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慣性の市場  作者: otu
10/10

あとがき

本作『慣性の市場』をお読みいただき、ありがとうございます。


この物語は、ふとした疑問から生まれました。

「円高が進むとリスクオフになるのはなぜだろう?」

「株価と為替の関係を考えると、円高のときに株安になるのは不自然ではないか?」


そんな疑問を追いかける中で、浮かんだのはアルゴリズムによる自動売買の影響という可能性でした。

人間の意識とは別に、市場は既存の慣習や数字のパターンに従い、連鎖的に動く。

その思考実験を物語として描くことで、金融市場の背後に潜む見えない意思や、AIアルゴリズムの影響を想像してみたのです。


本作に登場するディーラーやAIアルゴリズム、連鎖する市場の描写は、あくまで筆者の個人的見解と創作に基づくものです。

現実の市場とは異なる場合がありますが、読者の皆さまには、この物語を通じて「目に見えない力が世界を動かす可能性」を少しでも感じていただければ幸いです。


最後に、この小説を通して伝えたかったのは、人間の理解や制御を超えた力の存在、そしてその中で私たちが観察者として立ち尽くすという感覚です。

市場に限らず、現実の世界にも、目に見えない連鎖や慣性は確実に存在しています。

皆さまが本作を読み終えた後、少しでもその感覚に触れていただければ、この上ない喜びです。

この作品は、AIとの1時間ほどの対話から生まれました。


新しい発見があったわけではなく、むしろ自分の中にあった疑問や不安を、文字にして確認しただけの時間でした。


それでも、読んでくださった方々には心から感謝しています。

この物語に描かれた出来事が、次の週の現実にならないことを、ただ静かに願うばかりです。


そして、物語の幕が静かに閉じたあとも、どこかでまだ、世界は数字の波の中で呼吸を続けている――。

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