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異世界で頑張る  作者: 平田凡太
異世界篇
29/50

御都合展開

心はダガーから風の斬撃が放たれ、森の木々が無残にも破壊され行く光景を呆然と見ていた。風が止み、数秒後に戦っていた事を思い出し、辺りを見渡すが親玉の姿が見えない。


親玉を探していると空に風が向かっている事に気付き、空を見上げる。視線の先には親玉がどういうわけか滞空している。


「久し振りに俺以上に強い奴とやり合えるとは思わなかったぜ!さあ!続きを始めようぜ!」


そう言うと親玉がは笑いながら空から圧縮された鋭い風の弾丸を撃ち込んでくる。戦闘狂ってやっぱ頭おかしい!だがこちらには最強の攻撃手段がある!風の弾丸を避け、先程同様にダガーを横に振り、反撃を試みる。


だが、先程の様な暴風は出る事はなく、そよ風程度の強さだった。何度も振り直すが、振るたびに威力は弱まり、遂には何も出なくなった。


マズイマズイマズイ。マズイって!唯一の攻撃手段が無くなった!対空手段もなく空高くにいる敵をどう撃ち落せと!中途半端な攻撃じゃ相手の攻撃に負けるだろう。考えろ、考えろ…………ここは逃げるしか無い。


逃げるとしても街に逃げ込んだとしてにあの戦闘狂は御構い無しに街を破壊するかも知れない。そうとなればこの広い森の中で隠れるしかあるまい。


さあ!この戦闘狂とのかくれんぼの開始だ!


そう心の中で高らかに宣言し森へ走る。


「あぁ!?逃げる気か!?逃がさねえぞ!」


親玉の声が響くが気にする事なく木々の合間を縫って駆け抜ける。隠密を使いながら走り抜ける。


相手が諦めるか、相手の魔力が切れるかのどちらかが起きれば勝ちだ。だが見つかったのなら負けだ。ひっそりと息を潜め草木に混じる。


数十分経つが人の気配は無い。これは諦めたかと思っていると強い風が吹き、何かに撃ち抜かれたかの様に目の前の木が砕ける。まさか見つかった?いや隠密は使っていた……


「長年風を操ってるとな、少しの風の乱れで位置が分かっちまうんだ。それじゃ再開としようぜ!」


見つかってしまった様だ。逃げ切るのは不可能だったか。勝ち目が無い戦いはただただ辛いだけだ。軟弱な庶民はヒーローの助けを請うしか無い。そうだろう?この場合今は深夜だし、ヒーローもぐっすり眠っている事だろう。図書館に行くだけだったはずなのに!!そうこうしているうちにも背後からは弾丸が撃ち込まれ、追い込み漁の如く元いた広場に戻されてしまった。親玉は地上に降り一言。


「さっさとそのダガーを使って俺をもっと楽しませろよ!」


この戦闘狂は……!先程どういうわけか暴風を一度発生させたダガーだが、使用回数は一度だと思う。そもそもフリッカが護身用として渡してくれたものだ。フリッカが何かあった時の為に仕掛けてくれたのだろう。その為ダガーを振っても意味は無い。


逃げるのは不可能……既に力無きダガーが一本……勝ち目なんてもの無く、土壇場で御都合主義覚醒するわけでも無い。パーティは全員就寝中。詰んでるじゃないか!!序盤で中ボス級が出てくるってどういう事だよ!こんな時でも思考は冷静だし、どこかにふざけていられる余裕もある。


この世界に来てから何も役に立たなかったけど、美少女二人との旅という貴重な事が出来た。それだけで我が人生に一片の悔い_______


「いや君何言ってるの?言ってはないんだけどね?」


いや最後まで心の中だけでも言わせてよ……って、え?何でフィアおるん?どこら辺からいた?フリッカと一緒に寝てなかったっけ?待って整理がつかない。


「君が賊に襲われる前くらいかな。昼寝したのにすぐ寝れるわけないじゃん。少しは考えて?」


最初の方で助けてくれよ……それよりも親玉は?……何で動いていないんだ?さっきから喋ってもないし。


「ちょっと邪魔かなと思って感電されておいたんだ。ちょっと調整が難しくて動けなくさせるだけだったけど、意識飛ばしちゃった。……全く君は何もしないで生きるのを諦めたの?」


思考の限界かな……勝ち目全くなかったし。俺が死んでもこの世界じゃ悲しむのなんていないだろ?


「……君は分かってないね。まあいいやひとまずここから離れたほうがいいよ。さっきの轟音でそろそろ兵士さん達が来るだろうし、まだ来てないのがおかしいくらい遅いから大勢でくると思うよ」


そう言われフィアの後をついて行く。この世界にも御都合主義はあったんだ……


「そう言えば君が避けてた攻撃のほとんどは私がズラしてたから感謝してね?」


有能少女。この世界は男より女の方が強い世界なのか?それともウチのパーティの女が異常なのか?そう思いながら街へ戻った。

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