ノキと遊園地 その③
とりあえずノキとタムは結果として遊園地に行きます。タムは嫌々なんですがw
「れんげと津栗くん、今日来れないって。」
って、れんげと津栗来ないんかいな!!!!
「津栗くん、今日映画観たいらしいよ。」と未央。朝、未央に連絡があったとのこと。それにしても友達より彼氏を優先させたれんげ。ちくしょぉぉぉ・・・。つか、何故、ワタシじゃなくて未央に連絡入れる?
なんか策略的側面をチラホラと感じる。
三人だなんて分かってたら、最初から来なかったよ!なんでワタシが出汁専門!?!?
こないだノキに今日の事説明したら、そりゃもー大喜びで!
「え!未央ってあの未央!!!めっちゃかわいいコじゃん!もしかしてオレに気があるとか!オレ狙いとか!めちゃ最高なんスけど!めちゃ嬉しいんスけど!」…と、そりゃ、もー、ワニ池に鶏肉放り込んだよーな状態だったとゆーか…。
とりあえずワタシは、れんげから未央がノキの事好きってことは、まだ伏せといてと言われてたから、「ナイ、ナイ、そーいうんじゃない!」と釘は刺しといたけど。「みんなで遊園地行きたいって言ったら、未央も来る事になったってだけだよ」って言っといたけど。
というかワタシ今日、居場所ないじゃん!未央とだってそんな仲いいワケじゃないし(実はあんまり喋った事がない!)未央とノキが話してる間はワタシは何してりゃいーんだ!?!?
それにしても未央、今日かわいいかっこしてんなぁ…
ふわふわのロングニットをぶかっと大きめに着て。小さい体なのに、そこから伸びる足が、細く、長く、透き通るように白い。いかにも男の子が好きそーな雰囲気とゆーか、特にノキとかすんごく好きそう(スケベだし)
身につけてるアクセ類もいちいち高そうで、同じ中学生かいな?とつくづく感心してしまう。見とれてしまう。育ち良さそう。センスいーし。
でもってワタシと来たらデスネ…、えーと、小学生の延長みたいな格好ですハイw
つか、服にお金なんてかけられないよ!そんな金ねぇし!最近買ったのなんて、靴ぐらい。←それも、「小さくなったから」とかそんな理由で。強引に親に買わせた。
そもそもワタシは外見そんなに気にしないんだ!そもそも気にする程の外見持ってねぇし!
小学校の頃は "切るのが面倒" という理由で髪伸ばしてた。
中学入ったら "洗うのが面倒" という理由で、バッサリ髪切ってしまった。
双方理由は、めんどくさいから。
あー、女失格だなワタシw
「かわりに七尾君が来るって。」と未央。
へ!?!?
七尾君って、あの七尾君!?!?
ナンで七尾君!ナンで七尾君が来るん!?!?
- - -
「よく分からないけど、とにかく来るらしいよ。」と未央。
つか、ちょい待ち!先にそれ言え!もっと早く言え!
知らんし、聞いてないし!!!!
どうしよう…心の準備的なものが…。。
こんな事なら、もっとちゃんとして来たよ!ノキだと思って、チョー手を抜いてきたのに!!!
七尾君とゆーのは、まぁなんとゆーか、いわゆるオトコマエな方ですw
めちゃくちゃモテます。カッコいいです。素敵な方です。
油断してると恋します。油断してなくても恋に落ちます。
そのくらい強力な引力とゆーか、オトコ力とゆーか。雑魚のノキとはえらい違いです。どことなく大人とゆーか、素敵とゆーか。
同じ学校のバスケ部で違うクラスなんだけど、ノキとも何故か仲が良くて。
あの人前にすると、他のオトコは "その他大勢" にしか見えないのだよw ただあまりにも雲の上なんだな!天上人なんだな!
そこに「お待たせ」と七尾くん登場!!!!
げげっ!ホントに来たよ!本物の七尾くん登場だよ!
…やっぱかっこいいなぁ。。初めて見る私服はやっぱ素敵。制服も素敵だけど、私服ももっと素敵。この人が着ると普通のジーンズやシャツも高級品に見える。いや、実際高そうだな。大人っぽい。それを無理せず普通に着こなしている。
足が長い。ノキも背は高いけど、あいつ足短いんだなw サッカー部だから当然だ!と言ってたが、父親もそうなので、遺伝だと思われる。
七尾君の横にいたらノキなんてカカシか電柱ぐらいにしか見えん。どうでもいい"その他静物" ぐらいにしか見えん。ヒトとして見れん。
ワタシはこの時、バカノキがどんな格好してくるのか、すごく不安だった!私服センスゼロのノキ。花火の時とか、ピチピチのヒョウ柄ズボン履いて皆の失笑を買ってた。「60年代のロックミュージシャン風!」と本人は豪語してたのだが、アレ似合うのは相当高度な着こなし技術が必要と思われ!庶民のノキにはあまりにもハードルが高すぎると思われ!
