってトングに金属加工して、熱した小石に埋めたサツマイモを取り出す。
後はアルミホイルを剥がしてやれば……よし、いい焼き加減だ。
「出来たぞー」
「久しぶりの焼き芋だ!」
「何やこれ、火にくべた石に埋めてただけでメッチャ甘くなっとるやんか!」
「これは最早デザート、甘くて美味しい」
「パパ、これもっと食べたい!」
サツマイモの甘味を最大限に引き出すにはゆっくり、じっくりと時間を掛けて熱を通す事だ。
そうするとサツマイモに含まれるデンプンが糖に変わると言うが……美味ければ何でもいい。
しかしこのサツマイモ、丸ごとじゃ解らなかったが中は紫色じゃねぇか。
確か日本にも紫芋とかいうのがあったっけ……一時期ブームにもなったらしいが実物を見た事はないんだよなぁ。
「苺心なら紫芋の事が解るか?」
「確か普通のサツマイモよりビタミンが豊富で、甘味が強いみたいだよ……主にお菓子の材料に使われたり、甘いスープに使われるんだって」
サツマイモで甘いスープか……この甘味から察するにデンプンも豊富だろうから、恐らくポタージュ系だろう。
でも美味そうではあるから今度作ってみるか。
「パパ、このおいもがお菓子になるの?」
「どうやらなるらしいぞ」
「この甘いイモで作るお菓子……メッチャ気になるわ」
「確かに、それに美味しければ売れる可能性がある……このイモは1つで2バランだから仕入れ値は安く済むし」
うん、全員の視線が一斉に可愛い妹へと向かったな。
俺はお菓子に関しては全くの素人だから精々パンケーキぐらいしか作れんし、お菓子やスイーツなら苺心というのは全員の共通認識だ。
「……仕方ないか、お菓子に必要だから砂糖とハチミツを沢山用意しておいて」
「解った」
久しぶりに可愛い妹が腕を振るう時が来たか……
今回はキャリの為でもあるからな、俺はサポートに回ってやるぞ。
石焼き芋専用の石は売ってるけど、河川敷で集めた石で焼くのが楽しい




