2/2

会いに来た男

　大通りは人で溢れていた。人混みが嫌いな　　　にとっては地獄だ。

周りを見渡してみると市　家

その時、騒ぎが起こった。こんな時でも野次馬精神を発揮してしまう自分が嫌になる。思わず、そちらに向かった。こんな時でも野次馬精神を発揮してしまう自分が嫌になる。そんな妄想をしながら

　それは彼のイメージ（願望）と７割ほど一致していた。そこには小さな女の子の手を

何してくれてんだ　　その言葉を向けられているのは少女だった。

その華奢な手をがっしりとしたおっさんがつかんでいた。

このくそガキが

周りの人たちは興味なさそうに見て

このアホがァーーーーーッ！

そう言い、殴り飛ばした。ーー女の子の方を。

少女は吹っ飛ばされて石造りの壁に体を叩きつけられた。

あまりのことに周りの人たちは呆然となる。

店主のおっさんまで唖然としていた。

頭を抱えて倒れている少女を無理やり立ち上がらせ

ああ....いい

お前は....

ーーその様子を少し離れたところから見ている男がいた。そのそばには

彼の子供だ、と言われれば納得するくらいに二人の年は離れていた。人の流れの中心で立ち止まっていた。

　そのため、もろに流れを阻害してしまい、通り過ぎる人達から露骨に迷惑そうな視線を送られていた。

　「ねぇ、どうしたの、急に立ち止まって。」

　「......」

心配そうに少女が言葉をかけるが彼に反応はない。

　「ちょっとー？」

　「......」

　「もしもーし」

　「......」

　「聞いてんのー？」

　「......ああ」

　ようやく男は少女の言葉に気づいたようだ。

男が見ていたはもう人混みに紛れて見えなくなっていた。

　「少し用事ができた。お前は戻って俺の帰りは遅くなると伝えてくれ」

　「今から？　急用？」

　「そうだ」

　「......分かった」

そう言い、二人は別れた。