足短いノキにはジョークとしか取られない。無理だし、ヤメるべき!
お願いだから二度とアレは着てこないでくれ!…と思ったのだが、
…着てきちゃったんだよ、今日も…w
「ワリィ!お待たせ!」と登場した時にゃワタシは言葉を失ったよ!
今日は更に酷かった!
下半身は、例のジョークとしか思えないヒョウ柄!短い足により一層の拍車を掛けつつ、見るものを "理解不能" への泥沼へと誘う。
上半身は白とピンクの水玉Tシャツ。これだけでも破壊力十分なのに、胸元には「Young Daughter」(若い娘)というこれまた意味不明なロゴが!
今すぐその服を着替えろ!と指摘してやりたくなったのだが、本人至って満足げ!どうオレ今日?とでも言いたげな雰囲気!!!
全裸の方がマシ!脱いだ方がマシ!
ところで未央は??未央はドン引きしてないか!?!?
…と思ったら、表情的には特に問題なさそう。それよりも、ノキの登場に少々うつむき加減。なんだか緊張気味。
このアホに何故緊張する意味は!?!?なぜにもじもじ!?!?分からない!意味が理解できない!!!
ワタシはこのコにも強く説教したくなる気持ちをグッと抑えながらも、ノキの服の袖をくいくいっと引っ張り、そっと耳打ちした。
「…おまえ、なんだよその格好…。。」
したらノキってば、「いいだろこのTシャツ!探したんだよ!」ってヲイヲイヲイヲイ!探した結果がソレか!さんざん見て回った結果がソレか!!!!
ワタシはどこをどー探したら、こんな悪趣味なTシャツに出会えるのかが不思議でたまらなかった。理解出来ない。ワタシはこの服を平気で置いてある服屋のセンスに逆に疑問を感じた。
きっと店員が何かの冗談で仕入れ、そのまましまい忘れていたところをノキが買ってしまったのだと思う。そうじゃなきゃ、納得出来ない!こんな服が地上に存在してる意味が理解出来ない!
ノキの中では、これがストライクだったんだろうなぁ…。。脳の回路のどこをどう間違ったら、この服がいいと思えるんだろう…。。お笑い芸人でもこんなの着ないぞw
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「あれ?七尾、なんでここにいんの?」とノキ。水玉ピンク野郎。
「突然、呼ばれてサ」と七尾君。オトコマエ。
二人が並ぶと、王子と、牛乳パックみたいだ。ダビデ像と、お菓子の空き袋みたいだ。清書と仕上げ前みたい。
でもって、七尾君(七尾様と呼びたい!)がこっち向いて、(瞬間、超緊張した!)「えーと、何さんだっけ?」とワタシに。やっぱ影薄いなぁワタシ…。。
とりあえずワタシはモドモドしながら、「田無恵美です!みんなにはタムって呼ばれてます!」と、不必要に裏返った声で。
それ見て、ニヤけてるノキ。コイツぶっ殺してぇ…。。
未央の事は知ってたみたいで、特にお互い自己紹介はしてなかった。ハイハイ、ワタシは地味で目立たないですよ…w
そんなワケでようやく集まったワタシらは目的地へと向かったのだが、電車のノキは不必要に目立つ。(もちろん悪い意味で)パチンコ屋の看板みたいだ。
そんなノキに対して、未央ったら最初から飛ばしていた。
ノキの横のいい位置に立って、いろいろ質問をしていた。音楽の話しとか、学校の先生の話とか。ニヤけるノキ。いつもより一段と口元が緩む。
つか、ワタシ居なくても良かったんじゃないのか?ワタシ呼ぶ意味なかったんじゃないのか!?!?
でもって、電車内の七尾君とワタシと来たら…。。あまり話が続かない…。。w
ワタシが緊張してるからってのもあるけど、なんかの面接の一問一答みたい…w
もちろん、ワタシが聞いた事に対して、ちゃんと笑顔で応えてはくれるんだけど、なんか気持ちがそこに無いとゆーか、合わせてくれてるだけとゆーか。
ほっといてもバカスカ話始めるノキとはえらい違いだ。
考えてみたら、ワタシ、ノキ以外の男ってほとんど知らない。別に誰でも仲良くなるってタイプでもないし、まぁ話ぐらいならするんだけど、ノキほどいろいろ知ってる人は他にいない。
まぁ知ってると言っても悪い面ばっかだけどねw
ヤツの悪口だったら、レポート用紙500枚ぐらい書けるぜ!!!
だからこういう時、どうやって話を続ければいいのかもよく分からない。あんまり話かけるのも迷惑かなぁなんて思ってしまう。
ノキの場合はそんな事考えた事なんてないけど。
<続きます!>