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異世界で頑張る  作者: 平田凡太
異世界篇
24/50

天界事情

夜が明け朝日が目に刺さり、そっと目を覚ます。が体に違和感を覚える。腕の自由が奪われている。腕だけでなく足の自由も奪われていた。場所はソファの上のままだ。平常心を保ち、目を瞑り再び就寝の体勢をとる。待機空間じゃ起きた途端、脳が冴え渡り、目が冴え二度寝は出来なかったが、この世界じゃ起きても目が冴える事はなく、脳内もあまり状況を飲み込もうとしていないし、十分に二度寝出来る。


二度寝に入ろうとすると、声が聞こえてくる。聞き耳を立て内容を聞く。


「……それでファスタさん、心さんにどう説明しましょう?」


「安心してフリッカちゃん。元々は私が持っていたお金なのよ?こいつに文句言われる筋合いはないの」

「それに戦闘でも役になってないしそこを責めれば何とかなるはずよ」


人が寝ていると思って言いたい放題であった。確かに役に立ってないけど……本当に役に立ってないな。荷物持ちと言っても不思議な便利道具でいくらでも入るポーチがあるし、戦闘じゃ二人より自分が強いとは思えない。このパーティに居ても良いのだろうかと、完全にヒモだと、そう考えている。しかし、昔からヒモになりたくないとは思っていたが想像以上に楽だ。もうこのままでいいや。そんな事を考えていると頭が冴え、二度寝は出来ないと判断し、目を開け、起き上がりややオーバー気味に驚いておこう。


「……何これ?」


オーバー気味に驚くだなんてとんでもない。自分のキャラに合わないわ。自分のキャラがどんなのかは知らないけど。


「おはよう、雑用。また私の手足を縛ったよわよね?だからそのお返しよ。その縄は魔力を帯びさせてあるから自力じゃ外せないわ。動けない不自由さを感じながらそこで転がってなさい」


そう言うとファスタは出て行った。それを言うためだけに待ってたのか。目的がよく分からない奴だな。


「じゃ、じゃあ!心さん頑張ってください!」


フリッカも元気に出て行った。さてどうしたものか。確か護身用に貰った小刀がポーチに……ポーチがない。そもそもポーチがあっても取り出せないし意味はなかった……その後色々思考した結果、別に一日動かなくても平気だ。寝ればすぐ時間は過ぎる。という結論に達し二度寝を決意した。


考え事、雑念を捨て、眠りに集中する。部屋は木が揺れる音が聞こえるだけで静かになっている。意識を手放す直前に耳元で何かを囁かれた。


「もう朝だよ?というか昼になるよ?」


言葉は聞き取れなかったが耳元で囁かれたという事実で体に寒気が走り、うおっ!と声を上げ、跳ねる。すると笑い声が聞こえてくる。ここの家は事故物件だったのかもしれない。うつ伏せになり心の中で必死に唱える。悪霊退散と。


「私は悪霊じゃないよ?全く失礼だね。顔をあげてごらん?」


声の言う通りにし、顔を上げる。すると見たことあるような顔だが思い出せない。こんな可愛い子を忘れるとは思えない。


「可愛いだなんて、君は面白い事を言うね。覚えてない?ああ」


少女は手を頭の上に乗せ前後に動かす。フィアだ。ケモミミは生えておらず、髪の色も変わっており、すぐには思い出せなかった。フィアが何でここに居るんだろう。


「それはね、天界での仕事が無くなってね。暇だったからね、君にちょっかい出そうと思って来たんだ」


仕事が無くなったって無職になったのか?俺の仲間か。歓迎しようじゃないか。


「無職にはなってないよ。だから君の仲間じゃないんだ。ゴメンね?」


仲間じゃないのか……というか何で俺のところに来たんだ。他のところに行けば良いものを。


「この世界で私が見えるのは君しか居ないからね。私が見えないと声も聞こえないから話し相手には良いかなって」


わざわざ俺に話を……天界には話し相手が居ないのかよ?


「……いるよ」


フィアが俯き小声で返す。静かな空間が流れる。聞いてはいけない事だったのかも知れない。


「とりあえず縄切ってあげるね」


そう言うとフィアは手足の縄を触らずに切る。すぐに座り直しフィアの方を向き直り言葉に発して礼を言う。


「考えてる事読んだり、触らずに縄切ったのに君はあまり驚かないんだね」


考え事読むのは女神でも出来るし、縄を爆発させて外す奴を知っているし、別に驚く事じゃない気がする。前に二人がいなければ多少が驚いていたのかも知れないが。


「そう……私ね。ある時から相手のハッキリと周りの心の声が聞こえるようになって、女神様も、天使も、妖精も、事務的な付き合い以外じゃ顔を合わせ辛くなってね。ある時から私が思考を読めるって広まってからみんなと話し辛くなって……」


目を逸らしながらフィアを話し続ける。


「君は最初は変な人だと思ってたけど、その内良い人だと思ってね。私は君になら思考読めたりしても引かれないと思っちゃって……それでさっき君は私が思考を読んでも煙たがったり引いたりしなくって……嬉しかった」


そう言うとフィアは少し微笑む。


長い間周りから遠ざけられてた。もしかしてイベントの前からいたけど結構前からここに……?


「そうだね。何百年かわからないけどここにいて色んな人を見てきたよ」


周りと違うと迫害されるのは何処の世界でも共通なのかも知れない。そう思ってソファに倒れこむ。

もう寝るから好きにしてくれると助かる。


「そう……じゃあ少しベットを借りるね」


フィアはベットに入る。ソファじゃなくてベットにすれば良かったかな。そんな考えをして二度寝を昼から決め込んだ。



よく寝る主人公

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