表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

1話 『中二病変換』

気がつくと異世界にいた。


いやいや何言ってんの、俺。突然すぎるでしょ。まあ確かに目の前には見たこともない大草原が広がっていて二つの満月が辺りを照らしているんだけどさ。


そして異世界に来た原因としては歩きスマホでマンホールの蓋が開いていることに気づかずに落ちたせいだと思う。歩きスマホはやめよう。辺りにスマホがないからもうできないんだけどな。


ていうかここどこだよ。異世界で定番の森からじゃないし、見渡す限り街道なんてないし。


「誠にこの場所はなんなのだ?(マジでここどこ?)」


……アレェ? 何今の貴族とか偉い人が言いそうなセリフ。辺りに人は見当たらないし、多分俺だよな?


「我が知らぬうちにどうなっておるのだ?(俺が知らないうちにどうなってんだ?)」


……うん、絶対俺が言ってる。俺が考えていった事がなんか偉そうに変換されてる。


もうなんかあれだ。中二病を患っていらっしゃる方の喋り方かもしれない。会ったことがないから偏見かもしれないけど。


もう無視だ無視。無視しても大丈夫だろう。


そんなことより異世界といえばあれだ。ステータス表示。


よく小説でステータスの明瞭化ができ応用が効くので多用されてるあのステータス表示だ。


試してみるか。出来なかったら恥ずかしいけど。


「我の力の象徴よ! 今ここにその姿を具現化せよ!(ステータス表示!)」


何の音もなく目の前に突然透明な板みたいなものが出てきた。たった7文字なのに変換するとあんなに長くなるのか。


ステータスを見てみるといろんなことが書かれている。俺の名前から始まり、性別、種族、職業、Lv、HP、MP、筋力、魔力、器用さ、早さ、幸運、技能、スキルまでだ。


俺の名前は苗字が無くなっておりカタカナでトニー。トニーって誰だよと思ったが富岡とみおかの富が訛ったに違いない。


性別はもちろん男で種族は人間族。職業は中二人ちゅうにびと。なんだよ中二人って。


Lvは1でHP〜幸運は全て三十。高いのか低いのかわからない。


そして肝心の技能。はい、一番ワクワクする場所ですね、分かります。


技能は二つある。一つは中二病変換。俺が言う全ての発言を中二病風にするらしい。俺の発言が全て中二病風なのはこれのせいか。定番のON/OFF機能がない。俺はずっとこのままなのかよ。


二つ目は中二病パワー。中二病発言の全てが力を持つらしい。全く意味がわからない。魔法があるとしたら普通はコップ一杯分しか水が出せないが中二病発言で出すと二リットル分になるとか?


そういえば喉が渇いてきたな。試しに中二病発言の力とやらを使ってみるか。出来るかどうか怪しいけど。


「全ての根本たる水よ、我に従いその姿を現せ! (水よ出て来い!)」


目の前に手をかざしてやってみたが何も起きない。やってみた俺が馬鹿じゃないか。


ん? 曇りになってきたのか? 辺りが暗くなってきている。


上を見てみた。そして俺は全速力で走り出した。何故かって? そりゃあ命の危機になりそうなほどの水の塊が頭上にあったからさ。水を飲みたくて水を出したら水に潰されて死にましたって洒落にならないぞ。


走り出して数秒、水の塊の謎の支えが切れたのか俺の座っていた場所を蹂躙するかのように降り注いでいた。あぶねぇ。


その後平原一帯を水が満たし俺の靴が水浸しになってしまったが死ぬよりはましだ。


その後ステータスを中二病風に表示して見てみると水魔法が追加されていた。












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