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異世界で頑張る  作者: 平田凡太
異世界篇
20/50

ダンジョン

 ファスタは堂々と胸を張り、一呼吸置くと自信満々な表情で話す。


「この世界にいる魔物から手に入る素材はそれなりのお金になるのよ!」


 本当かどうか怪しい。証拠を見せて欲しいところだが、下手に口を出すと機嫌を損ねそうなので口には出さない。


「この街に来るまでの間に魔物の姿は見ていないのですが、魔物はどうやって見つける気ですか?」


 とフリッカが言うとファスタは少しにやけた面をしながらフリッカの質問に答える。


「私に着いて来てくれればわかるわよ」


 とファスタがスタスタと歩いて行き、フリッカはファスタについて行った。少しばかりその場に立っていると、ファスタが振り向くのが見えた。


「雑用!」


 と呼ばれてしまい、ついて行く。このパーティの戦力外を連れて行っても良いのだろうか。


 ファスタの後をついていくと、街を出て、道を右に曲がり、先に進むとそこには洞窟があった。二番目の街に向かう時に、間違えた道の先にあった洞窟だ。


 ファスタが聞いた話ではこの洞窟は、ダンジョンと呼ばれ、魔物が多く存在しており、時折洞窟内から外へと魔物がでてし来てしまうそうだ。


 しかし、この洞窟から外へと出てくる魔物達は、兵士一人で倒せる程度なので大丈夫との事だ。

 雑用は兵士一人より弱いと思うんですけど……


 ダンジョンに入ると、光る鉱石があるからか適度に明るく、内部は人の手が入っていない自然で出来た洞窟だ。


 先へと進むと一匹の白い猫が足元に(じゃ)れついてきた。


「魔物⁉︎」


 とファスタが一人驚き、フリッカの後ろに隠れる。


「猫だろ? 知らないのか?」


 そう言いながら猫を撫でていると、口から血が垂れている事に気づく。口内に怪我をしているのかと思い、口の中を覗こうとすると、口周りの血のつき方に違和感を感じる。


 口を開け、中を見るが大きな傷はなく、どこからも出血していない。傷はないことを不思議に思っていると、尖った牙の先に血が付着していることに気づく。


 牙に血が付いていることを気付かれた猫は素早く口を閉じるが、完全に閉じられる前に猫は跳ね除けられる。

 猫は素早く地面に着地し、こちらを威嚇するように低く唸り声をあげた。


 声に全く可愛げがない……と自分の知っている猫とは概念が違うと思考を変え、逃げの姿勢をとる。


 猫相手に離脱体勢をとるのは、気が引けるというか数少ないプライドが邪魔をするが、命に関わりそうな以上なりふり構ってはいられない。猫から目を離す事なく一歩二歩と後退していく。


 猫との膠着(こうちゃく)状態が続き、猫と距離を空けるとファスタが駆け寄ってくる。


「やっぱり魔物じゃない! 血が出てるわよ!」


 とファスタに言われ、腕の方をみると手首に引っ掻き傷ができ、結構抉られている。だが不思議なことに痛みはなく、徐々に傷口が塞がっていく。


 傷に気を取られ、猫の魔物から目を離してしまった。その隙を突かれ、猫の魔物が首元目掛け飛びかかってくる……避けれそうにない。


 するとフリッカが目の前に割って入り、猫の魔物を見えない何かで斬りつける。


「大丈夫ですか? 心さん」


 猫の魔物は鈍い呻き声をあげ、地面に倒れ伏す。


 またフリッカ助けられてしまった。感謝の言葉を言い、立ち上がる。魔物の死んだ場所を見てみると、魔物は溶け、そこには牙が落ちていた。


 ファスタは牙を拾い上げ、駆け寄ってくる。


「これよ! これが換金できる……らしいのよ!」


 とファスタが元気そうに言いながら、先へと進んでいく。

 お前は何もしてないだろ……と思っているとフリッカが近づいて来る。


「心さん。護身用に持っておいてください」


 と小刀を渡された。


「それは心さん用に合わせていますので、くれぐれも質屋さんとかに売らないようにしてくださいね!」


 と釘を刺されフリッカはファスタの元へ向かう。

 普通、人から貰ったものを売ろうとは考えないだろう……もしかして信用ない?



変なところで終わっているのは時間がなかったからです

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