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26 ケバブ風クレープ・ハンバーガー添え

滞在9日目……マレスが可愛い妹と一緒にパンプキンパイを作ったお陰か落札価格は960バランだった。


遂に3倍まで到達しちゃったよ……


「マレスちゃん、そっちの持って来て」


「う、うん!」


何だかんだで仲良くなったみたいで良かった。


ついでに夕飯作りも任せてみたが何が出来るやら。


「ウメオは何を作っとるん?」


「ダッチオーブン……あー、料理の為の調理器具だ」


これがあれば料理の幅も広くなるし、可愛い妹の作るシカゴピザサイズのパイの調理時間も短縮出来るからな……報酬のハチミツを探しながらまた鉄板を回収しておいた。


これで作った焼きたてのパンは美味いし、特にバンズがいい仕上がりになるからハンバーガーを作るのもいいな。


サンドイッチとは違うがハンバーガーだって美味いし、以前作った肉バーガーも食べやすくなる。





「はい、夕飯は欲張りケバブ風クレープ!」


「おー、肉や魚にベーコンが串に刺さって焼かれとるなぁ」


「でも何より、山盛りの生野菜が気になる……」


その野菜は多分可愛い妹が食う為の物だから気にするな。


俺はタマネギをたっぷり貰うがタープとマリアは……ほぼベーコンばっかりじゃねぇか。


「で、これはどないして食えばええんや?」


「このクレープ生地に赤いソースかマヨネーズを塗って野菜、肉、魚……好みで包んで食えばいい」


赤いソースはケチャップらしいからタープとマリアも美味しく食えるだろう。


俺はどっちにするかな……


「あ、お兄ちゃん向けに唐辛子のジャムも作っておいたよ」


「流石だな、ありがとう」


ならば当然唐辛子ジャムをたっぷり塗って……ベーコンとタマネギ、肉を包んで、と。


ふむ、このベーコンはウシバラだし串焼きにしたのもウシの肉か……しかも串焼きなのにミディアムに仕上がってる。


ケバブが食べられている国は宗教上の理由で豚が食えないからな……異世界でまでそれを厳守する必要は全くないが先人へのリスペクトは大事だ。


「ブタ肉を使わなかったのは流石だな……美味い」


「だってブタ肉を使ったらケバブにならないし、脂が多いから」


まあ可愛い妹の事だ、脂が本音だろうけどな。


その割にベーコンも用意しているのが引っ掛かるけど。


さて次は唐辛子ジャムにタマネギとベーコン、クルエビを包んで……やはり美味いな。


意外だったがクルエビの甘味が唐辛子ジャムで引き立ってる……スイカに塩を掛ける様な効果が出てるな。


「あの、師匠が使っているそのソースって美味しいんですか?」


「ウチも気になるわぁ」


「私も同じく」


え……これ唐辛子、ハラペのジャムだぞ?


タープとマリアは平気かもしれんがマレスにはキツいんじゃなかろうか?


まあ、今後の為に確かめた方がいいか。


「ほんの少しだけクルエビに付けて食ってみろ、それで解る」





結論、マリアは平気だったが他2人が駄目だった。


前にタープは子供舌なんじゃないかと疑った事があったけど……まさにその通りだったわ。


苦いのは平気なのに辛いのは駄目なんだな……まあ、辛味は痛覚でもあるから駄目な奴はとことん駄目だな。


「ほれ、このレモンミルクをゆっくりと飲め」


「「ふぁい!」」


唐辛子の辛味で舌をやられた時は氷が一番手っ取り早いんだが、乳製品とレモン果汁でも何とかなる。


多少時間は掛かるが。


「それにしてもよくレモンミルクなんて作っておいてたな?」


「タープさんなら絶対興味を持って食べると思ったからね……まさかマレスちゃんまで食べるとは思わなかったけど」


うん、そうだな……可愛い妹が俺より俺の嫁の事を理解していたわ。


「マリアは大丈夫なのか?前にカーニズ領へ行った時は辛い物が全くなかったが」


「平気、カーニズ領にはこれより辛い物が沢山ある……私の住んでたあの街にないのは族長の方針」


それは非常に興味深いな……次に行った時は色々と探してみるか。


というか本当に辛いのが駄目なんだなあのロリババア……


あのレシピ本の料理は大半が辛いんだが、作るのは止めといた方が良さそうだな。





翌日……滞在は今日までで明日には出発せねばならん。


屋台を出す前にと温泉に入っていたら見覚えのあるオッサンが……


「おおウメオやないか、久しぶりやなぁ」


「お、お義父さん!」


スゲェ……何て見事な6パックなんだ。


俺は最近になって朝に筋トレをする様になったが未だに4パック……まだまだ遠いな。


ってかこの世界の男達のマッチョ率がやけに高くないか?


