第1章 難聴と学園と 【2】
説明回です。
俺はイケメン先輩に言われ言葉の意味を考えていた
『そろそろある学園の入試受けてみるといいよ。きっと君にとっていいことがある』
正直俺の能力を考えると学園に入学できる気がしない…
そもそも能力と学園とは?
まず能力というのはこの世界の全ての種族、人種が持っている特殊な力のことである。体に宿る『心力』と呼ばれるエネルギーを使いその力を発動させる。能力には4つの系統があると言われている。どの能力になるかはランダムで両親が同じ系統の能力だったとしてもその子供が同じ系統の能力であるとは限らない。
身体系:体の一部を変化させたり、強化させる能力。一番多い系統。
操作系:ものを操作する能力。操るものの幅が広い。
魔導系:俗に言う魔法的な能力。属性は火、水、風、土、光、影の6属性で焔、氷、雷、大地、聖、闇に変化する場合もある。基本は1属性しか持てず、1000万人に1人くらい2属性持ちがいる。また基本6属性以外に無属性と呼ばれる属性もある。
根源系:ものを司る能力。司るものに関してなら大体なんでもできる。ごく一部の人間のみが持っている能力。
そして能力には『階梯』いわゆるレベルが存在する。階梯が上がると身体能力の向上されたり、能力が強化されたりする。
階梯1:普通の人間と大差ない強さ。半分くらいの一般人がこの階梯に位置する。
階梯2:普通の人間に比べて少し強いくらい。3割の一般人はこの階梯に位置する。
階梯3:階梯1の2倍くらいの強さ。2割の一般人はこの階梯に位置する。そしてこの階梯に至ると『仮装』を展開できるようになる。
階梯4:何の訓練も受けないで上がれる限界の階梯。この階梯に位置する一般人はごく少数。
階梯5:階梯を上げていく上で第1の壁とされる。この階梯に至ると前の階梯とは比べ物にならないほど強化される。
階梯6:階梯5に至ることができれば比較的早く上がれるとされる階梯。階梯5に比べると強さ的にはあまり変化はない。
階梯7:第2の壁とされる階梯。この階梯に至ると能力の大元の性質が変化する場合がある。また『心装』を展開できるようになる。この階梯に至ることができれば国から二つ名が与えられる。
階梯8:この階梯は階梯7に至ることができれば比較的早く上がれるとされる階梯。強さの変化はあまりない。
階梯9:この階梯は階梯7を越えた人でもなかなか到達できないとされる階梯。階梯8に比べて圧倒的に強さは上がる。
階梯10:能力の全てを限界まで使用することのできるようになる階梯。この階梯に到達した者は国から特級戦力として扱われる。今までで到達でき者は30人にも満たないとされる。
ちなみに俺は階梯1だ…やっぱり学園になんか入れない気がしてきた…
次に学園とはそれぞれの持つ能力を育成し、社会に役立てるのが目的の教育機関だ。5年制で卒業後の進路としては能力を生かして狩人になる人がほとんどだ。まあどこに就職してもとても優遇されるのだが…
そしてこの学園の有名な点といえば『実力主義』というところだろう。実力さえあれば何でもしていい訳ではないが他と比べると圧倒的に出来る事の幅が広がる。その実力主義の目玉と言っていいのはやはり『生徒会』だろう。生徒会の役員は実力で決まる。よって生徒会長は学園最強となるのだ。実際今の生徒会長は1年生にしてすでに会長の座を手にしていただとか…
生徒のレベルが高いためそれに比例して教師のレベルもすごく高い。今年第5学年を教えた教師は3人中2人がこの世界に30人もいないとされる階梯10で残りの1人が2属性持ちの階梯9らしい。正直やばいと思う。世界で一番安全な所なんじゃないですかねぇ…
そんな学園なため入試も当然難しく、倍率も気が狂うほど高い。そんな学園に俺が通えるわけない。まだ小さい時に学園に入って1流の狩人になるなんて馬鹿げた夢もあったっけなあ…
学園に入学するなんてありえないはずなのにイケメン先輩の言葉が何か引っかかる
(入試、受けるだけ受けてみようかな…)
俺がそんな事を考えているとふと何かにぶつかった。
「おい!ガキ!どこ見て歩いてんだ!あ゛ぁ?」
「えっ…?」
俺は気付いたら強面な男3人に囲まれていた
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