表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍発売中】転生宰相のダンジョン魔改造録 ~ポンコツ魔王様に頼られたので、壊滅した魔王軍を再建します~  作者: パンダプリン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

539/593

第539話 きっとポンコツもプラスされる

「フィオナ様も、このゴブリンのことを知らないんですか?」


「う~ん……。こんなに黒いゴブリンは見覚えありませんけど、これもまた個性ですかね?」


「なんか、ブラックゴブリンという種族みたいです」


「別の種族ですか。少なくとも、これまでの魔王軍にはいませんでしたね」


 魔王様でさえも知らないとなると、かなりレアなゴブリンなのかもしれないな。

 倒したら、レアアイテムをドロップするとか、経験値が多いとか、そういう類のモンスターなのだろうか?


「あと、こいつステータスが少し不思議なんです」


「不思議、ですか」


「ええ。なんか数字の後に、プラスという記号がついているんですよね」


 今までのモンスター。いや、侵入者含めても、こんな数値は初めて見る。


「レイは、いつもステータスを数値で見ているんですよね?」


「ええ。記号は初めてです」


「ふむ……。プラス、プラスですか……。少なくとも、何か悪いものではなさそうですよね」


「それはそうですね。マイナスとかなら、ちょっと怪しいところでしたけど」


 ブラックゴブリンの様子を見ると、別におかしな様子もない。

 先輩であるゴブリンたちのところに行って、なにやら話を聞いているようだ。


「仲良くなれているみたいですね」


「そうですね。仲間外れはかわいそうですし、馴染めているのなら良かったです」


 フィオナ様も、風変わりなゴブリンを心配してあげていたようだ。

 相変わらず、部下に優しい魔王様だな。


「ちなみに、この子のステータスはどの程度なんですか?」


「そうですねえ。ゴブリンキングよりは低くて、ゴブリンソルジャーよりは高いです」


「であれば、他の子たちと同じように、侵入者の相手をさせてあげたほうが良さそうですね」


「そうですね。当面は、ゴブリンダンジョンで働いてもらいましょうか」


 ステータスを見る限りでは、それで十分にやっていけるはずだ。

 ステータス以外の能力は、他のゴブリンやディキティスに教えてもらえば、いずれは身につくことだろう。


    ◇


「さて、さっそく侵入者が来たわけですが」


『なんだ? あの黒いゴブリンは』


「やっぱり、色が違うと目立ちますね」


「そうですね。侵入者たちに一番に狙われそうです」


 となると、あの子には、これから強くなってもらわないとな。

 狙われやすいということは、一番危険な立ち位置ということになる。

 死んでも再生成はするけれど、だからといって、死んでばかりだとかわいそうだからな。


『なにか珍しい素材になるかもしれない! あいつから倒すぞ!』


 ああ、やっぱりか。

 冒険者たちは、ブラックゴブリンを真っ先に殺そうとしている。

 あの冒険者たちのステータスを見るに、ブラックゴブリンでは太刀打ちできないだろうなあ。


『な、なんだ!? こいつ速いぞ!』


『ぎゃっ!』


『な、なんなんだよ! こいつ!』


 なんか、だいぶ圧倒しているな。

 おかしい……。ステータスにそこまでの違いはないはずだぞ。

 現にゴブリンソルジャーたちは、あの冒険者に敗北していたし。


「ほう、やるな。従来のゴブリンたちの……いや、ゴブリンソルジャーたちの倍ほどの強さか」


 リピアネムの感心した声に、思わず彼女の顔を見ると、不思議そうにしていた。


「どうした? レイ殿」


「いや、ゴブリンソルジャーの倍? 多少強いくらいのはずなんだけど」


「そうなのか? 私には、少なくともゴブリンソルジャーの倍以上の実力に見えるが」


 そうなのか?

 リピアネムが言うことだし、そうなのかもしれない。

 現に、あの冒険者たちがなすすべなく、終始優位に立ち回って、全滅させてしまったからな。

 ……でも、さすがに疲れているっぽい。

 一人でパーティ全員の相手をしたのだから、当然か。


「あ、また新しい侵入者が」


 肩で息をしているようなブラックゴブリンの前に、今度は別のパーティが現れる。

 先のパーティと同じく、彼女らが狙うのは、やはり一番目立つブラックゴブリンだった。


『なんか、珍しい! 倒すわよ!』


 だが、彼女たちのステータスは、先ほどの冒険者たちと変わらない。

 このままでは、先ほどの焼き直しになるだろうな。


『ん? 強さはふつうのゴブリンくらい? ま、いいや。なにかいい素材は……。う~ん。いまいちね』


「倒されちゃいましたね」


「ええ。なんででしょう?」


 相性の問題? いや、種族も攻撃手段も、別に大きく違ってはいない。

 だというのに、なぜか二つ目のパーティには、あっさりと敗北してしまった。


「うん? 今度は、ゴブリンたちと同じ程度の力だったな。もしかして、全力を出せる時間が短いのか?」


 同じくブラックゴブリンの様子を見ていたリピアネムが、ふとそんなことを呟いた。

 ……そういうことか? もしかして、ステータスの後ろのプラスって、一時的に能力をブーストできるという証なのか?