「何やムズムズするからレクタでええわ、そういやウメオのベーコンっちゅーもんを食わせて貰うたが中々イケるやないか」


「あ、ども……」


既に食っていたのか……後で塊を渡しておこう。


タープの話じゃレクタさんも料理が出来るそうだし。


「……ワイのカミさんはタープが15の時に亡くなってもうてなぁ、再婚する気はせんかったからって男手一つでよー素直に育ってくれたもんや」


道理で話題にも上がらないと思ったら……そういう事か。


ちょっと素直過ぎる気がしなくもないがそこは触れまい。


「ワイは親父としてはロクデナシ言われてもしゃーないんやが、最大限に愛情を注いで来たつもりや……せやからウメオ、これからその役目はおんしに託すわ」


「……引き受けた」


レクタさんがロクデナシだとしたら俺の両親は外道を越えた何かになっちまうんだが……


うん、あのロクデナシ共を反面教師に俺なりの愛情を注いで行こう。


どうせ会わせる機会は永遠に訪れんからな。





夕方……遂に1006バランとかいう高値を出したパンプキンパイのお陰で最低限の家具は何とかなりそうとの事だ。


遂に3桁まで行ってしまったか……


そんな訳で夕飯だが、今日はハンバーガーにする。


作ったばかりのダッチオーブンで焼いたバンズは良い出来だったし、マレスに肉と魚と野菜を同時に使った料理を見せると言ってしまったからな。


なお、今回はレクタさんも一緒に食う。


「何でおとんも一緒なん?」


「たまたま見掛けて誘われたんや」


まずは……バンズは半分にカットして上側にマヨネーズを塗って、焼きたての普通のハンバーグ、輪切りのタマネギ、薄切りして炙ったベーコン、クルエビのエビフライを挟む。


次は下からレタス、別口で作ったハンバーグ、タマネギとレンコンのピクルスのみじん切り、トマトの輪切りと可愛い妹が作ったケチャップを挟む。


最後は薄切りベーコン、イワシハンバーグ、ベーコン、普通のハンバーグ、厚切りベーコン、レンコンのピクルス、マヨネーズを挟む。


まあ最後のはタープとマリア用だがな。


後は可愛い妹向けにレタス、タマネギ、トマト、試しに作ってみた塩控えめのアンチョビを挟んでおく。


よし、食うか。


「あ、食うのは右から順番にしてくれ」


「クルエビとハンバーグがベーコンと合うやん、このホカホカのパンも美味いわぁ」


「肉と魚と野菜を同時に頬張れる贅沢感……美味しい」


本当にタープはベーコンが基準になってしまったなぁ……いや、そうさせてしまったのは他でもない俺なんだが。


因みに可愛い妹の分はハンバーグを挟まずエビフライと野菜だけになっている。


「この2つ目のハンバーグ……肉と魚が混ざってますね!」


「気付いたか、それはブタ肉とイワシのミンチを捏ねたハンバーグだ」


マレスには既にハンバーグの作り方は教えてあるし、このハンバーグを最後にマジで教えられる事がなくなったから卒業祝い代わりにミンサーとコンロを作ってやったし、すぐに再現出来るだろう。


手入れのやり方もしっかりレクチャーしたから何事もなければ10年は持つ筈だ。


「やっぱしベーコンがたっぷりの3つ目が一番美味いわ!」


「同意、これはもう1つ食べたい」


「スマンがワイも同じの、もう1つ頼むわ」


いや、食うのは構わんけど……


帰ったらまたベーコンを大量に仕込まんとすぐになくなりそうだな。


一応教会の地下にあった倉庫になら在庫があるけど、あれは全部売る為のベーコン及びあの村の緊急時の食料だ。


復興はもうすぐ終わりそうだけど……また暫くはベーコン作りだな。






「しかしアレやな、可愛い娘が幸せになったんなら次は孫が見たいわ」


「……努力はしてます、はい」

唐辛子ジャムはオススメの調味料

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