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男がきましたわ


『レイカ?スマートフォンを眺めているだけではタケシさんに連絡ができませんわよ』

スマートフォンでタケシに電話するのをためらっている私にマリアさんは言ってくる。


「やっぱり電話にこだわらなくてもよくない?他にも連絡方法あるしさ」

『だめですわよ。

自らの声で相手に宣言する、そうすれば逃げ道をなくせますわ。

ほら早くしなさいレイカ』

「嫌だよー、1年くらい話してないんだよ!

すごい緊張するよ!

よし明日にしよう」

今日電話をすることを諦めて、明日の私に任せよう。


『はぁーわかりましたわ。

レイカ、飛鳥殿に内緒ですわよ』

マリアさんがそう言うと私の体が勝手に動き始めた。


「ちょっとマリアさん!絶対何かしてますよね?」

『してますわよ。こうでもしないとレイカはふんぎりつきませんもの。

スピーカーモードにしましょう』

私の指が画面の通話ボタンをを押し、スピーカーモードになるボタンも押した。


「マリアさん!異世界の人なのに詳しすぎじゃない?って本当に電話してる!

どうしよ!」

『当たり前ですわ、もうこの世界で長年過ごしていますもの。

慌てても無駄です、ちゃんとタケシさんに自分の思いを伝えるのですわ』

マリアさんは笑いながら言ってくるけど、緊張して心臓がバクバクなっている。


【もしもし、レイカから電話をしてくるなんて珍しいな。

というか久しぶり】

スマートフォンからたけちゃんの声が聞こえた。


「もしもし、急にごめんね。

えっと相談があって電話したの」

【相談?

何でも言ってよ。もし俺にできることがあれば何でもするし】

「えっとね、私、、、痩せようと思うの。

でもどうやればいいかわからないから、たけちゃんに聞こうと思って」

頑張って要件を伝えられた。


【あーなるほどね、だから俺に相談したんだ。

協力するよ!このもとデブのたけしがね!

今から行くから待ってろ!】

その声を最後にスマートフォンからたけちゃんの声ではなく電話が切れた音が鳴った。


「マリアさん今、たけちゃんは行くって言ったよね!」

『ええ、たしかに言いましたわ』

「どうしよう!なんかいい感じの服に着替えないと!飛鳥さんとこに行こ!」

『別に今の格好でもよろしいんじゃないかしら』

「いやマリアさん、婚約者に会うのにジャージはまずいよ!」

『そうかしら、この世界ではジャージ姿で婚約者とよく会ってましたわよ』

「うちはうち、よそはよそ!」

私は飛鳥さんのもとに全力で向かった。

当然汗だくになり、お風呂にいざなわれた。





「お嬢様、武様が参りました」

「入れてもらって大丈夫よ」

部屋にあるソファーにマリアさんと並んで座り、緊張のせいで声が震えたまま飛鳥さんに答えた。

ちなみに服はピンクの花柄がところどころに刺繍してある白いワンピースだ。


扉が開きたけちゃんが部屋に入ってくる。


「久しぶりだな麗華、元気そうで安心した。その服も似合っているぞ」

たけちゃんはジーパンと白い横線が何本も均等な間隔で付いている柄のポロシャツを着て現れた。

黒い短髪で目が鋭い一重、

背は180センチくらいで細マッチョ。

今はこんなだけど中学時代はとても太っていた。


「久しぶりたけちゃん。

わざわざ来てくれなくてもアドバイスを言ってくれるだけでよかったのに」

「1年も連絡も返さなかった麗華が頑張って電話してくれたんだ。

そりゃ直接来て、協力したくなるだろ!」

「ありがとうたけちゃん」

相変わらずたけちゃんは優しいことに安心した。


「麗華、話は変わるんだけどその人は誰?

新しい友達?」

たけちゃんはマリアさんが座っている所を指差して言った。


「え?たけちゃんマリアさん見えているの!」

「普通に見えるけど?」

「幽霊だよ!怖くないの?」

「幽霊?いや普通の人に見えるけど?」

どうやらたけちゃんはマリアさんを半透明ではなく、生きている人の姿に見えるらしい。


『まあまあ!レイカ以外にもわたくしを見える方がいらっしゃるなんて!

