プロローグ ―「親友」の立ち位置と自覚した時―
大分前から簡単な設定だけ考えていました。
ストックが無い上にメインで進めたい話が別にある為、
こちらは極めて不定期の予定。
ラブ要素は無いと思いますが当てはまる物が思い付かない為、一応コメディとしています。
より当てはまる物があればそちらに変更予定。
俺…藍沢雅也が向井慎太郎と初めて出会ったのは、まだ小学校にあがる前のことだった。同じ団地の同じ階に住んでいて、お互いの両親が家族ぐるみの付き合いを始めたことがきっかけで知り合い、それからほとんど一緒に遊んでいた。
しょっちゅう動き回ってる慎太郎に対し、俺は当時からのんびりと過ごすのが好きだったので、「おじいちゃんみたい」と笑われたことが何回かある。
思えばその頃から、アイツの周りには女子が集まってきていた気がする。
幼稚園で怪我した女の子と一緒にいてあげたのを機に仲良くなったり、団地内で迷子になってる女の子を見つけて、手をつないで部屋を探してあげたり。ああ、その女子達とは今も仲良くしてる。
小、中学校でも、転校してきた女の子が空いてる慎太郎の隣の席に座って仲良くなったと思ったら、その子が外国に行くことになって「また戻ってくるね」とか言われてたな。
あとはクラス委員長をしているメガネ女子と色々言い合ってたのに、気付いたら委員長の仕事を二人笑いながらやってたりもした。
おまけに俺の妹でもある沙亜羅も、色々と優しくしてもらってるからと慎太郎に興味を持っていた。
因みに今まで話したエピソードでは、俺も一緒にいた。
もっと言うと、慎太郎が助けてはいたが、その慎太郎は俺に色々相談することが多かった。たまに女子から慎太郎はどこにいるか聞かれることもあったな……。今となっては何とも言えない思い出だ。
そんな生活の中で、読んでいた漫画やたまたま見ていたアニメ、ゲームなんかで知ったことがある。
俺、学園ハーレムものの主人公の親友と同じ立ち位置じゃないか? と。
今までの経験から既に色々と面倒だったし、それがこれからも起きると思うと溜息しか出ない。
かといって慎太郎と縁を切るつもりは無いしな、実際アイツといて楽しいし。
明日から始まる俺の高校生活を守る為に、ゆっくりと、まったりと、平穏に過ごす為に、慎太郎の周りの女子達を上手く受け流して、静かに暮らしたい。
…本当はこんなことに意識を向けたくないんだけどなぁ、でもそうしないと俺も何だかんだで女子に絡まれるし。女子が嫌いとかじゃないよ? むしろ好きだよ? 男として。付き合えるなら付き合いたいし。将来一緒にお茶飲んで過ごしたい。…まだ早いか。
まあ、どうにかするしかないか。いや、大変そうだ…本当に…。
前書きの通り極めて不定期に書く予定なので、
たまに見かけたら「あ、更新されている」程度に読んでもらえれば幸い。