 だから、リピアネムの見たてでは、ゴブリンたちの倍の実力であり、実際に、一度目の侵入者がなすすべなく敗北した。

 だが、その能力上昇も永続的なものではなく、あくまでも一時的なパワーアップなのだろう。

 それも、おそらくは長時間使えないし、疲労も溜まりやすい。

 その結果が、二度目のパーティとの戦闘の結果だと考えれば、辻褄は合いそうだ。


「とりあえず、再生成するか」


 ブラックゴブリンを改めて生成すると、他のモンスターと同じく、やはり同じ個体が優先して生成されたようだ。

 俺のほうを見ると、深々と頭を下げているのは、先ほどの敗北の謝罪だろう。


「謝る必要はないよ。敵が多すぎた。それに、本当なら最初のパーティですら、厳しい相手のはずなんだから」


 それでも納得はしていないのか、彼はすぐに持ち場へと戻ろうとする。

 ただ、今は待ってほしいかな。


「ちょっと待ってくれ。侵入者の相手よりも、試してもらいたいことがある」


 俺の言葉は、素直に聞いてくれる。

 このあたりも、他のモンスターと同じだ。

 違うのは、やはりあのステータスの記号くらいのものか。


「リピアネム。今のゴブリンの強さはどうだ?」


「そうだな。今は、他のゴブリンたちに近い」


 ということは、最初の戦いで力を使い果たしたか。

 まあ、それならそれで、他のゴブリンたちと同様に、集団で連携すればいいだけだ。


「む? やはり、かなり強くなっているな。おおよそ、倍程度の強さだ」


 しかし、俺が今後の運用方法を考えていると、ブラックゴブリンに、変化があったらしい。

 なんというか、戦っていたときのように、やる気満々という様子だ。


「戦うときだけ、強くなるとか?」


「というよりは、一時的に自身の力を飛躍的に上げられるのだろう」


 なんか、魔力も上がっているっぽいしな。

 そんなゴブリンだったが、しばらくすると疲れたように肩を落とした。

 ああ、これもさっき見た光景だ。


「リピアネム」


「また、元の強さに戻っている。やはり、長時間は強化できないのだろう」


 みたいだな。じゃあ、連戦には向かないか。

 だけど面白い。ステータスが全てではないことは、重々承知だったが、ここまではっきりとステータス以上の強さになるとは。

 これ、国松あたりなら、騙し討ちで倒せるんじゃないか?

 それとも、俺の見るステータスと違い、あいつなら、強化後のステータスもリアルタイムで反映されるのだろうか?


「面白いな。ブラックゴブリン」


 プラスという謎のステータス記号。

 それは、どうやらこちらにとって、いい結果をもたらしてくれるらしい。

 もしものときの、奥の手として、今後は使ってもらうのも良いだろう。


「レイ。レイ」


「なんですか?」


「この子のステータスに付与されているプラスとやらのおかげで、この子は一時的に倍の強さになるんですよね?」


「リピアネムの見たてではそうですね」


「魔力も倍になるんですよね?」


「そうですね。そのあたりは、なんとなく俺も感じ取れましたし」


「……私にも、プラスのステータスを付与できませんか?」


 ……なるほど。つながった。


「やり方がわからないので、無理です」


「倍になったら、一万ガシャも回せるんですよ!?」


「そう言われましても、無理なものは無理です」


 そりゃあ、俺だってこれが自由に付与できるのなら、魔王軍全員に付与しますよ。

 そうしたら、勇者との戦闘で倍の強さになるかもしれないので。

 ただでさえカンストしている魔王様が、倍の強さになるとか悪夢だな……。

 だというのに、本人は、そういう方面でねだるのでなく、ガシャのためにねだってくるとは。


 ほんと、ポンコツな魔王様だな……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『転生宰相のダンジョン魔改造録』第1巻 発売中!
▶シリーズページはこちら

6j3di8xzcku315svenm7h9h1dqae_1312_12f_1kw_b0ma.jpg
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