レイカ、わたくし興奮してきましたわ!」

「麗華この人なんか口をパクパクさせているぞ」

「たけちゃんマリアさんの声は聞こえないの?今普通に喋っていたよ」

「いや全く聞こえなかった。

というかマリアさんっていう人は幽霊なのか?」

『残念ですわ、声は聞こえないですのね。

お話しできる人が増えると思いましたのに』

残念がっているマリアさんはとりあえず放置して、たけちゃんにマリアさんのことを話した。





「俺には幽霊には見えないなー。

でも、うかびあがるところを見ると本当なんだな」

「そうだよ、マリアさんは本物の幽霊なんだ。

初めて見た時、本当に怖かったんだから。

しかも金縛りにもあったし」

『レイカ、それはすでに謝罪をしたはずですわよ!

まだ許していただけてませんの?』

「もう許してるから安心してよマリアさん。

その時はそう思ったってたけちゃんに言っただけだよ」

不安そうな顔をして私の目の前に移動したマリアさんに答えた。


「マリアさんはなんて言っているんだ?」

「怖がらせたのを謝ったのに許してもらえてないと思ったらしく、それを私に伝えてきたんだ」

「へぇー不思議なことを考えるんだな、幽霊なんて怖がらせるのが仕事みたいなものなのにな」

『失礼ですわ!

そもそも幽霊なんて人が亡くなった魂の姿ですのよ、人が人を怖がらせるなんて意味のないことはわたくしはしませんわ』

「たけちゃんは、マリアさんは怖がらせるなんて意味のないことしないって」

「そういうもんかね」

たけちゃんはマリアさんを触ろうとしたが、バチッと弾かれた。


『無礼者!

殿方が許可もなく女性に触れようとするなんて!

恥を知りなさい!』

「たけちゃん、勝手にマリアさんに触ろうとしたからすごい怒ってるよ」

「いやすまん、幽霊なんてものに初めてあったから、好奇心を止められなかった。

マリアさんごめんなさい」

『知りませんわ』

マリアさんはどこからともなく出した扇子で口元を隠し、たけちゃんがいない方向に顔を向けた。


「どうやら嫌われたらしいな」

「そりゃそうでしょ、私でも知らない男の人に触られたくないし」

「許してくれるまで謝るしかないか。


そういえば、どうして痩せようとおもったんだ?」

たけちゃんはマリアさんのことをいっかい置いておくことにしたようだ。


「実は昨日ね、マリアさんに言われたの。

学校を行かなくなった人達が、後で行かなかったことをすごい後悔するって。


それを聞いたら、自分の心に蓋をしていることに気づいたの。

本当は学校に行きたいって。

前みたいにいろんなことを学んだり、友達と過ごしたいって。


そしたらマリアさんがまずは痩せることやりなって言われて、

やってみようと思ったんだ。

「そっかぁマリアさんのおかげなんだね。


マリアさん。

麗華の心を解き放ってくれてありがとうございます。

本当に、本当にありがとうございます!」

たけちゃんは立ち上がりマリアさんに頭を下げた。

そうするとマリアさんは顔をたけちゃんに向けた後口元を隠していた扇子を消した。


『わたくしの友人を思うその心にめんじて、さきほどの無礼を許しましょう』

「たけちゃん、さっきの無礼を許してくれるって」

「本当か!ありがとうマリアさん!」

『特別ですわ』

「特別だって」

「特別か!ありがたいな」

マリアさんとたけちゃんが仲直りできたのでなんだか嬉しかった。


「じゃあ今日はもう帰ることにするよ」

「え?もう帰るの?」

「今日は麗華の顔と何で急に痩せたいと思ったのか知りたかったからだ。


安心しろ。すぐに麗華用のメニューを考える」

「ゆっくり考えてもらって大丈夫だよ?」

「いやこの3ヶ月ある夏休みの期間で痩せてもらう。

大丈夫だ、3ヶ月あれば人は変われる」

そう、私の言っている学校は夏休みや冬休みなどなの期間が長い。

理由はお金持ち学校だからなのだろう。


「ではな麗華!

俺に任せておけばきっと痩せられる!」

「うん、任せたよたけちゃん」

「おう!」

この後たけちゃんを玄関から見送った。




見てくれてあざっす。

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