お日様のせいだぜ! その④
お日様のせいだぜ! その④
「あと、たんぽぽ!」とノキ。
そーだ、そだ!たんぽぽ忘れてた!キングオブふわふわ植物な感じがする!
そしてまわりを見回すと、ん、たんぽぽがいっぱい!そうだ今、たんぽぽの季節なんだ!
「タンポポって英語で何て言うか知ってる?」と、ノキ。
え?知らん。
「ダンディライオン」
へ?ライオン??
「ライオンの歯って意味らしいよ」と、ノキ。
へー、知らんかった。このギザギザがライオンの歯に似てるんじゃね?と西洋の方々は思ったみたいだ。ライオンかよ!日本じゃライオン身近にいないから、このネーミングだけは絶対、自然発生的に生まれ出る事は無いだろうなぁと。
いや、西洋でも身近にいないだろ?
「ダンディって、渋いとかそんな意味じゃないんか?」とワタシはノキに聞く。素朴な疑問として。
「そこはフランス語らしい。ダンディ=歯らしいよ。詳細はワカランが。」とノキ。
へー…。
まぁ、どうでもいい話だw
ワタシは座ったまま、首だけをぐぐーっと後ろに反らした。体は柔らかいんだ。背中側に広がる一面のクローバーが、180度ひっくり返った状態で見える。空が下、上が緑。ああ、ひっくり返ったなぁ、地球…。
ぽつりぽつりと、たんぽぽの綿穂が首を上げていた。白い穂、柔らかい穂。
まるで出発を待つ卒業生みたいに。
遠くで小さい男の子と女の子が、きゃっきゃきゃっきゃいいながら、たんぽぽの前でころころと遊んでいた。小さな子供って、転がってるのか歩いているのかよくわからんw
男の子と女の子はころころっとたんぽぽの前に顔を近づけ、おなかいっぱい吸い込んだ呼吸で、せーのっ!ふーぅぅぅぅ……っ!って、白い綿穂に風を送り込んだ。柔らかい口元から。
風に乗る綿穂。
男の子と女の子が送り込んだ小さな風に乗った、かわいらしい卒業生達は、一斉に大空へと舞い上がっていった。
ありがとーう!行ってくるねーっ!!! とでも聞こえてきそうだ。
ふたりはきゃっきゃ言いながら、そのあとを追いかけ、またころころと転がる。飛び跳ねてるのか、転んでいるのかよくわからんがw
遠くでおばあさんが温かくそれを見つめる。
…絵に描いたよーなふわふわ空間だ…w
おばあさんも女の子のよーにぺたんと腰を降ろし、シロツメクサの花で髪飾りのよーなものを作っていた。女の子にあげるのだろーか。女の子に作り方を教えていたのかもしれない。おばあさんの表情、この上なく幸せそうだ…。。
で、ワタシはこれを描く事にした。いやいやコレ以上ふわふわなモンはないっしょ?
ワタシ、自慢じゃないが、描くのはベラボーに早い。このへんの集中力は自慢できるんだ。マッハだ。速書きだけが唯一の才能。ノキが釣れてない間、ワタシは概ね書き上げてしまった。
たんぽぽと空と、子供たちとおばあさん。
一斉に舞い上がるたんぽぽの白い綿穂。それを追いかける子供たち。
ん、悪くないよーな気がする。たぶん、悪くない。ゆるかちゃんもこれなら文句までは言わんだろう。
ノキは相変わらず、ぜんぜん釣れてないけどねw
(続きます!)