爆発の後に
すぐ後ろで爆音が聞こえた。
うまいことに土埃が巻き上がり、何とか人影が見える。
この自然エリアは元は木々が多く隠れる場所があったが、木々は焼け落ち隠れる場所がない。早い話が詰んだ。
いや、まだ諦めるには早い。あの人影は爆発を受けた人の可能性がある。心眼は姿が見えていないと使えないアビリティらしく土埃が晴れたらすぐに心眼発動して判断するだけなのだが……
恐怖で足が震えている。漫画やアニメの様に勇敢に立ち向かえるのは有能な勇者か勇気ある愚者だけだ。普通の人は死ぬかもしれない恐怖で逃げ出したくなる。もし、あの人影を敵と判断出来たのなら、次の瞬間に全力で逃げる。
土埃が晴れ、人影の正体が現れる。
先程のエリアで見かけた美少女の一人だ。
心眼を発動しつつ、後退りながらいつでも逃げられるような体勢をとる。この時、視線は相手から離さなず、心眼の効果を確認する。
名前の隣にはイベントという文字が見える。
イベント?と少し戸惑っていると、遠く後方の木が爆発する。爆発の威力は大したことなく体が震える程度だ。
敵と判断し全力で相手に向かって走る。自分の後ろの木が爆発して動揺したわけではない。かなり遠くの木が爆発したって事はかなり攻撃範囲は広いはずだ。逃げ切るのは無理だろう。
大抵の魔法使いは力が弱いのが相場。そう考え彼女に全力で向かうと行く先々に足元の小石が小さく爆発を起こしている。物質を爆発させる魔法だろう。人体に発動しないのが救いだ。
近づいたところでポケットから硬貨をぶん投げる。なけなしの1000Cだ。この空間では1C、10C、100C、1000Cは硬貨で10000cから紙で出来ている。
そんな説明は置いておき相手はポケットから投げ出された小型の何かに意識を向け、それを防ぐ様に爆発を起こす。その間に小石を拾い、投げる。
組み伏せられるかと思ったが、彼女の周りに石が多く自爆されかねない。小石と言っても手のひらより小さいくらいだ。頭に当たるとかなり痛いはず。いやかなり痛い。尖っている部分があると流血は回避できない。
この世界だと怪我を治すには魔法に頼るしか……自動回復取得してた。あの程度の爆発じゃ即死はないだろうし、逃げるのが正解だった……?先の自分の判断ミスを悔やんだ。
悔いても仕方がないので石投げを止め、彼女に向かって走る。爆発によるダメージは回復力を上回っておらず、特攻できる。彼女の目の前に着き、組み伏せ……ることはできなかった、というよりも気絶していた。
この空間では魔法を使い過ぎると気絶する様のかもしれない。寧ろ街を破壊し周り今やっと気絶したのだ。
念のため起きた時に暴れられない様に手足をきつく縛り、気絶した美少女を抱え上げ役得と考えつつ、内に秘めたる性欲に打ち勝ち、名前を知るため再び心眼を使う
先程は混乱していたので名前を確認できなかったが名前の欄にはファスタとあり、そして名前の隣にはイベントクリアの文字があった。
イベントクリアと書いてあり少しばかり考える。先程の爆発祭りがイベントになるのか。確かイベントが起こるのは主人公補正所持者が来た時……つまり主人公補正所持者が現れたわけだ。
主人公補正所持者が闘わないで何やっているのか小一時間ほど問い詰めたいが、今は休める場所を探そうと彼女を抱え上げ後ろを振り向くと、どういうわけだか今までの騒動が何事もなかったかの様に元通りになっている。
目を離した隙に修復されて、もうなんか魔法でもなんでもいいと思い。元に戻った場所で寝床を確保した。
丁度いい所に平屋を見つけ、中に入り死体がないことを確認したのちにステータスを開き認証させる。家は木で建てられたログハウスというやつだ。
ガイアの時も思ったが見た目以上に広い。この空間における不思議な現象は無貌の神様とか魔法とかの所為にしておけば考えずに済む。
念の為に手足を縄で縛り彼女をソファに寝かせ、再び湧き上がる性欲を抑えベットに向かい睡眠に入った。




