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異世界で頑張る  作者: 平田凡太
異世界篇
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守護者

 ファスタはルンルンと、フリッカはそのファスタの後をトテトテと、そんな二人の後ろをトボトボと歩き、ダンジョンの奥へと進む。


 ファスタが言うにはダンジョンの奥には財宝が眠り、財宝を守る、守護者と呼ばれる魔物がいるようだ。

 今回の探索ではその手前まで行き、戻るそうだ。その守護者の強さは一国の軍隊が多くの犠牲覚悟で討伐する程らしい。

 守護者が討伐される時は、正式に依頼が来た時だけだそうだ。


 ダンジョン内での戦闘はファスタとフリッカが前衛に出て魔物を殲滅する。二人は男の数十倍は頼りになる。

 一方雑用はというと、特にやる事がなく呆然と二人の戦闘を見ているしかない。


 ファスタは身体強化使って素手で魔物殴ってる。魔法使いは後衛で杖持って魔法打つ感じのイメージが強いけど、杖なんて持ってないし、武闘家の方が向いているんじゃないかってくらい素手使ってる。


 フリッカの戦闘を見ると、素早く魔物に近づいて魔物を真っ二つにしていっている。目の前を通ったと思ったら魔物が二つに分かれているほどすばやく、鋭い斬れ味だ。手には何も握られてないけど。


 戦闘が終わる度に魔物の残骸を拾うだけの作業で、それ以外にやる事がなく暇だ。

 二人が戦闘している間に静かに動いて【隠密】のスキルが取れたり、耳を研ぎ澄まして【聞き耳】のスキルが取れるくらいには暇だった。


 この世界にゲームの様なレベルの概念はなく、強くなるには闘いで技術を上げていく事だけ、戦闘に出ると足手纏いになる雑用は強くなれない。


 そこにスキルという救済措置(システム)がある。スキルは日常生活において役立つものであり、日々の生活を送っていくうちに人知れず手に入れているものだ。


 ただ、転生しているからといってこれといった特別なことはない。強いて挙げるなら、スキルを視覚化出来るようになっただけで、この世界の人と同じように素質がないと取得できない。


 その上、能力(アビリティ)には勝てない。この世界にも産まれながらにして、天恵という名で能力に似たものを持つ人がいる……と努力ではどうにもならない世界の理がある。


 こうした本の内容を思い出し、落ち込んでいる間にも、フリッカ達は魔物を次々と殲滅している。


 魔物を倒し、魔物の落としたモノを拾いながら進んでいくと、大きく禍々しい扉があった。ここが恐らく最奥地、守護者がいる場所だろう。


「よし。じゃ帰ろ──」


 引き返そうとすると、コツコツと足音が聞こえてくる。軍の奴らだったら面倒だと思い、二人を引っ張り岩陰に隠れる。


 聞き耳駆使し、近づいいて来る奴らの会話を盗み聞く。


「しかし面倒いな。何も出て来ないし、なんで俺らがここの攻略しないといけないの?」


「そりゃ街のお偉いさんから頼まれたからね。お偉いさんに媚び売れて、報酬も貰えてる。いい仕事じゃん?」


「そうだけど……四人で大丈夫なのかな? 軍の人達でやっとなんでしょ?」


「大丈夫だって! 異世界から来た者はここの兵士たちよりも強いってお偉いさんも言ってたじゃん!」


 と四人が扉の前に向かってくる。声からして男が二人、女が二人いる。

 会話の内容からして四人で守護者の討伐に来たものだと思うが……一人聞いた事があるような声だった。

 扉の前に四人が立ち止まり、岩陰から顔を覗くと美少女Bがいた。


「じゃあサクッと片付けて報酬貰って豪勢な料理食べようか!」


 と美少女Bは言い、扉を開けた。恐らく美少女Bはリーダー的存在なのだろう。ファスタの方を見ると聞き憶えのある声に反応するが、それを全力で止める。力強すぎ……


「今メルの声がしなかった⁉︎ 扉の向こうにいって大丈夫なの⁉︎」


 美少女Bの名前はメルらしい。ファスタお前、街の前で何やられたか覚えているよな? それでも心配するとかお人好しが過ぎるだろ。


「大丈夫だ。なんか策がありそ──」


 と言い切る前に中から悲鳴が聞こえてくる。するとファスタが急いで中へ向かう。フリッカには待ってるように言い、ファスタを連れ戻す為に追いかける。


 中に入ると、床には大きな血溜まりができ、その中央に三つの死体と、死肉を貪り食べるドラゴンが一匹。


 直感的にも論理的に危険と判断し、ファスタを連れ戻そうとする。だがファスタは、ドラゴンに向かって何やらのようなもの詠唱を唱えている。


 ファスタが詠唱を唱えている間にも、ドラゴンはこちらには見向きもせず、死体を一つ、また一つと食べ進める。


 ファスタの詠唱が止むと、ドラゴンはこちらを向き鋭い眼光を寄せるが、次の瞬間にはドラゴンが爆発四散した。

 ドラゴンがいた場所には真紅に輝く宝石が落ちていた。


 口を開けて呆然としていると、ファスタが倒れた。


 慌ててファスタに駆け寄り、ファスタを背負う。拾わないと何か言われそうだし、宝石を拾い上げ懐にしまう。

 部屋から出て行くと、フリッカが立っていた。


「大きな音がしましたが大丈夫でしたか⁉︎」


 フリッカはしっかり言われた事を守っていたようだ。


「大丈夫だ。とりあえず外に出よう」


 と言い、中の様子を教えず、意識のないファスタを背負いダンジョンから脱出する。


パーティ内で心が一番弱いです。

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